亡念のザムド 登場人物

亡念のザムド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 17:31 UTC 版)

登場人物

主要人物

竹原アキユキ(たけはら-)
声 - 阿部敦
主人公。尖端島に住む男子高校生。明朗快活のお調子者でお人好し。手先が器用。ハル、フルイチとは幼馴染みで、ハルとは相思相愛の仲。幼い頃からイタズラっ子でフサの手を焼かせる。「冷戦」という中途半端な別居状態を続けるリュウゾウとフサの間を取り持っていたせいで、精神的に自立し、独り善がりで他人に迷惑や面倒をかけること以上に干渉や指図されるのを嫌う。日頃リュウゾウが口癖にしている「人は魂で繋がっている」などといった金言を半信半疑ながら実践している。
白髪の少女・ナズナを親切心で助けたことがあだとなり、ナズナの引き起こした爆破テロに巻き込まれる。その際、右腕にヒルコが宿ってしまいザムド化する。全身が石化する危険性のあったところを駆け付けたナキアミに救われ、両親やハルに別れを告げることも出来ぬままザンバニ号に乗せられる。自分の身に起きたことを完全には理解できず戸惑い、当初はナキアミやザンバニ号のクルーに対して良い感情を抱いていなかった。しかし、ナキアミと天心の導きや、ザムド訓練として郵便の業務をこなしていったこと、島の外の世界に広がる戦争の悲惨な現実を知ったことなどにより、自分が一人では生きられない存在で、ヒルコが共生を強く望んでいることに気付くようになる。
ザンバニ号が襲撃で擱座した後、ナキアミと二人で旅に出る決意をし仲間たちに別れを告げる。尖端島に立ち寄った際に家族との決別、ハルからの拒絶、フルイチとの戦いそして軍の追撃と運命が流転した結果、「面隠し」となる。「人買い」に捕まった後、アマウの原にて影童子に導かれた須磨子に買われる。影童子との対話とハルの呼びかけで自分の名を取り戻し、ハルと再会。胎動窟を目指す巡礼の旅を続ける。仮面が外れてからは髪が伸び顔つきも大人っぽくなる。
胎動窟にてシロザから大巡礼の真相を聞き、決戦兵器として投下されたミドリにハルを奪われたことで絶望し再び面隠しとなるが、駆け付けたナキアミと再会。ナキアミから想いを告白され、促されるままにリュウゾウのワクチンを使いミドリザムドを解体する。ミドリとハルが解放された後、ヒルケン皇帝との宿命の戦いに臨む。戦いを通じ、ヒルケンとわかり合ったアキユキは、名無し故に苦しみ続けるヒルケンに「アキユキ」という名前を捧げ、みたび面隠しとなる。ヤンゴの求めでナキアミが閉ざそうとした胎動窟の扉をこじ開けようとするが果たせず、顔を覆い崩れるようにして石化した。ザンバニ号で尖端島に運ばれ、海を望む岬に置かれる[注 6]。25歳の誕生日に人の姿を取り戻し、ハルに愛を告白する。
ナキアミ、ハルの両ヒロインはビートカヤックで飛び回るがアキユキは運転が出来ずもっぱらタンデムシートに座る。
名前の由来は、中上健次の紀州サーガ(『岬』『枯木灘』『地の果て 至上の時』)の主人公、竹原秋幸から。
アキユキザムド
白い体躯の巨人。両腕が異様に太くて大きくアンバランス。初期状態では小さなトゲのようだったものが、面隠しを経てからは四枚羽根に成長し、完全体となってからは高速飛行や羽根を武器に切り裂くことも出来るなど圧倒的な力を発揮する。腕をブレード状や盾に変えて戦う他、光線兵器なども使う。
面隠し(つらかくし)
自らの名前ともにアイデンティティーを喪失し、仮面化したアキユキ。記憶や言語、知能に深刻な障害が出ている。愛する人から拒絶されたり、失った絶望により孤独感に陥ることが原因で大抵の場合はハルが鍵を握る。また、この状態にあるアキユキは周囲の人に嫌悪感や不快感を抱かせる。夢現の状態にあって自我を喪失しているわけでないためこれだけなら石化しない。
ナキアミ
声 - 三瓶由布子
ヒロイン。テシク氏族の娘。赤い髪と頬に刻まれた紫の入れ墨、憂いを帯びた瞳と大人びた物言いが特徴。二つ名「雲を切る女」。ヒルコやヒルコから生じるザムド、ヒトガタの声を聞くことのできるタマヨビとして強力な力を生まれ持つ。また、ザムドを調教して、ヒルコとの共生を促す技に長ける。子供の頃は泣き虫だったが、成長してからはほとんど感情を表に出さなくなる。
次代のサンノオバとして人々の期待と崇拝を集めるテシクの天女(てんじょ)。「ジバシリ」の1人として戦場跡でヒルコを集めていたが母親を亡くして泣く幼いコバコを目にしてサンノオバの教えに疑いの念を抱き、コバコを抱いて彷徨っていたところを伊舟に拾われザンバニ号に乗船する。拾われたばかりの頃、泣き続ける彼女を伊舟が「泣き止め」と怒鳴ったのを他の船員が聞き間違え、ナキアミと呼ばれるようになった。
学校に通ったことがなく誰からも教わらないせいで読み書きが出来ない。無愛想だがなぜか子供から無条件に好かれる性質で、コバコ、ヒノキ丸、ヤンゴ、ミドリ、幼少期のアキユキから慕われる。
禊ぎの儀を受けることなく勝手に龍宮を離れ戻らなかった事情からテシクの郷にも寄りつけず、同族から唾棄され嫌悪されるゼーゲンドォに対してのみ心を開く。雷魚からクジレイカの写真を土産に渡され、肌身離さず大切にするようになる。
ヒトガタやザムドからヒルコを開放して救う博愛主義者だが、ザムドたちばかりでなく人や生命あるものたちがなぜ生きたいと願うかについては彼女自身わかっていない。また、自分自身の感情にも周囲の気持ちにも鈍感かつ不器用で感謝や愛情を表すのが苦手。アキユキと初めて出会った時から目が離せなくなっていた(=一目惚れしていた)が、自分の想いが恋愛とは気付いておらず意識もしていない。自分が助けた命に対しては最後まで責任を持つことを信条としており、垣巣を救いながらその後拒絶し続けたリュウゾウとは逆。
ザンバニ号の攫座後、アキユキと共に旅立つが軍の介入により尖端島で別れることとなり、その後は旅の途中で知り合ったヤンゴを連れてテシクの郷を目指す旅を続ける。クジレイカと再会するが狂気で醜く歪んだ姿を目のあたりにして決別。偶然再会したゼーゲンドォの手引きで聖地に入る。巨大ザムドと化し、聖地を破壊しハルを取り込んだミドリを救済するため、体内に入り母親と再会させた。アキユキを巡って仲違いしていたハルとも和解する。
その後、ハコベたちの導きでナキアミを待ち続けたサンノオバと再会。禊ぎの儀により皇帝誕生の秘密を聞かされ、世界中にザムドを広めた事情を聞かされる。教えに背いても「生きたい」と願う者たちと共に生きたかったことを告白。想いを受け止められ、小さなヒルコとなったサンノオバを胸に抱き胎動窟に向かう。アキユキの鎮めたヒルケン皇帝を浄化、ふたたび面隠しとなって迷子になっていたアキユキに予言めいた言葉を与えた後、ルイコンの流れに身を任せ役目を終えた胎動窟の扉を1000年の間閉ざす。
西村ハル(にしむら-)
声 - 折笠富美子
もう一人のヒロイン。ライトブラウンの長髪と青い瞳が特徴。アキユキの幼なじみで同級生の明るく活発で負けず嫌いな少女。アキユキとは相思相愛の間柄。心武道を学び優秀な使い手。可憐に見える容姿とは裏腹に粗暴かつ根性が座っている。チョココロネ[注 7]が大好物。
2年前に軍車両の起こした交通事故により母親を亡くし、妹のミドリも足に障害を抱えることになる。側で心の支えになったアキユキに救われ、家族三人仲良く暮らしていた。
ザムド、ヒトガタの声を聞くことが出来るタマヨビの能力を持つ。アキユキがザムド化した事情もあり、当初からザムドに対する偏見が小さく、ザムドやヒトガタを人と認識する。アキユキを連れ去ったナキアミに対しては複雑な思いを抱く。
爆破テロとアキユキのザムド化に立ち会い、石化しかけたアキユキがナキアミに救われ連れ去られたことを知る。だが、そのことを自分一人の胸に隠し、アキユキを心から心配するフサやリュウゾウにも真実を伝えることが出来なかった。ザンバニ号に乗り込んだアキユキから近況を知らせる手紙を受け取り、二人にも伝える。
家族や島を守りたい一心から軍に志願し、フルイチと共に入隊する。しかし、中途半端な覚悟やザムド化したアキユキへの変わらぬ想いを見透かされ、フルイチとの間に決定的な亀裂が生じてしまう。詰腹峠でアキユキと再会した後、自分の中の矛盾と葛藤に苦しみ、決意を固め気分を一新するため浴室で髪を切り落としショートカットに変えた[注 8]
だが、そんな決意も空しく尖端島慰霊碑前でアキユキと再会するも拒絶してしまい。フルイチは暴走の後に自殺。垣巣への忠誠と愛情を植え付けるため中佐直属に配置転換され「反省室」に軟禁。ミドリも軍の実験体にされたことを同じく囚われの身となったアザミから知らされる。かねてから目をつけられていた垣巣との対決に勝った後、ブロイの手引きで基地を脱走[注 9]。診療所でアザミと会話してアキユキの現在地を聞き出し、リュウゾウから託されたワクチンを手に司令の手引きで尖端島を離れ、単身でアキユキを探す旅に出る。
ビートカヤックを駆って北大陸を旅するうち、アマウの原でアキユキと再会。二人で胎動窟を目指す巡礼の旅を続ける。だが、胎動窟でシロザから聞かされた大巡礼の真実に心が折れ、更には巨大ザムドと化して暴走するミドリにより体内に取り込まれる。アキユキに救出されてからはミドリを連れ、一足先に尖端島に帰った。最終回では復興した母校の講師として後輩達に物理を教えている。成長した姿はアキユキの母・フサに似ている。
名前の由来は、椎名誠の小説『水域』の主人公、ハルから。(ただし、『水域』主人公のハルは男性)

尖端島および南大陸自由圏

寺岡フルイチ(てらおか-)
声 - 立花慎之介
アキユキとハルの親友。長身[注 10]メガネ男子。ハルと同門で心武道を学んでいる[注 11]。真面目で皮肉屋。なにより努力家。だが、明るく真っ直ぐなアキユキと、自分を男として見てくれないハルとの三角関係で劣等感を抱く。実家は豆腐店を営むがサナギドウフは大嫌い。ハヤシのラムネが大好物。
爆破テロに巻き込まれた際にアキユキのザムド化を目撃。ナズナをバスに乗せたのがアキユキだと知るせいで、自ら災厄を招き寄せ、島に戦争の火種を持ち込んだアキユキに対し憎悪と軽蔑の念を抱く。またザムドをバケモノとして忌避する。
尖端島に戦時色が色濃くなり、恋敵のアキユキが居ないことでハルへの想いを募らせていく。島を守る為、極東自治区に入隊し軍人となる。心武道の心得が幸いしてASPスーツに上手く適応し、部隊でも頭角を表す。その一方で、同じく入隊しながらいつまでもアキユキを想い煮え切らないハルに、好意と劣等感が一転し軽蔑の念を抱くようになる[注 12]。詰腹峠でアキユキと再会した際には銃口を向け、尖端島での平和な生活が壊されたのはお前のせいだと罵る。
休暇で実家に一時帰宅した後、軍に戻らず引き籠もりとなり、隊長の命令で自宅を訪問したハルに毒舌をぶちまけ泣き崩れる。実はスクールバス爆発の際にアキユキと同様ヒルコを右腿に宿しており[注 13]、人知れずヒルコの浸食に苦しんでいた。ヒルコの憎しみと共鳴し人格が崩壊。慰霊碑前で話すアキユキ、ハル、ナキアミの前でザムド化し暴走する。アキユキとの戦いに負けた後、ナキアミの力でヒルコから解放され[注 14]、人の姿を取り戻すが軍に捕らえられ連行中に脱走。思い出深い駄菓子屋道中の店先にて、ザムド化した腕で自ら頭部を引きちぎり命を絶つ。
フルイチザムド
色は黒く頭は炎のよう。肥大した頭を支えきれず四つ足で黒いボディに巨大な顔面を持つ異様な姿。ハルを飲み込む姿などは「千と千尋の神隠し」に登場するカオナシが暴走した際に酷似している。
竹原リュウゾウ(たけはら-)
声 - 石塚運昇
アキユキの父親で医師。かつては軍医として北政府軍に従軍しバラドール戦役に参加。そこでヒトガタ兵器の研究に携わる。だが、ヒトガタ兵器の参戦による惨禍に挫折感を味わい帰国。以来、酒浸りになりながら小さな診療所を1人で切り盛りする。衣食住にはものぐさでずぼら。「これでも医者のはしくれだぞ」が口癖。
患者である近隣の住人たちからは名医と慕われるがアキユキや妻のフサとは別居中。不器用な性格がもとでフサとはすれ違いが続く。昔なじみの司令の依頼で息子の仇にも等しいナズナを治療し生かし続ける。診療所において独自にヒルコの研究を続けており、開発したワクチンをハルに委ねた。
ミドリ救出のため極東自治区に潜入する際、フサに遺書と離婚届を託す。戦没者慰霊碑の前でかつて命を救った垣巣と決闘。その際に左目を抉られる。
なんでも自分の胸に抱え込み、大事な事から目を逸らし決断もせず、罪を背負い込む覚悟もなく、都合良く帳尻を合わせようという身勝手さを彼を愛するフサや垣巣から憎まれる。「医者は人の命を救うのが仕事だ」と一言言い切れば済む話だが、そのことにさえ自信を持てずに周囲の人間を苦しめた。
最終回では失った片目をアイパッチで覆い、フサとは復縁。回復したナズナを実の子のように育て、昏睡が続く垣巣を治療し続けている。
名前の由来は、中上健次の紀州サーガの登場人物、浜村龍造から。竹原秋幸の父親にあたる。
竹原フサ(たけはら-)
声 - 早水リサ
アキユキの母親。料理が得意で凝り性。
鈍感でものぐさ、なんでも自分で勝手に決めてしまい家族を顧みないリュウゾウに失望し、アキユキを連れて別居。診療所近くのアパートに暮らしていた。「太っちょゴリラ」などと憎まれ口を叩くが、リュウゾウの生活を気にかけ、アキユキに特製二段弁当を持たせたり洗濯物を取りに行かせたりしていた。
ヒステリックで打たれ弱いところがあり、リュウゾウだけでなくアキユキやハルも敏感に察し、気遣いから辛い真実や本音を打ち明けられない。そのことがリュウゾウとすれ違う原因になっている。独り言が多くボヤキ節。アキユキの教育に関しては手厳しく、イタズラをすると雨だろうが外に放置した。
息子の突然の失踪に心を痛めノイローゼ気味になるがハルに支えられる。帰りを待つのに疲れ切っていた折にアキユキが島に戻るが会うことは叶わず、母親の直感で永遠の別れと悟る。リュウゾウにより密かに匿われていたナズナを息子の仇と憎みきれず葛藤。命を賭す覚悟でミドリの救出に向かったリュウゾウから遺書と離婚届を受け取り、あまりな身勝手さに激怒する。
リュウゾウが空の弁当箱を返し「うまかった」と言ったらすべてを許すと宣言。
名前の由来は、中上健次の紀州サーガの登場人物、竹原フサから。竹原秋幸の母親にあたる。
西村ミドリ(にしむら-)
声 - 藤村歩
ハルの妹で小学生。2年前の交通事故により右足に傷を負って歩行が不自由となり白い松葉杖を使う。事故の際、車を運転していた母が亡くなった。元々はシャイで引っ込み思案な大人しい子。仕事の忙しい母からぞんざいにされ「自分は愛されていない」、「姉と違って可愛くない」と劣等感を抱く。事故後は父や姉の前で本音を押し隠し、必要以上に無理に明るく振る舞うようになる。アキユキ、フルイチとも親しい間柄。また、姉とは逆で初対面のときからナキアミを慕う心が強かった。
事故当時のトラウマが強く残っており、「あたしが母親の命を奪ってしまった」、「お姉ちゃんやお父さんはお母さんのかわりにあたしが死ねば良かったと思っている」という自責によるマイナスの念を抱え「なくしてしまった片方の靴」[注 15]を探し続ける。
早くから垣巣、ブロイらに被験体として目をつけられており、「極東自治区において特別治療で歩けるようにする」という名目を信じたハルやジンイチロウはまんまと騙された。ハルから重荷や足かせのように思われていたことを子供心に感じており、姉への反発も手伝って被験体となる誓約書にサインしてしまう。緑心石の力と無理矢理植え付けられたヒルコにより巨大なタマゴ型のザムドと化し、南大陸軍の決戦兵器として投下される。だが、ナキアミの活躍により母と再会を果たし、伝えられなかった思いを伝えることが出来たことで人としての姿を取り戻した。
最終回では愛らしい晴れ着姿でジンイチロウを大泣きさせている。
ミドリザムド
巨大なタマゴ型。のっぺりとした表面に多数の目を出し入れし、そこから光線を打ち出す。また、触手を自在に伸ばす。
西村ジンイチロウ
声 - 津久井教生
ハルとミドリの父親。小心者でお人好しのサラリーマン。黒縁眼鏡とスーツ、鷲鼻が特徴。事故で妻を失い、ミドリが障害を負ってからは情緒がやや不安定で涙腺がゆるい。リュウゾウとは幼馴染みでジンちゃんと呼ばれる。幼い頃から気の弱い子だったがかくれんぼでは別人のようになる。
なにかというと亡き妻の遺影に娘たちが嫁に行くまでは必ず守ると誓いを立てる。ハル、ミドリの危機には人が変わる親バカ。
設楽(しだら)
声 - 川上とも子
ハルたちの同級生の少女[注 16]。バス爆破テロ直後に発生した尖端島空襲により家族を失う。心神喪失状態となり裸足で島内を彷徨っていたが、汗馬に目をつけられ「志願者」としてヒルコの生体実験にかけられる。
実験施設を脱走後、崩壊したアーケード商店街に佇んでいた所をハルとフルイチに発見されるが、ハルに対する嫉妬の言葉を吐きながらヒトガタに変貌しハルを襲った後、フルイチを執拗に追い回す[注 17]。その後、軍のASP部隊の攻撃で蜂の巣にされ、最後は垣巣に止めを刺され死亡した。
笹村のおばあちゃん
声 - 森夏姫
いつも竹原診療所に腰痛の治療に来るお婆ちゃん。リュウゾウに蜜柑を投げて「ナイスキャッチ」と言うのが特徴。
最終回でも変わらぬ健在ぶりを見せる。ただし、蜜柑は品切れだった[注 18]
ズイゾ
声 - 大塚明夫
カミナキ連山詰原峠付近に住む男。元は赤宙石を採掘していた鉱夫。長身痩躯で口ヒゲと肩に担いだ銃が特徴。左腕にヒルコを宿している。キーオの父がわり。
北政府の爆撃によりヒトガタにされ、左腕は石化している。南大陸軍のヒトガタ狩りを逃れ、山に潜伏しながら暮らす。ヒトガタに襲われていたアキユキを助け、詰原峠越えを手助けする。自分たちを襲った悲劇的な運命にも、ひどく冷めた受け止めをしており人間不信に陥っている。
「自分の足で立て、どれだけ傷つけられても俺たちは生きていかなきゃならないんだ」とアキユキにヒルコを宿す者としての覚悟を諭した。
最終話でキーオと共に今も山に暮らしていることが明らかにされる。銃のかわりに背負子に積んだを背負うようになった。また、紙袋に詰まったリンゴ[注 19]を持っている。
キーオ
声 - 浅井清己
ズイゾを父(とと)と慕うが実の親子ではない。ザンバラ髪だが右前側の髪だけ伸ばして結った独特の髪型が特徴。戦災により心に傷を抱え、人間不信で頑なな少女。「優しい顔して近づくヤツほど大事なものを奪っていく」と手厳しい。大石と化した母に花や供え物を欠かさない。
最終話では美しい少女に成長。母の大石の前でズイゾからリンゴを投げられ、ぎこちない笑顔で受けとるシーンが描かれた。

ザンバニ号乗組員

表向きは国際郵便船でその業務を行うが船長の伊舟を筆頭に反北レジスタンスの残党。 アキユキをはじめメンバーの多くはナキアミが拾ってきた者たち。 血の繋がりがあるのはユンボとヒノキ丸だけだが家族的な雰囲気を持ち、強い絆で結ばれる。

紅皮 伊舟(べにかわ いしゅう)
声 - 玉井夕海
国際郵便船ザンバニ号の艦長。「黒髪、眼鏡の可憐な美女」、「紅で反旗を書く女」。劇中の登場人物の中でもとびぬけた長身。黒髪をポニーテールにして黄色のリボンで結び、下フレームの眼鏡を愛用する。誇り高く姉御肌。ザンバニ号においては逆らえる者のいない絶対的な支配者で、男性陣も震え上がらせる。若作りだが結構な年齢。「命と情けは容易くかけるな」が信条で性格は冷淡でドライ。重度のヘビースモーカーで酒乱。カスタムハンドカノンを愛用する。自分に逆らう者には容赦ない仕打ちを与え、ヒトガタやジバシリにも迷わず引き金を引く。食事は常に船長室で一人で食べるなど他のクルーたちと馴れ合わず一線を引く。身勝手な行動が多く厄介事を持ち込むナキアミには手を焼くが、娘か妹のように大事にしている。
身も心も強そうに見えるが根は心優しく涙脆い。また不器用で素直になれない女。雷魚とは相思相愛だが北政府への革命に殉じた恋人のラドウに操を立て一度はフッた。時折、ラドウの愛した詩集を朗読し、ヒルケン皇帝を仇として命を狙う。反北レジスタンスではカリスマ的指導者。
アームに後事を託し雷魚と共にザンバニ号を離れ、第17禁猟区で戦うレジスタンスたちと合流。指揮官として金剛塔への潜入に成功し、ヒルケン皇帝を爆殺しようとするが逆に覚醒させてしまう。ザンバニ号の救援で黒髪を失い負傷はしたが生還を果たす。ナキアミ、雷魚、アキユキを失ったことが堪えており泣き崩れた。
最終回では天心、アームを伴い聖地でナキアミと対話。成長したヤンゴと邂逅する。
名前の由来は、椎名誠の小説『武装島田倉庫』の登場人物、抓皮伊舟から。ただし、抓皮は男性キャラクターである。
ユンボ
声 - 桑島法子
食事係兼経理係。非常時は通信士と航海士も務める。ヒノキ丸を育てるシングルマザーで母性本能溢れる女性。ルイコン教の熱心な信者。食事の際には手を拳にして合わせ「つつましき糧より、豊かな生を」と唱えることを鉄則とし、従わない場合はその拳で制裁をくわえる。伊舟達と共に反北政府レジスタンスに参加していた夫を亡くしている。食欲旺盛でちょっと太目。
雷魚のお世辞には弱く、彼を前にするとメロメロになってしまう。なにかと独善的で性質が正反対な伊舟とは深刻な仲違いが生じることもあるが、本音の部分では良き友人で理解者。
ユンボが寝ている隙に、伊舟と雷魚が皇帝打倒のために旅立ったことに立腹。伊舟のつけていたサングラスをかけ、ナキアミからの通信を受けるやザンバニ号の操舵士として聖地に向かい伊舟を救出した。
最終回ではアームの妻となり子宝に恵まれる。
アクシバ
声 - 小西克幸
ザンバニ号の乗組員で副操舵士。お調子者のお人好しで涙もろい人情家。特徴はドレッドヘアとバンダナがわりのゴーグル。取り柄は持ち前の俊足。そこから「アクシバ伝説」なる武勇伝を語って聞かせる。郵便物の仕分け・速達を担当。
アキユキが乗船してからは同室の誼もあって何かにつけ兄貴風を吹かせる。ただ、仲間思いで面倒見は良く、アキユキがハルに宛てた手紙を出しそびれたときは、回収車を追い掛けて激走した。ナキアミに一途な好意を抱いており、そこだけは誰にも譲らない。
最終回で聖地上空から宛先不明便[注 20]を降らせることを発案。ヒノキ丸たちがナキアミとアキユキに宛てた手紙と共に空からバラ撒いた。最終回でナキアミに近況を報告、ザンバニ号一の筆マメになったという。
独特の節回しで次回予告のナレーションを担当する。
アーム
声 - 浜田賢二
ザンバニ号の乗組員で主操舵士。戦闘時にはザンバニ号上部の砲座で砲撃手も務める。腕っ節が強く寡黙で職人気質。手の込んだ品には目がない。また、賭け事が大好き。カードではしれっとイカサマをするなど意外に抜け目がない。ヒノキ丸からも懐かれている。
かつて伊舟、雷魚ともに反北レジスタンスに参加していた。ザンバニ号襲撃時はヒノキ丸を守って戦うが左肩を負傷。アクシバを応戦要員に回すためユンボに操舵を指導し軟着陸させる。伊舟と雷魚が船を離れるにあたり残って皆を守るよう説得される。
最終回でヒノキ丸から父親と認められたことで正式にユンボと夫婦になった。
名前の由来は、椎名誠『武装島田倉庫』の登場人物「アーム(本名不明。通称)」から。
コバコ
声 - 井上麻里奈
褐色の肌と後ろに結んだお団子頭が特徴の少女。ユンボからは実の娘のように扱われ、ヒノキ丸の面倒を一生懸命みている。郵便の仕分けや荷物運びを行う。細身だが力持ち。
キグゼンの町でジバシリだったナキアミと出会った戦災孤児。事切れた母親の胸に抱かれていたが、ヒルコを集めようとするナキアミに「一人ぼっちになるからやめて」と懇願。コバコに対する共感がナキアミがサンノオバを離反し独自の道を歩む契機となる。その後、ナキアミと共に伊舟たちに拾われる。
成長後はナキアミの仕事を引き継ぎ、ビートカヤックに乗りザンバニ号の斥候役となる。
ヒノキ丸
声 - 水沢史絵
ユンボの一人息子。コバコとは姉弟のような関係。トレードマークはオーバーオール。マセて生意気。いつもネコマタのロッパと遊んでいる。アーム、雷魚には懐いているがアクシバやアキユキには手厳しい。得意技は右ストレートパンチ。ルイコン教の食前の礼「つつましき糧より、豊かな生を」を憶えられず「つまかて!」[注 21]と略し、ユンボに怒られている。
最終回にてアームを「お父さん」と呼ぶ。成長した顔立ちはどこか雷魚に似ており、雷魚の遺品である写魂機を愛用している。
キセル爺
声 - 納谷六朗
ザンバニ号の整備工。ピーナッツのように尖った変わった頭の形をしている、偏屈者で人付き合いは苦手。気に入らないことがあると怒鳴り散らす。流通量の多い混合酒は好まずフヌケ(=純酒)を好む。昔気質の整備哲学をロマンとして持ち、最近のコンピュータ制御の船を快く思っていない。アキユキのことは「役立たず」と呼んで手厳しいが我が子のように親しみを持つ。川柳は下手の横好き。
天心様(てんしんさま)
声 - 堀絢子
ザンバニ号下部ブロックに住む背の低いルイコン教の老尼。隻眼。「ザムドは何を求めるか」という問いかけをヒルコを宿す者に投げかけその自立を導く。ヒルコの声を聞くことの出来る預言者として様々な助言を与えるがとかく難解。ザンバニ号の停船中はひなたぼっこをしている。
最終回では地上が笑顔の花に満たされるときナキアミが千歳の後にその二つ名の通りに雲を切り裂き大地への帰還を果たすと予言した。また伊舟の語りかけが眠りにつくナキアミに届いていると安心させた。
角股 雷魚(つのまた らいぎょ)
声 - 藤原啓治
風来坊なカメラマンで写魂機(カメラ)を自分の体の一部のように大切にしている。徹底したフェミニストで包容力のある人格者。誰とでも分け隔てなく接し、仲間達から慕われる。実は天才的な軍略家。左肩にヒルコを宿すザムド。登場当初は顔を覆う程の髭が生えていたが、剃ると美男子で文字通り「水も滴る良い男」。左の口元に傷がある。
5年前北政府第11禁猟区イデユ郷にて遊覧船で金剛塔を撮影していた折、ジバシリの爆破テロに巻き込まれ真正ヒルコを宿す。助けようとしたナキアミまでも取り込んで石化しかけた所をアームに発見されて救われる。ザムド化した当初はヒルコとの対話に苦しみナキアミを手こずらせた。後に乗船したアキユキがあてがわれたのは元々は雷魚の寝床で、そこやナキアミの私室には雷魚が暴走に苦しめられた痕跡が残る。ヒルコとの共生に成功し、悟りをひらいたことにより超人的な能力を持つザムドとなる。
伊舟とともに反北レジスタンスに参加。その時から伊舟を愛しており告白したがフラれている。2年前に船を離れ一人で旅に出て、テシクの郷など世界各地を巡る。ハルと再会するため詰腹峠に向かったアキユキがフルイチに攻撃された際、その窮地を鮮やかに救う。
クルーたちとの再会に際し、それぞれが大喜びする土産を携えており、新参のアキユキから嫉妬される。だが、先輩ザムドとして知りうる限りの助言を行い、良き導き手となる。しかし、強すぎるヒルコを持つ雷魚の帰還はヒトガタ使いに察知され、ザンバニ号に重大な危機をもたらすことになってしまう。ザンバニ号擱座後、伊舟と二人で仲間たちの元を離れ反政府軍と合流。ヒルケン皇帝打倒のため金剛塔の制圧に向かうが、金剛塔内部で釣り天井の罠にかかり、伊舟を先に進ませるために犠牲となる。
名前の由来は、椎名誠の小説『水域』に登場する水棲生物、角俣雷魚から。
雷魚ザムド
美しい背びれを持つ巨大な金魚のような姿。その姿に違わず水中を高速で泳ぐ。また、高速で弾き出した水は鋭利な刃物のようであらゆるものを一刀両断に引き裂く強力な武器。完全体となったのは劇中序盤のみで終盤は体の一部をザムド化させるに留まる。
ロッパ
声 - 折笠富美子
尖端島でヒノキ丸たちに拾われたネコマタ。アキユキとは自転車で轢かれそうになった因縁を持つ。白と緑の体毛でロップイヤーに似た姿。受け身をとるため体を丸く膨らませることがある。特にヒノキ丸とコバコに可愛がられている。がり団子が好物だが沢山食べるとお腹を壊す。以外と頭が良く、ヒトガタ化した者を見破る性質もある。
最終話でアキユキの大石近くに居る姿が描かれたが、それがロッパなのかその子供や孫なのかは不明。

テシク氏族

サンノオバと共に名誉を喪い、聖地(胎動窟)を追われた遊牧の民。 集落を形成してはいるものの、多くは世界各地に散らばっている。 顔の一部に入れ墨をする習慣があり、独自の生活様式をとるため激しい偏見と侮蔑に晒されており、北政府においても南大陸においても人としてまともな扱いを受けられない。

ゼーゲンドォ
声 - 麦人
国際郵便船の資格を悪用して北政府と南大陸自由圏の交易に従事する流浪の豪商。鼻に入れ墨を持つ。商魂逞しく戦争に乗じて武器や弾薬の密売、人身売買も行っておりテシク氏族からは鼻つまみ者扱いされる。反面、事情通で掟にも縛られないため、テシクの郷に戻れないナキアミは父親のように慕い、他の人には滅多に見せない笑顔を見せる。
伊舟、雷魚とは北のレジスタンス時代からの付き合いだが、裏切った過去を持つため伊舟とはソリが合わない。また、ナキアミの養育を巡っても方針の違いにより対立している。
ヤンゴ
声 - 本城雄太郎、成長後は入野自由
テシク氏族の孤児の少年。左目の下に二筋の入れ墨を持ち右腕にヒルコを宿すザムド。両親と死別後は大人たちから虐待され続け、盗みで食いつなぐストリートチルドレンのような荒んだ生活を送っていた。旅の途中だった同族のナキアミと出会い、命を救われて行動を共にするようになる。やがてナキアミを尊敬し、恋慕うようになる。口は悪いが天真爛漫な腕白坊主。頭が良く機転が利きテシクの大人たちからは一目置かれる。
ザムドである以上にパワフルな少年。最終回ではシロザをぶん殴って事情を聞き出すや、胎動窟の壁を駆け上り、ナキアミを取り込んだまま役割を終えて閉じようとする胎動窟の扉を無理矢理こじ開けようと奮闘し、空から落ちてきた面隠しのアキユキにも手伝わせる。だが果たせなかった。
最終回となる9年後には逞しい青年に成長しており、胎動窟前で伊舟らと邂逅「1000年なんてあっという間さ」などと前向きな言葉を吐くが、ナキアミと生き別れてしまったことを今も後悔している様子。
クジレイカ
声 - 朴璐美
ナキアミの異母妹。二つ名「太陽の鬣(たてがみ)を持つ女」。額の入れ墨と淡いピンク色の髪が特徴。テシク氏族の族長。族長の娘ながらタマヨビの力を持たず、ナキアミがサンノオバの元を出たまま帰らぬことを知り、逼迫する一族をまとめ上げるために強い力を欲するようになる。
テシクへの迫害を続けるヒルケン皇帝に対抗するため、タマヨビの巫女のヒルコを使いザムドと化す。そのため通常の食事は受け付けなくなり純度の高いウツツダネのエキスにタマヨビの少女たちの血を混ぜあわせた固めた実を食す[注 22]
聖地への帰還とテシクの名誉回復という悲願達成のためザムド化して、ヒルケンとアキユキの戦いに割って入るがヒルケンの前にあっさり敗北。墜落死しかけた所をアキユキに救われ、ナキアミがクジレイカの写真を肌身離さず持ち続けたことを教えられる。ヒノキ丸がナキアミに宛てた手紙をかわりに受け取った。
クジレイカザムド
緑色に光る羽根を持つの形をしたザムド。本体部分は人型でミニスカートを履いたように見える。手をかざすと念動力を発動する。アキユキザムドと同様に腕を刃に変えて戦う。

極東自治区

尖端島の自治部隊を接収した垣巣中佐に命名された南大陸自由圏軍の一部隊。自立心を喪わせないという配慮から極東自治区と呼称する。通常、極東自治区は尖端島出身者部隊ならびに基地施設を指す。 その真の目的は対ヒトガタの切り札として「実験体ザムド」の研究解析を行うことにある。

垣巣 凍二郎(かきす とうじろう)
声 - 松本保典
南大陸自由圏 極東自治区 総指揮官。坊主頭と青い瞳、右目の下の泣きボクロが特徴。階級は中佐。巧みに甘言を弄し本心をなかなか見せない。もともとの性格は生真面目かつ一本気でプライドが高く理屈っぽい。だが、バラドール戦役でのPTSDや複雑な家庭環境[注 23]、軍内部での差別的な待遇により、情緒不安定で感情の起伏が激しい。普段は温和で花を愛でるが、怒ると別人のように暴力的になる。ややナルシスト的でマザコンでもあるが愛情の示し方がかなり屈折している。
母・須磨子は尖端島出身で南大陸出身者とのハーフ。愛情深い須磨子に尖端島の文化風俗を教え込まれており民族の誇りを強く抱く[注 24]。だが、南大陸自由圏では二級選民と扱われ、バラドール戦役の英雄でありながら正当な評価を受けず、多額の資金や貴重な資材と共に危険な研究対象(実験体ザムド)と厄介な人物(汗馬礼蔵)を押しつけられ成果を急かされる「ヨゴレ仕事」を与えられ、文字通りの「島流し」となる。
劣等感の裏返しで差別意識、選民意識を強く持つ。尖端島民のハルを一目見たときから気に入り、侮蔑の言葉を投げかけつつ、言葉巧みに支配しようとするが「理屈をこねまわさないと女一人抱けない臆病者」との本性を見透かされる。
バラドール戦役において胸を撃たれたところを敵の軍医だったリュウゾウに救われる。ところが、リュウゾウとの因縁や対ヒトガタ兵器開発を任された運命に遭遇し、「自分は神に選ばれ、そのために生かされた特別な人間」と思い込むようになる。極東自治区創設において、リュウゾウの協力を仰ごうとするが傲慢さを見透かされ拒絶され、その後は汗馬と共に自らの手を汚しながら、対ヒトガタ兵器の研究と運用部隊育成に力を注ぐ。その過程で良心の呵責や激しい葛藤に苦しむ。
慰霊碑前でリュウゾウと対決。軍人である以上、避けて通れない人殺しという生き方、どんなに頑張っても正当に評価されないこと、誇りと劣等感という相反する感情の狭間に苦しみ絶望。自ら「悪」としてかつて命を救ったリュウゾウの裁きを受けるつもりでいた。リュウゾウとの対決においてサーベルで左目を奪うが頭を撃たれる。最終回ではリュウゾウの診療所でブロイに見守られながら眠り続けている。
名前の由来は、椎名誠『武装島田倉庫』の登場人物、枕元凍三郎および垣巣漁長から。
ブロイ・スカッキ
声 - 根谷美智子
垣巣直属の補佐官。ブロンドの髪とタレ目三白眼の美女。表情を変えず飄々とした物言いで、巧みに他人の懐に入り込む。抜け目がなく油断ならない女狐。女の直感で様々な事柄を見抜く。また驚くと素っ頓狂な声を上げる。
垣巣とは尖端島に赴任する以前からの付き合い。垣巣の扱いが難しいことを熟知し、その支えとなっている。ミステリアスだが根はそう悪い女ではなく、監禁されていたハルを逃がした。
劇中序盤から垣巣に対して一途な想いを寄せていたがまるで相手にされておらず、垣巣がハルに惹かれていることも女の勘で見抜き、嫉妬を露わにする。リュウゾウとの決着を前にした垣巣から感謝の言葉と共にキスを迫られるが「ズルいなぁ」と拒否。垣巣から薔薇園を託される。
父親と根深い確執があったようでミドリのため基地に乗り込んできたジンイチロウと口論になった際「娘は親の所有物ではない」と発言し「所有物だと思ったことは一度もない」と反論され頬を思い切りはたかれた。
最終回では診療所で眠り続ける垣巣の枕元でタバコをふかし、リュウゾウに怒られている。
汗馬 礼蔵(かんば れいぞう)
声 - 清川元夢
テシク氏族の科学者。垣巣とは旧知の仲[注 25]。白髪に白い肌と目の上下にある青い入れ墨が特徴。対ヒトガタ兵器の研究をしており回収された「実験体ザムド」と共に尖端島に送られる。両足の不自由な老人で車椅子に乗っており、金色の呼び鈴を愛用する。
北政府によるテシク氏族弾圧を逃れ南大陸側に寝返った際、テシク氏族の秘術を手土産として出世の足がかりにした。つまり、我が身可愛さに魂を売り渡した。確信犯的なマッドサイエンティストでASPスーツの開発においては主導的な役割を果たす。戦争や研究を口実に自分の劣等感や空虚な心を埋め合わせ、暗い欲望を満たす。人としての品性に著しく欠ける。
「実験体ザムド」を使いデータを採取し調査を進める段階で、設楽やミドリら尖端島の住人を使い人体実験を行う。設楽が島内で暴走事故を起こした際は「北の仕業」として片付けるよう垣巣に進言。常に精神的に優位に立ち、垣巣に血塗られた道を歩ませる。
その実、尊大な態度とは裏腹に自らの所行に対する後ろめたさを抱え、軍に囚われたアザミを崇拝し懺悔する。憐れみを請う無様な姿を垣巣に目撃されるや立場が逆転、早急に成果を上げるよう脅迫を受け、垣巣に対し卑屈な態度をとるようになる。だが、アザミをザムドに調整することは苦しい言い訳を重ねて拒否し、かわりにミドリを最終兵器に仕立て上げる。
ミドリを投下した後、ヒルケンザムドの降らせた黒い雨から『走って』逃げようとするが、転んで倒れたことで石化が始まり最期は自らが手がけた「我が子」とも言える無人のASPスーツに襲われ死亡。まさに自業自得の結末を迎える。
名前の由来は、椎名誠『武装島田倉庫』の登場人物、汗馬七造および掻又礼三から。
尖端島司令官[注 26]
声 - 土師孝也
尖端島警察隊の元司令。恰幅の良い髭の中年男性。警察隊出身の兵士たちからは絶大な支持を受ける。 南政府の意向により尖端島警察隊が垣巣に接収され、「極東自治区」となるまでは最高責任者。北政府からの奇襲攻撃時は迎撃の指揮を執ったが、不審船団の発見が遅れたせいで多大な犠牲[注 27]を出す。階級は不明。釣りが好き。
バラドール戦役では戦地でジバシリたちに命を救われる。その恩義もあり、バス爆破事件現場で発見され軍病院で治療を受けていたナズナについては「亡くなった」と南政府に虚偽の報告をして、その実リュウゾウに預けた。リュウゾウとは幼馴染みであり戦友でもある。
事実上の降格により極東自治区で不遇を囲っていたが、ハルの脱走と北への渡航を手引き。垣巣に辞表を出して除隊しケジメをつけた後、幼馴染みのリュウゾウ、ジンイチロウとともに極東自治区に潜入。ミドリとアザミを救出しようとするが、時既に遅くアザミは殺され、ミドリは出撃した後だった。ブロイから事情を聞かされた後、抵抗を断念して捕まる。
最終回では除隊から9年の月日が経つがなおも「司令」と慕われる。
ASP隊長
声 - 石野竜三
ハル、フルイチの上官。真っ直ぐな瞳を持ち物わかりの良い兄貴分として若い隊員たちの成長を見守る。その一方で、垣巣の忠実な部下として極東自治区が極秘裏に進める新兵器開発計画を補佐、演習を隠れ蓑とし緑心石の回収を指揮する。垣巣が倒れた後、胎動窟制圧に後詰め部隊として出陣。シロザの指揮によるレーザー砲台の攻撃で艦隊が壊滅する様を目の当たりにする。

ルイコン教

サンノオバを頂点とする教団。だが、テシク氏族もろとも名誉を剥奪され激しい弾圧を受ける。 1000年に一度の大巡礼が近づくにつれ世界各地で真正ヒルコを用いた自爆テロを起こし多数のザムドを生み出す。

サンノオバ
声 - 麻生美代子、(若い頃のサンノオバ)加藤優子
ルイコン教の教祖にして現皇帝ヒルケンを取り上げた産婆。巨大な円盤型の帽子を被り、白い日傘を愛用する温和な老婆。テシク氏族でナキアミと同じ位置に同じ形の入れ墨を持つ。ジバシリの白き髪の子供たちに真正ヒルコを与え、ザムドを生みだす任務を与えた張本人。その所在、目的、真意は終盤まで謎。
ヒルケン誕生後、大巡礼の悪習を断つ為、自らの役目を否定し聖地胎動窟を去る。ヒルケンの嘆きの声に心を痛め、自分の代でサンノオバの血を絶ち自らヒルコとなって皇帝ヒルケンを浄化しようと目論む[注 28]。だが、後継者として期待し、愛していたテシクの天女・「雲を切る女」(=ナキアミ)の離反に遭う。ヒルケンとの決着のため[注 29]、胎動窟に向かう途上でハコベらに導かれたナキアミと再会。思い出の地・龍宮へと誘いそこで禊ぎの儀を行う。その際、黒髪の女性だった若かりし日の姿をとる。ナキアミの想いを受け入れて後事を託し、自らは小さなヒルコとなる。
名前の由来は、中上健次の小説、『日輪の翼』の登場人物サンノオバから。
ナズナ
声 - 松来未祐
尖端島に現れた白髪の謎めいた少女でジバシリの一人。サンノオバの指示で尖端島に来訪するが身分証である腕章がなくバスに乗れず困っていたところをアキユキに助けられる。自爆テロを起こして、ヒルコを撒き散らしアキユキやフルイチに植え付けた。心配し駆け寄ったアキユキに「あなたならきっと大丈夫、亡念のザムド」と告げる。
自爆によりバスを骨組みだけに変え、多数の乗客を石化させたにもかかわらず腹部から大量のヒルコを垂れ流しながら存命。軍病院に収容され治療を受けている姿をハルに目撃される。
その後、司令の計らいでリュウゾウの診療所に移送され治療を受けていることを島に一時帰還したアキユキは父の口から聞き、複雑な対面を果たす。その後、尖端島に連行されたアザミの呼びかけで意識を取り戻した。
アキユキを見出し、見事に咲かせたと仲間のジバシリたちから深く敬われる。だが、アキユキ、ナキアミ、サンノオバの辿った運命を知って涙する。
最終回では車椅子を使っているが健在でリュウゾウ、フサと診療所で暮らしている。なぜかほとんど年を取っていない。
アザミ
声 - 菅沼久義
ジバシリの一人。白髪と紅玉のごとき瞳を持つ美しい少年。戦場跡でヒルコを集めていたところを南大陸軍に捕らえられ極東自治区に移送される。サンノオバから授かった秘術を駆使して近隣にいるタマヨビたちと意識を繋ぎ、ハルをアキユキの元へ導き、昏睡するナズナを呼び覚ました。
ポーカーフェイスで堂々とした態度や物腰は神父のよう。的確に相手の心を読む。懺悔をして改心した汗馬からは神の如く敬われるが、垣巣の心を読みトラウマを呼び覚ましたせいで惨殺されてしまう。
シロザ[注 30]
声 - 柿原徹也
白髪で長身の青年。ヨホロギの一人で人々に説法を説き、厄介払いがごとく貰った銭で生活している。皮肉屋で冷笑的。胎動窟に向かうアキユキとハルの道案内を買って出る道すがら、大巡礼の真の姿やその目的を語る。サンノオバに対する忠誠心は篤く、彼女を裏切って龍宮を離れた幼馴染みのナキアミを軽蔑し嘲笑。人々が生きるために苦しみ続け、絶望の中に「大巡礼」という希望を見出していることに複雑な思いを抱いており、胎動窟の守人という自分の役目に忠実であろうとする。
自らが集めた子供たちを指揮して胎動窟制圧を目指す南北両軍を光線兵器で迎撃し、大打撃を与える。世界の破滅をどこか愉しんでいる風だったが、サンノオバがナキアミの想いを受け入れ大母のヒルコとなったことを知り、ナキアミの指示でヤンゴやヨホロギたちを率い胎動窟を脱出する。
その実、大巡礼もその結果サンノオバやナキアミが犠牲になることも望んでおらず、ヤンゴに詰め寄られたときには「ボクにはその資格さえなかった」と本音を暴露した。
最終回では胎動窟を訪れる人々のガイド役をする傍ら、宗教画家として見事な作品を描いている。
ハコベ
声 - 代永翼
ヒイラギ
声 - 花澤香菜
ジバシリの少年ハコベと少女ヒイラギ。ハコベは浅黒い肌と白い髪、ヒイラギは小柄なボブカットの子。二人一緒に行動しており、終盤サンノオバと共に胎動窟を目指すべく「龍宮」を出発。ミドリザムドから解放されたナキアミたちの前に現れ、アキユキを褒め讃え敬意を表すと共に、ナキアミをサンノオバのもとへ案内する。「禊ぎの儀」を終えたナキアミを浮遊艇で胎動窟最下部へ案内。左右の介添え役を果たし、ナキアミと運命を供にする。
セイタカ
サンノオバが胎動窟に出発するにあたってただ一人龍宮での留守番役を命じられた白髪の子。戻らない場合は水門を閉じ、どこでも好きな所に行きなさいと命じられる。
最も辛い任務を与えられた子で、最終回でも亡くなった兄妹たちの墓に花を供えている姿が印象的。

北政府

大陸の北半分を統治する宗教国家。ルイコン教を弾圧し、信仰の厚いテシク氏族を迫害している。南大陸自由圏とは赤宙石、緑心石、領土をめぐって長年戦争をしている。ヒトガタ兵器を生み出し操る。

ヒルケン皇帝
声 - 古谷徹
北政府の皇帝にして宗教的指導者。自らの教えを説く国営放送を行っている。
金剛塔を支配する僧侶たちによって死産した子供に無理やりヒルコを宿らせ皇帝として誕生させられた。その事件により、サンノオバとテシク氏族は「穢れ」として聖地から追放され、迫害を受ける。
自らの本当の名を持たず、自分が何者でどこに行くのかも分からない状態で放置され、深い苦しみと悲しみ、孤独感に満たされている。そのため、取り上げた責任を感じるサンノオバはヒルケンを憐れみ、彼を救済するためザムドを生みだそうとした。
国営放送の朗読内容そのままだが、自分の存在を証明するためには相応しい「敵」と戦うことが必要だと考えており、「敵」との衝突によって自分がそこに生きていることを実感したいと考えている。ヒルケンはその相手としてアキユキを選び、影童子として共に時間を過ごし、殺す寸前まで追い詰めて覚醒を促し、聖地での邂逅を心待ちにしていた。
「敵」以外に対しては冷淡で関心や興味がなく、ザムド化したクジレイカはひねり潰すように倒した。そうした空っぽの心と傲慢による支配を伊舟、雷魚らは忌み嫌い、皇帝打倒のためにレジスタンスを組織して戦った。
偽ヒルコにより作られた存在故に皇帝自身がザムド。伊舟が金剛塔最上部を爆破したことで目覚める。ヒルケン皇帝はもう一人のアキユキでアキユキ自身の心の闇。二人の激しい戦いはそれぞれの心に歓喜や懐かしさをもたらした。仮面に覆われたその素顔もアキユキにそっくりで、自らを形作る本当の名前としてアキユキという名前をアキユキ本人から受け取る。その後、ナキアミが胎動窟を発動させたことで浄化されたと思われる。
影童子
ヒルケンの意思が具象化したもの。彼の本体がある金剛塔は世界各地にいるザムドやヒトガタの動きを監視していたが、アキユキが極東自治区の攻撃に傷つき倒れた際に記憶を喪ったことを知り、寄り添うように行動を共にする。時折、ヒルケンが行う北の国営放送の内容を語るスピーカー役を果たす。アマウの原で須磨子、アキユキと過ごした穏やかなひとときを大切な思い出とする。また、アキユキに自分の名前を思い出させる為に導き、極限状態に追い込んだ。
ヒルケンザムド
ヒルケンの象徴である落ち窪んだ三ツ目が巨大化したかのような人型のザムド。その能力により世界を闇で包み込む。空を覆い尽くすほどに巨大で自らの待ち望んだ「敵」であるアキユキザムドと死闘を繰り広げる。暖かく黒い雨を降らせ、聖地で戦う両軍の兵士たちを次々に石化させていった。
須磨子
声 - 土井美加
影童子に導かれ記憶を無くしたアキユキを人買いのキャラバンから受け入れた老婆。巨大な療養施設である「アマウの原」にて生活している。なんらかの障害を患い長期療養中。少女のように無垢な心を持ち、アキユキの本質を見抜いたり、影童子を見る事が出来ることなどからタマヨビの能力があると思われる。また敬虔なルイコン教徒。
垣巣凍二郎の実の母親で尖端島の生まれ。枕元には軍服姿の垣巣と並んで撮影された写真が置かれている。だが、尖端島出身で南大陸自由圏で結婚している須磨子が北政府の管轄下にあるアマウの原で生活や財産を保障され、なに不自由なく生活している理由については劇中で説明が十分されない。
最終回においてもベッドで手紙を読む姿が描かれた。

注釈

  1. ^ 実際には皇帝の取り巻きである官僚集団が特権階級として実権を握り国家の方針を決定している。
  2. ^ 規模の大きいグループホームに相当する。
  3. ^ 第2話でのキセル爺の台詞より。
  4. ^ 人が死ぬと埋葬してそこに目印となる墓石を置かないというだけで墓を作ることを禁じているわけではない。現に龍宮にはジバシリたちの墓が並んでおり、根っ子が同じ信仰が尖端島でも信じられているが慰霊碑や墓はある。
  5. ^ 第3話でのアキユキとユンボの会話から。
  6. ^ 幼少期に戻り迷子になっていたアキユキにナキアミが「ここで待て」と指示した場所。
  7. ^ 一般的な円錐形のチョココロネと異なり細長い筒状。
  8. ^ 前期OP冒頭で手紙を投げているのはショートカットで軍服姿のハル。それを最後にアキユキが受け取る。逆に後期OP、EDが使われ始めた15話では既に髪型が変わっていたが、いずれにおいても髪を切る前の姿。また後期OPでは墜落したASPスーツから軍服姿で投げ出されるがアキユキザムドに受け止められたときはなぜか学校の制服姿になっている。
  9. ^ このときブロイから「アンタ処女でしょ」などと言われているが、フルイチの自宅を訪問したシーンの後に「なにもなかった」ことを示す確認。
  10. ^ アキユキとの身長差は12cmと発言している。
  11. ^ 2段の腕前。
  12. ^ フルイチの場合、心理学における転位(陰性転位)が強く、自分が相手に向けている感情を相手が自分に向けている感情と思い違いしている。後にフルイチはハルから軽蔑されたと感じていたと発言する。
  13. ^ 第1話のシーンではバスからはかなり離れていたフルイチが右腿を負傷し押さえている。また、詰原峠でヒトガタと交戦後も右腿を押さえていた。
  14. ^ このときナキアミから「あまりにも憎しみの念が強いせいで石化しなかったのか」と呆れられる。
  15. ^ 事故により失われた右足の機能。大好きな母親。そして母親からの愛情(姉のお下がりばかり着せられていたミドリにとって自分だけの新しい靴)を象徴するもの。
  16. ^ 第1話では通学バスのハルの隣の座席で居眠りしている。
  17. ^ ヒトガタはザムドに惹かれる性質を持つ。フルイチがザムド化していることを示している。
  18. ^ 恐らくは作画ミスだがリュウゾウに蜜柑を投げたときは袋の口から見えるほど沢山入っており、それから僅か数分後のフサのシーンではなぜか空になっている。
  19. ^ 前期OPでアキユキがなぜか手にしているもの。他の人々との交流がなければ手に入る筈がないもので、ズイゾが街に住む人々と交流を持っていることの証と思われる。
  20. ^ 受取人が戦渦で亡くなっていたり届け先が既に無いもの。死者の魂が集う胎動窟に向け発信した。その想いはクジレイカや生き残った両軍の兵士たちにも届いた。
  21. ^ 面隠しのアキユキも上手く発語できず「つまかて」と言っている。
  22. ^ 自分がタマヨビの力を持たないせいで、タマヨビの少女たちに嫉妬と憎悪を抱き犠牲を強いている。
  23. ^ 須磨子の再婚相手である義理の父親との間で相当の確執があったようで憎まれていたとされる。このトラウマに踏み込んだ為、アザミは殺された。
  24. ^ 垣巣自身は第4話で着任するまで尖端島に足を踏み入れたことはない。
  25. ^ 第2話で「大尉」と呼んでおり、中佐に昇進する以前から知っている。
  26. ^ 序盤から登場回数が多く、後半かなり活躍する重要キャラクターだがなぜか本名がクレジットされなかった。ASP隊長にしても同様。
  27. ^ 南政府の公式発表の時点で死傷者数2886名。死者は軍関係者958名、民間人398名。
  28. ^ 空を覆うほど巨大化したヒルケンザムドがサンノオバのヒルコと接触すれば、世界中に真正ヒルコが撒き散らされ、その結果、地上に生きる人々のほとんどがザムドと化し、大半が受け入れられずに石化してしまう。ナキアミはそうした「この世の終わり」を恐れていた。
  29. ^ シロザらはサンノオバが胎動窟を目指す目的が大巡礼の儀式の為と誤解している。ナズナら真正ヒルコを託された子供たちだけが真意を知る。
  30. ^ 初登場時は単に「白髪の青年」とだけクレジットされた。
  31. ^ むしろザムドになれる人間の方が例外的とさえ言えるほどに少ない。ナズナの起こした爆破テロでは巻き込まれたほとんどの人が即座に石化している。
  32. ^ 第22話の台詞。
  33. ^ 第2話でのナキアミの台詞より。
  34. ^ テシクの郷を目指すナキアミ、レジスタンスに身を投じる雷魚、薔薇園を任されるブロイ、発進する艦隊に背を向ける垣巣、面隠しとなるアキユキ(アキユキだけ背中向き)、最後にナキアミが龍宮で大母のヒルコを胸に目を閉じるといった具合。

出典

  1. ^ ボンズの新作アニメ「亡念のザムド」キャラクター画や場面写真一挙公開”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2008年8月6日). 2022年10月6日閲覧。
  2. ^ 鹿の王:劇場版アニメが2022年2月4日公開 新予告で人類と謎の病の壮大な戦い”. MANTANWEB. 株式会社MANTAN (2021年12月6日). 2022年10月6日閲覧。
  3. ^ 伊藤真広 (2009年7月1日). “Kalafinaの新曲はアニソンじゃない!”. アスキー. 角川アスキー総合研究所. 2022年10月6日閲覧。
  4. ^ a b 「亡念のザムド」など、スタートしたPSN動画配信を検証する”. AV Watch. インプレス (2008年9月24日). 2022年10月6日閲覧。






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