伊豆諸島焼酎(いずしょとうしょうちゅう)
イモ焼酎に代表される、東京都下、伊豆諸島産の焼酎。まだ一般的知名度はうすいが、昭和五九年ごろから東京市場にも姿をみせ始めた。その起源は、江戸末期に現在の鹿児島県阿久根(あくね)出身の貿易商丹宗(たんそう)庄右衛門が密貿易の罪で八丈島に流刑され、慢性的な食糧飢饉(ききん)に見舞われていた同島に、主食の穀物でつくっていた濁酒にかわって鹿児島流のカンショによる焼酎づくりを伝授したのが始まりである。昭和五九年現在、大島・新島(にいじま)・神津島(こうずしま)・三宅島・八丈島にある13社の製造場で焼酎がつくられており、それらの焼酎を一堂に集めた鑑評会が毎年三月、東京国税局の鑑定官室で開催されている。最近ではイモ焼酎のほかに、ムギ焼酎や同諸島の特産品であるサトイモの焼酎などもつくられ、クサヤとともに同諸島の代表的な土産品となっている。なお、八丈島には庄右衛門の徳をたたえて、焼酎の貯蔵がめに「島酒之(の)碑」と記し、そのまわりを一斗入りの焼酎がめで囲んだ顕彰碑がみられる。
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