「高次のジーニアス」と「うまれざるもの」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 18:54 UTC 版)
「聖守護天使」の記事における「「高次のジーニアス」と「うまれざるもの」」の解説
イズレエル・レガーディーは、アレイスター・クロウリーのいう「聖守護天使」は黄金の夜明け団の「高次のジーニアス」と同義であり、神智学でいう「高次の自己」に等しいと論じている。黄金の夜明け団の教義文書の中の「小宇宙 ― 人間」と題されたテキストは、人間の中の上位部分とその背後にある超越した存在とのつながりについてふれている。それによれば、ケテルに対応する人間の上位部分はヘブライ語でイェヒダー(Yechidah)と呼ばれる神的意識であり、天使的力が人間の内に顕現したものである。それを超えたところに「高次のジーニアス」(Higher Genius、高次の天才、高次の天性とも訳される)と呼ばれる大いなる天使が控えている。イェヒダーはこの天使の代理として人間存在を統治するものであり「低次のジーニアス」である。 高次のジーニアスを勧請するための黄金の夜明け団の非公式儀式は、団員であったアレイスター・クロウリーの知るところとなり、彼が出版した『ゴエティア ― ソロモン王の小鍵』に「蛇の巻きついた心(臓)の勧請」として収録された。この儀式は古代後期エジプトの魔術パピュルス文書のひとつ「ロンドン・パピルス」(PGM V)に含まれる「象形文字記者ジェウの銘板」(350C.E.)を翻案したものである。元のパピルス文書のテキストにある「無頭者」 (ακεφαλον) という言葉は、この儀式では「不生なるもの」と解釈されている。クロウリーの「サメクの書」はこの「生まれざる者の儀式」の改作である。
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