『電蓄』の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:51 UTC 版)
エレクトロニクスの進歩、真空管の小型化と性能向上に伴い、レコード針の動きを電気信号に変換して増幅し、スピーカーを鳴らす「電気式蓄音機」すなわち「電蓄」が登場した(順序としては駆動系の電化のほうが遅かった)。 LPレコードはレコードの溝が細かくなった上に、材質がポリ塩化ビニルとなってSP盤のような強い針圧に耐えられなくなったことから、電気式でないと再生できない。ステレオレコードに至っては、原理上電気信号を用いる方式でしか再生はほぼ不可能である。オーディオ機器のコンポーネント化により、レコードから電気信号を取り出し、ライン出力に増幅するところあたりまでの装置を独立させてレコードプレーヤーとするようになった。 また、電蓄の語は、レコード盤をはみださせてぎりぎり乗る大きさのターンテーブルと、そのままスピーカーを駆動できるアンプを内蔵したいわゆる「ポータブル電蓄」が普及し、昭和中期にはトランジスタ化されて一般家庭にも広く普及したことから、オーディオ機器の中で「レコードプレーヤー」の語が一般的になった後も、「ポータブル電蓄」にその名を留めていた。 現在では北海道大学の伊福部達らにより、レーザー光線による非接触の蝋管再生装置が開発されている(金属製の雄型の再生も可能である)。
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