「もんしろちょう」(1968年)
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「牧衷」の記事における「「もんしろちょう」(1968年)」の解説
もんしろちょうの性行動と花の認知行動を実験的に明らかにした科学映画。教育映画特別賞、科学技術映画祭入賞作品。牧が生物学者の日高敏隆のモンシロチョウの研究を知って生物学も科学だなと考えて、日高に映画化を依頼して実現した。この映画では日高の研究をそのまま脚本にしたが、実際に実験してみると予想が外れて、スタッフは「なんだシナリオ通りにならないじゃないか」と文句を言ったが、日高と牧は「予想が外れるからおもしろい」と思い、牧は「やってみて初めて分かる。シナリオにどう書いてあろうと実験は嘘をつかない。とにかく実験だけは正確にやって撮影しておいてくれ」と映画の作成を進めた。何万もの青虫を育て、当初予定の3倍の予算を使い、時間も3年かかった。牧の社内での評判は悪くなり,牧はクビも覚悟したが、岩波映画の経理担当重役の河上信裕(1897-1985)が「これは会社の財産になる映画だ。雑音なんかにめげずにやり続けなさい」と励まされ、牧はその後も映画作りを続ける事ができた。牧は「私は上司に恵まれた」と回想している。完成した映画は仮説と実験の繰り返しで真実に迫るという科学の方法を示す映画となった。
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