「まだらの謎」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:18 UTC 版)
5月13日土曜には素晴らしい追い切りを披露したが月曜の朝、激しい下痢と嘔吐、発熱を発症しているのが発見された。腸ねん転が疑われ、獣医師が呼び出された。糞と血液からサンプルが採取されて、ニューマーケットの研究所へ送られた。予定されていた火曜のダンテステークスは回避を余儀なくされた。19日金曜の朝にはオーリーリアスと5ハロンのキャンターを行なうほど回復していたが、翌日は調教場に姿を現さなかった。その晩マーレスは症状が再発し、(31日の)ダービー出走は難しいだろうと述べた。月曜の新聞はダービーの本命馬の不可解な胃トラブルを一面や最終面で報じ、『デイリー・エクスプレス』は叫んだ。「まだらの謎ピント・リドル(Pinto Riddle)」「彼はねらわれたのか?」。27日には出走を断念することが正式に発表された。ピントゥリシオはそのまま競走馬を引退した。 サンプル分析の結果、ほとんど致死量に達するクロトン油が検出された。20世紀前半に動物園で下剤としてゾウのような大型哺乳動物を治療するのに用いられ、1920年代のシカゴでは密造酒業者が、商品を盗もうとする同業者を欺くためにウィスキーのボトルに仕込んだりしたものだった。スコットランドヤードの捜査が入り、二度にわたるドーピング行為の結果、賭け屋がおよそ20万ポンド、2013年通貨換算で360万ポンドを得たものと結論づけた。警察は、少なからぬブックメーカーの一団がこれに関与していたと見なしていたものの、起訴に十分な証拠を得ることは出来ず告発を断念した。 この年の8月、サッスーンは死去した。
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