居飛車穴熊(いひしゃあなぐま)
序盤の陣形で、大駒である飛車を最初にあった位置から一歩も動かさず、王将を左下に移動させ、その周りを自陣の駒で固めるという戦法だ。守備を厚くすることで、その分を攻撃に専念できるとあって、将棋界では広く採用されている有名な戦法だ。
居飛車とは、序盤で飛車を動かして陣形を整える「振り飛車」と対をなす戦法だ。そのため、棋士は対局の開始と同時に、指し手によって、まず居飛車か振り飛車のどちらか一方を選択する。
飛車の位置を決めると同時に、王将を最も安全な場所に移動させ、金将や銀将など自陣の駒を使ってその周りを囲う。特に、王将を完全に囲い込む穴熊は、冬眠する熊が穴の奥深くにもぐる様子に由来し、最も頑丈だとされている。
2001年 2月 8日から山口県柳井市で行われた第50期王将戦の第4局では、羽生善治王将が居飛車穴熊を用い、谷川浩司9段を破った。結局、2001年の7番勝負では羽生善治王将が王将の座を守っている。
この戦法について、プロ棋士の田中寅彦9段は、将棋雑誌などで元祖と自称していた。これに対し、アマチュア棋士の大木和博氏が先に考え出したのは自分であるとし、東京地裁に提訴した。その後、最終的な司法判断を最高裁判所に求めていたところだった。
(2001.02.23更新)
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