眼鏡橋 概要

眼鏡橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 15:00 UTC 版)

概要

眼鏡橋は、土木技術の粋として重要な構造物であるが、道幅が不足するのでコンクリートの広い橋に架け替えられたり、洪水時に川の水をせき止めて氾濫の原因になるとして解体や撤去が行われ、全国的に急激に数が減っている。「日本の石橋を守る会」という団体が、全国の石橋(眼鏡橋・桁橋)を対象に保護活動を行っている。

古代ローマ水道橋のように、日本国外にも石造アーチ橋は存在するが、眼鏡橋という呼び名は日本国内の石造アーチ橋に対してのみ用いられるのが一般的である。

日本の事例

「古い長崎の面影を残しているもののひとつに、中島川にかかる石橋群がある。その中に本格的石橋としては日本最古といわれるアーチ式の『眼鏡橋』」があるという[1]。「眼鏡橋以後に架けられた中島川の石橋はすべて単アーチである」のに対し、「眼鏡橋」のみが 2 連アーチである[2]

長崎県東彼杵郡波佐見町では、波佐見盆地に橋が多く、その中に眼鏡橋が含まれる。「眼鏡橋は石造アーチ橋の通称で、一般には石橋で通用する」[3]。波佐見町の眼鏡橋の80%は「川棚川上流の山間部の窯業地に存在する」という[3]。「波佐見町の眼鏡橋は名前の付くものが25橋のうち4橋と少ない。」という[4]

長崎県佐世保市世知原町では17橋あり、「それらは佐々川本流に6橋、支流に11橋ある」という[5]。「世知原の眼鏡橋はすべて橋名がつけられて」いるものの「橋名の由来がはっきりしない」という[6]

代表的な眼鏡橋

国の重要文化財

群馬県
福岡県
長崎県
熊本県
大分県
沖縄県

国の登録有形文化財

福井県
長野県
愛知県
広島県
山口県
香川県
福岡県
大分県
宮崎県
鹿児島県

土木学会選奨土木遺産

宮守川橋梁

特記しないものは、石造、2連アーチ橋。

脚注

注釈

出典


  1. ^ 荒井裕則「石橋のルーツ「長崎眼鏡橋」」『Consultant vol.234 土木遺産V』一般社団法人建設コンサルタンツ協会(2007年)(閲覧日2017年9月2日)
  2. ^ 荒井裕則「石橋のルーツ「長崎眼鏡橋」」『Consultant vol.234 土木遺産V』一般社団法人建設コンサルタンツ協会(2007年)25頁、(閲覧日2017年9月2日)
  3. ^ a b 隈部(1991),47頁。
  4. ^ 隈部(1991),49頁。
  5. ^ 隈部(1991),50頁。
  6. ^ 隈部(1991),51頁。
  7. ^ 碓氷第三橋梁(めがね橋)」『あんなか観光ガイド』一般社団法人 安中市観光機構、閲覧日2017年9月7日。
  8. ^ 碓氷峠鉄道施設 第三橋梁 うすいとうげてつどうしせつ だいさんきょうりょう」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月7日。
  9. ^ 早鐘眼鏡橋」『文化遺産オンライン』、文化庁、閲覧日2017年9月2日
  10. ^ 眼鏡橋」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月2日
  11. ^ 眼鏡橋」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月2日
  12. ^ 天女橋 てんにょばし」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月7日
  13. ^ 北の沢の渡河橋(めがね橋)」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2023年4月9日
  14. ^ 明治村天童眼鏡橋」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月1日。
  15. ^ 目鏡橋 めがねばし」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月7日。
  16. ^ 広島県の文化財 - 目鏡橋」『広島県教育委員会ホームページ』広島県教育委員会事務局、閲覧日2017年9月7日。
  17. ^ 三見橋 さんみばし」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月7日
  18. ^ 四国村石舟のアーチ橋」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月1日。
  19. ^ 呉川眼鏡橋 くれかわめがねばし」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月7日
  20. ^ 若宮井路笹無田石拱橋 わかみやいろささむたせっこうきょう」『文化遺産オンライン』文化庁、閲覧日2017年9月6日。


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