「前文」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 09:28 UTC 版)
「中華人民共和国憲法」の記事における「「前文」について」の解説
「中国は、世界で最も長い歴史をもつ国の一つである。中国の各民族人民は、共同して輝かしい文化を創造し、また光栄ある革命的伝統を受け継いでいる。」(第1段)で始まる憲法前文の、第7段において「中国の新民主主義革命の勝利と社会主義事業の成果は、中国共産党が中国の各民族人民を指導して、・・・真理を堅持し、誤りを是正し、多くの困難と危険に打ち勝って獲得したものである。」と規定し、「共産党の指導」の正統性を強調する。現行82年憲法においては、75年憲法や78年憲法と異なり、憲法の具体的条項の中に「共産党」という言葉は登場せず、それが登場するのは、前文においてのみである。憲法は一方で、前文第13段および第5条第4項において、すべての国家機関、武装力、各政党、各社会団体、各企業・事業組織は憲法および法律を順守しなければならない、と規定している。中国の憲法学者の多くは、この「各政党」の中には当然、共産党も含まれると解釈しており、一見、共産党は憲法体制の枠内にあるかのようである。しかし他方、憲法前文に、「4つの基本原則」が規定されており、しかもこの原則の中核が「共産党の指導」の堅持であるがゆえに、共産党は、実質的に超憲法的存在となっている。
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