眼鏡店就職後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 08:22 UTC 版)
三瓶は眼鏡の専門学校を卒業後、埼玉県熊谷市にある老舗の眼鏡小売店で仕事を始めるが、8か月で退社した。その後東京の老舗眼鏡店でアルバイトを始め後に正社員となるが、ここも生意気な性格が問題となり解雇される。当時は「眼鏡のかけ心地」を考慮して設計するデザイナーは殆どおらず、「眼鏡のかけ心地」を作るのは眼鏡の形状を客の頭の形状に合わせて調節する眼鏡店の店員の仕事と考えられていた。しかし店員が形状を調整してもすぐに形が崩れてしまい、早ければ一週間で痛いところが出たり、ずり落ちるようになる製品も多かった。開発担当として某眼鏡店に入社、その後、福井の生産工場でブランドOEMの企画開発営業もするが、結局長くは続かなかった。三瓶は眼鏡のツルに弾力性を持たせることを試みた。そのためにツルを細くしたが、そのことは同時にツルが折れてしまうリスクを持っていた。折れないギリギリの強度を求めて0.05mmの精度にこだわり、1985年までに3回の解雇を経験する。当時の眼鏡製造の環境はデザイナーより製造現場の職人のほうが権限が強く「どうでもいいじゃないか」と考える職人と衝突して解雇された。外国製の眼鏡をコピーしたような製品が、日本人が合うはずがない。かけ心地を重視して眼鏡のデザインを行えば売れる商品ができると思うようになる。1983年に25歳で眼鏡職人へ弟子入りし、眼鏡デザイナーになるためにフレーム制作技術を学び始めた。平日昼間は眼鏡店でアルバイトをして夜間は眼鏡図面を描いて職人の下へ通いフレームを作り、休日は販売店へ行商するも全く儲からず、一時期は眼鏡業界を抜けることを考えたが知人らに引き留められた。
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