『アイヌ物語』
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1918年に富貴堂書房から発行された武隈の著書。山辺安之助(1867-1923)の『あいぬ物語』(1913年)に次いで書かれたアイヌによる著書でありつつも、口述筆記ではなくアイヌ自らが執筆・刊行したものとして、ジョン・バチェラーによる序文内で「アイヌ人著述の嚆矢」と紹介されている。武隈は、アイヌの実態を伝えるものとして執筆したが、出版社は「アイヌが書いた」という点に重きを置いて広告し、同年に開かれた開道五十年記念北海道博覧会の記念品・土産物として売り込んでいる。 その内容は、(1)「アイヌ種族」、(2)「アイヌの風俗習慣」、(3)「アイヌの宗教」、(4)「アイヌの教育」、(5)「アイヌの工芸」の5章構成であり、分量としては特に「アイヌの教育」の章に力が注がれている。1916年に施行された「旧土人児童教育規程(大正5年12月、北海道庁令第86号)」に対する見解が述べられており、日本政府の主導するアイヌ民族教育に関する政府の方針に対する私見(反対意見)を公表した。
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