「前塗装(プレコート)」と「後塗装(アフターコート)」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/19 05:33 UTC 版)
「カラー鋼板」の記事における「「前塗装(プレコート)」と「後塗装(アフターコート)」」の解説
鋼製の製品の塗装をどの段階で行うかは、製造メーカーにとっては大きな検討課題の一つになる。前塗装と後塗装にはそれぞれ長所・短所が存在しており、最終製品の性質に応じて選択する必要がある。ここでは幾つかのポイントを紹介する。 前塗装の利点・難点の例鋼板メーカーで開発されたさまざまな機能を持つカラー鋼板を活用できる 自社工場での塗装設備投資が少なくて済む 塗装作業に伴う環境対策が不要 カラー鋼板は溶接加工が難しい(TIG溶接ある場合は、基本的に後塗装) 加工時に表面に疵がつかないよう、注意する必要あり 必ずしも希望する色がない場合がある(鋼板メーカーに特別色を出してもらえる可能性はあり) 他の鋼板に比べると、カラー鋼板は割高 後塗装の利点・難点の例加工後に塗装するため、加工の制約が少ない。また、加工に伴う表面疵の心配が少ない 好みの色を自由に作成・利用できる 生産タイミングを自由に決めることができる 塗装作業に伴う環境対策が必須 塗料の保管が意外に手間 色彩以上の機能を表面に与えることが難しい 十分な生産量を確保できないと、結果的にコストアップになる可能性あり 素材から最終製品まで一貫して捉える場合、環境負荷という側面から見ると、前塗装の方が廃液を集約して処理できるなど、メリットが大きい。ただし、需要側にとってはそれ以外の要素の方が重要であることが多く、比較的容易にカラー鋼板に切替可能な製品であっても、依然として後塗装で仕上げている場合が多い。なお、前塗装のことをプレコート、後塗装のことをアフターコートとも呼ぶが、鋼板品種としての「プレコート鋼板」は、今では特定の用途向けに原板や塗料などを特別に設計・管理した(比較的高級な)カラー鋼板という意味で用いられることが多い。
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