アップリフト
【英】: uplift
英国の石油収入税(petroleum revenue tax: PRT)の課税標準算定にあたっては、総収入金額からロイヤルティその他の支出額を控除するが、この控除項目のうち一定の要件を満たす資本支出については 35 %(1978 年までの支出については 75 %)の割増控除が認められている。この割増控除をアップリフト(uplift)という。 このアップリフト制度は、一つには設備投資の促進を図り、石油生産をできるだけ早期に開始させることを目的とし、他方 PRT 算定にあたって金利の控除が認められていないため、これを補うものとして導入されたものである。アップリフトが認められるためには、その支出が、(1) 石油生産の開始または石油の英国への輸送開始のためのもの、(2) 石油生産量もしくは英国への輸送量の増加、または生産量の低下防止のためのもの、(3) 初期の貯蔵または処理施設のためのもの、のいずれかに該当するものであることが必要である。1981 年の初めからは、このアップリフトの適用に新たな制限が加えられ、油田ライフの後期における支出には適用されないこととなった。すなわちペイバック(pay-back)に達した日を含む 6 カ月の課税期間後の支出についてはアップリフトが認められず、その支出自体の控除だけが認められることとなった。ここでペイバックとは、その油田に対する投資が回収された時点をいう。累積収入額が累積支出額を上回った時点であり、この場合の累積支出額にはアップリフトと APRT(前払石油収入税)を含む。以上は英国の PRT におけるアップリフト制度の概要であるが、英国のほかにもオランダの PPT (production profit tax)およびノルウェーの石油特別税にアップリフトの規定が設けられている。オランダの PPT では、資本支出の償却費について 70 %のアップリフトが認められ、操業費については 20 %のアップリフトが認められている。また、ノルウェーの石油特別税においては、資本支出に対し 100 %のアップリフトが認められている。 |

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