○「金口イオアンの聖体礼儀」- ×「ヨハンネス・クリュゾストモスの神聖な典礼」×「ミサ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/13 00:40 UTC 版)
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海外正教会の聖歌を録音した輸入CDなどにおいて “Divine Liturgy of St. John Chrysostom” の訳に散見される誤訳の事例(チャイコフスキーやラフマニノフ、グレチャニノフなどの作曲家によるものを扱ったものにとくに見られる)。上の項目「聖体礼儀」に述べたように、Liturgy には「奉神礼」(典礼)という広義の意味と「聖体礼儀」という狭義の意味とがある。上の英語の事例 “Divine Liturgy of St. John Chrysostom” では「イオアンニス・クリュゾストモスの(金口ジョンの)」という修飾語があることから、“Divine Liturgy” は「聖体礼儀」の意味以外には有り得ない。この場合に「典礼」と訳出するのは、「日本正教会の訳語を尊重するかしないか」のレベルの問題ではなく、はっきり誤訳である。 “Divine Liturgy of St. John Chrysostom” の日本正教会での定訳は「聖金口イオアン聖体礼儀」「金口イオアンの聖体礼儀」などがある(詳細は聖金口イオアン聖体礼儀を参照)。Chrysostom は「金の口を持った」という意味のギリシャ語であり、聖人とされている4世紀のギリシャ人ヨハネス・クリュソストモスに付された称号であって姓ではない。ヨハネス・クリュソストモスは金口イオアンの聖体礼儀の編纂者として知られる。 なお日本正教会では先述の通り、「イオアンニス」「ヨアンネス」「ヨハネス」「ヨハネ」と呼ばれる人名についてはロシア風に「イオアン」と表記するのが標準的である。ギリシャに関連する話題を記したもの・対外的な媒体においては、日本正教会の関係者の一部にも現代ギリシャ語風に人名を「イオアンニス」「ヨアンネス」等と表記している場合が散見されるが、混乱を避けるためか「金口イオアンの聖体礼儀」を「金口ヨアンネスの聖体礼儀」などと表記することは皆無である。 同様に、“Divine Liturgy of St. Basil the Great” には「聖大ワシリイの聖体礼儀」の定訳がある。
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