アルキレーション
【英】: alkylation
アルキル化のことで有機化合物にアルキル基を導入する置換または付加反応のことをいう。 石油工業においては、イソオクタンのような高オクタン価のガソリン基材やエチルベンゼンのような石油化学製品の製造に応用されている。アルキレーションにより得られる反応生成物をアルキレート(alkylate)という。例えば、イソブタンのような側鎖をもつ軽質のパラフィン系炭化水素と、プロピレン、ブチレンなどのオレフィン系炭化水素との反応により、イソオクタンなどの高オクタン価のイソパラフィンを製造し、これを航空ガソリンや自動車燃料のガソリン基材に使用する。アルキレーションは、1930 年代後半から航空ガソリン製造用として実用化され、米国を中心に発展してきた。わが国でのアルキレーション装置は東亜燃料工業 (株) 和歌山製油所に 1 基あるが、今後オレフィン系炭化水素および芳香族炭化水素を含まない高オクタン価ガソリン基材として、また接触分解装置(FCC)の能力増強に伴い増産される副生 LPG の有効利用法として注目を浴びるであろう。イソパラフィン製造の場合、原料は通常、接触分解装置からのイソブタン ― ブチレン留分であるが、イソブタンとブチレンはほぼ等モルで反応するため、接触分解からの原料だけでは組成的にイソブタンが不足する。その対策として直留または接触改質装置からのイソブタンを加えたり、ノルマルブタンを異性化して不足のイソブタンを補う方法がとられる。米国ではさらにアルキレートの絶対量を増加させるため、原料オレフィンの範囲が広げられ、プロピレン、アミレンなども用いられるようになった。アルキレーションは、無触媒、高温・高圧下で反応させる熱アルキル化法と触媒を用いて反応させる接触アルキル化法があるが、現在熱アルキル化法は実施されていない。接触アルキル化法に使用される触媒は、主として硫酸または弗化水素{ふっかすいそ}である。前者のプロセス・ライセンサーとしては、Stratco 社、Kellogg 社、および ERE 社、後者としては Phillips 社、UOP 社が主に知られている。 |

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