「爆発」ではなかった
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 06:44 UTC 版)
「チャレンジャー号爆発事故」の記事における「「爆発」ではなかった」の解説
飛行力学担当官の最初の発言とは異なり、シャトルと外部燃料タンクは「爆発」したのではなかった。実際には最大動圧点(マックスQ)をわずかに過ぎた後の極めて高い空力負荷によって急速に空中分解したのである(この場合の『過ぎた』とは、一般に大気圏外まで飛翔するロケット等の飛行プロファイルにおいては、最大動圧点を過ぎれば動圧は下がることを示唆している(詳細は最大動圧点の記事を参照))。外部燃料タンクが分解した際、内部の燃料と酸化剤が放出され、巨大な火球を生じた。しかしながら事故後にNASAが分析した結果によれば、推進剤の「燃焼は限定的」なものだった。写真や動画などで見える雲は、主に放出された液体酸素や液体水素推進剤によって生じた水蒸気とガスである。極低温で保存された状態では、液体水素は通常の爆轟の意味で「爆発」するほど急速に発火できたはずはない(実際に起きたことは爆燃である)。もし本当に爆発していたら、シャトル全体が一瞬で破壊され飛行士は即死していたはずである。比較的堅牢に出来ていた乗員室とSRBは機体が分解する中を持ち堪えた。SRBはその後遠隔操作で爆破されたが、分離した乗員室は弾道に沿って飛び続け、T+75.237にガス雲を抜け出るのを観測された。高度14.6kmで機体が分解してから25秒後、乗員室の飛翔経路は最高高度19.8kmに達した。
※この「「爆発」ではなかった」の解説は、「チャレンジャー号爆発事故」の解説の一部です。
「「爆発」ではなかった」を含む「チャレンジャー号爆発事故」の記事については、「チャレンジャー号爆発事故」の概要を参照ください。
- 「爆発」ではなかったのページへのリンク