「チフスのメアリー」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:34 UTC 版)
「スーパー・スプレッダー」の記事における「「チフスのメアリー」」の解説
「メアリー・マローン」も参照 腸チフスは、サルモネラ属のチフス菌(Salmonella enterica subsp. enterica、旧称 Salmonella typhi)によって引き起こされるヒト固有の病気である。感染性は非常に高く、抗菌薬耐性となることも多い。胆嚢などへの保菌により、無症候性キャリアを作ることもあるが、中でも「チフスのメアリー」(英: Typhoid Mary)として知られたニューヨークのメアリー・マローン、イングランド・フォークストーン(英語版)の「牛乳屋のN氏」(英: Mr. N. the Milker)の例が広く知られている。2人によるスーパー・スプレッディング事例はほぼ同時期に起きており、マローンが1902年から1909年にかけて51人に感染を広げた一方、N氏は1901年から1915年にかけての14年以上に、200人以上に感染させたと推測されている。N氏は保健当局の申し出を受けて、食品産業を辞めることになった。マローンは料理人を辞めることを拒み、ニューヨーク・ノース・ブラザー島(英語版)にある病院へ強制隔離され、1938年11月に69歳で亡くなるまでこの病院で過ごした。 チフス菌はマウスのマクロファージに感染し、炎症状態と非炎症状態を繰り返すことが知られている。細菌はマウスに症状を起こさないまま生存と増殖を繰り返すが、この現象で無症候性キャリアの原理を説明できる。
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