禁治産
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禁治産(きんちさん)は、日本のかつての民法(いわゆる「明治民法」)で、一定の者についてその者の行為能力を制限する制度である。1896年(明治29年)公布の民法に規定され、戦後の民法改正時にも引き継がれた。2000年(平成12年)に成年後見制度に置き換わる形で廃止された。
- ^ a b 明治民法下では人事訴訟手続法に基づき通常裁判所で、戦後は本人の住所地を管轄する家庭裁判所(家事審判規則第22条)。
- ^ a b 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.65
- ^ 裁判所が禁治産の宣告をする際には、必ず同時に後見人を定め、この者にその旨を告知し、その後見人が戸籍上後見開始の届出をする(家事審判規則第25条・26条、戸籍法第81条)
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.68
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.67
- ^ 同趣旨の規定は成年後見制度下の現在は第98条の2に規定されている。
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.68~69
- ^ 美濃部達吉『選挙法大意』三省堂書店、1914年 p.38
- ^ 浪費者であることを理由として準禁治産を宣告する制度を設けた趣旨は、浪費者が思慮なくその資産を浪費することを防止し、もって浪費者の財産を保護するにあるから、右の制度は、憲法13条および29条の趣旨と牴触するものでないことはいうまでもなく、また、浪費者であることを理由として準禁治産の宣告を受けた者も、その原因が止んだときは、民法13条、10条により、家庭裁判所は、本人その他民法7条所掲の者の請求によりその宣告を取消すことを要するものであり、本人が浪費者でなくなったことは、本人の日常の行動その他具体的事実により十分にこれを判断できるのであるから、その行為能力の回復が法律上保障されているのであって、その保障がないとの見解を前提として、この制度の違憲を論ずるは、当を得ない(最判昭和36年12月13日)。つまり、「浪費者」を準禁治産者とすることは、憲法第13条、29条に違反しない。
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.70
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.70
- ^ 裁判所が準禁治産の宣告をする際には、必ず同時に保佐人を定める。以下の手続きは禁治産の場合と同様である。
- ^ ここでいう「訴訟行為」は、民事訴訟において原告となって訴訟を遂行する一切の行為をいう。相手方の提起した訴え又は上訴について訴訟行為をすることは、保佐人の同意その他の授権を要しない(旧民事訴訟法第50条)。
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.71
- ^ 我妻栄『民法総則(民法講義I) 』岩波書店、1963年、p.76
- 1 禁治産とは
- 2 禁治産の概要
- 3 法改正による経過措置
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