いわゆる音韻学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 18:21 UTC 版)
漢学の重要な素養として漢詩、特に近体詩が書けることがあった。しかしながら、音韻体系が全く異なる日本語話者にとって、中国語の音韻体系を学習するのは非常に困難なものであった(いわゆる、和習(倭臭)の問題)。まず、中国語に比べ発音体系が単純な日本語では、元の中国語では異なる音と認識される漢字が同音となることが多く、音読みでは韻を踏むものの、中国語では韻を踏まないということとなるため、音読みでは同音となるものの使い分けを学ぶ必要があった。当初は、個々の漢字で反切を丸暗記する等していたが、後に便法として字音仮名遣いが工夫された。また、近体詩において、平仄は最も重要な要素であるが、その前提である声調(四声)を、一字一字について覚える必要があった。 このような学習が、明治初期まで漢学の重要な分野であった。
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