「議論の前提」となる合意(「正・不正」のみを根拠とする)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 21:40 UTC 版)
「クリトン」の記事における「「議論の前提」となる合意(「正・不正」のみを根拠とする)」の解説
6. ソクラテスは、クリトンの熱心さは尊重するが、それが正しい道理に適っているか考えなければならない、自分は熟考の結果最善と思われる考え以外には従わないと、問答開始。まず大衆の意見ではなく、一部の智者の意見が尊重されるべきという点で、合意。 7. 運動を本職とする者は、あらゆる人の賞賛・非難・意見ではなく、医者や体育教師ら専門家の意見を尊重すべきで、合意。逆に、その彼が素人・大衆の意見を重視すれば、禍を被るという点、また、その禍は身体に及ぶという点でも、合意。この例が、正と不正、美と醜、善と悪といった主題においても同様に当てはまるという点でも、合意。 8. 専門家の意見を聞かず、不養生によって損なわれた不健康な身体をしていては生き甲斐が無いという点で、合意。不正によって害された魂をしていてはもっと生き甲斐が無いという点でも、合意。これによってクリトンの「大衆の意見に耳を傾ける」という姿勢は退けられた。一番大切なことは単に生きるのではなく善く生きること、また、善く生きることは美しく生きる、正しく生きることでもあるという点でも、合意。 9. 以上の合意に基づき、逃亡するか否かは、現在の問答における正・不正のみを根拠とすること、他の事情は顧みないことで合意。ソクラテスは、最善の異論・反対説があれば述べてほしいとクリトンに頼みつつ、議論を進行。
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