hypothesis
「hypothesis」とは、仮説や前提を意味する英語表現である。
「hypothesis」とは・「hypothesis」の意味
「hypothesis」とは、主に「仮説」「前提」「仮定」「推測」を意味する英語表現である。品詞は名詞であり、数学や論理学、統計学などの概念を表すのに用いられる。関連語として、動詞の「hypothesize(~であると仮定する、仮説を設ける)」、形容詞の「hypothetical(仮説の、仮定の)」がある。それぞれ、「It is pointless to hypothesize a uniform rate of population increase.(人口増加率を一定と仮定することは無意味である)」「The hypothetical ancient continent.(仮説上の古代の大陸)」のように用いられる。「hypothesis」の複数形
「hypothesis」の複数形は、末尾のisをesに変えて「hypotheses」になる。末尾がsであるため不規則な変化形となっており、同様に「-is」が「-es」に変わる単語には、「axis - axes(軸)」や「crisis - crises(危機)」などがある。「hypothesis」の発音・読み方
「hypothesis」の発音記号は、アメリカ英語で「hɑɪpάθəsɪs」、イギリス英語で「haɪˈpɑ:θʌsʌs」である。日本語で表記する場合、アメリカ英語で「ハァィパァサァシィス」、イギリス英語で「ハァィポォスシィス」のような音である。「po」にアクセントが置かれる。ローマ字読みすると「ヒポセシス」のように読んでしまう可能性もあるが、「ハイパー」と読むことに注意する。「hypothesis」の語源・由来
「hypothesis」の語源は、フランス語の「hypothese」、ラテン語の「hypothesis」、そしてギリシャ語の「hypothesis」である。基盤や基礎という意味から発展して「議論の根拠」として用いられるようになった。「hypo(下に)」「thesis(配置、提案)」という語根から構成されている。「hypothesis」の覚え方
「hypothesis(ハイパーサシス)」を語呂合わせで覚える方法としては、次のようなものがある。ある人には、以前から勝負にケリを付けたい相手がいるとする。そして差し向かいのじゃんけんで、パーを出して勝とうと計画をして「ハイ、パーを出してサシっス」という勝利の仮説を立てる状況をイメージする、というのが一つの覚え方である。「hypothesis」の類語
「hypothesis(仮定)」の類語には、「supposition(推定)」「thesis(論題)」「theory(理論、学理)」「guess(推測)」などがある。「thesis」は、「命題」「テーゼ」という意味もあり、「hypothesis」の一部を構成する単語でもある。
「hypothesis」を含む英熟語・英語表現
「hypothesis verification process」とは
「hypothesis verification process」とは、「仮説検証プロセス」を意味する表現である。「We improved the hypothesis verification process to be suitable for photography applications, and applied and implemented it to the software development of the photobook production application.(仮説検証プロセスを写真アプリケーションに適したものに改良し、フォトブック制作アプリケーションのソフトウェア開発に応用・実装した)」のような使い方がある。
「hypothesis」を含む用語の解説
「hypothesis test」とは
「hypothesis test」とは、日本語で「仮説検定」と言われる統計学用語で、ある仮説を立ててそれが正しいか否か、その調査や実験に意味があるのかを検証する手法である。例えばプラセボと呼ばれる薬の効果について、「効果がある」または「効果がない」といった仮説を立てて、その検証を行う統計調査において仮説検定が用いられる。
「working hypothesis」とは
「working hypothesis」とは、日本語で「作業仮説」と言われ、研究や調査の論理展開に用いられる言葉である。十分に実証されてはいないが、さらなる研究を行うために暫定的に受け入れる仮説とされる。「Our working hypothesis is that this event is deeply engaged in the ingestion of target molecules and cells.(標的分子や細胞の摂取にこの事象が深く関与しているというのが、私たちの作業仮説である)」のように使用する。
「hypothesis」の使い方・例文
公的機関による「仮説」の表現としては、「This apparently means that the hypothesis that demographic movements exert influences on housing demand to boost housing prices has turned out to not be necessarily effective.(人口動態が住宅需要に影響を及ぼしそれが住宅価格を押し上げるという仮説が、必ずしも有効でない可能性を示唆しているようだ)」のように用いられる。また気象状態に関する表現として、「One hypothesis is that a wavier jet stream is providing more environments favorable for tornado outbreaks, so their likelihood of occurrence is increasing.(ジェット気流が弱まっているため、竜巻が発生しやすい環境になっており、発生確率が高まっているという仮説がある)」のような使い方がある。
科学的知見に関する「仮説」の表現では、以下のような文章がある。「In a paper published January in the scientific journal and author delved into these hypotheses, ruling out the trident as a means of defense or a hunting tool based on how the trilobite would have been able to move it.(1月に科学雑誌に発表された論文で、著者はこれらの仮説を掘り下げ、三葉虫がどのように三叉を動かしたかをもとに、防衛手段や狩猟道具としての三叉を否定した)」「The main hypothesis was that the sounds made by frogs and birds and mammals all came from different evolutionary origins.(カエル、鳥、哺乳類の鳴き声は、それぞれ異なる進化的起源を持つというのが主な仮説であった)」
「想定」という表現では、「The company also conducts drills on the hypothesis of a large earthquake. (この企業では大規模地震を想定した訓練も実施している)」のような使い方がある。
仮説
仮説
(hypothesis から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 03:45 UTC 版)
仮説(かせつ、英: hypothesis)とは、真偽はともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題[注 1]のこと。仮に設けられた説として仮設とも書く[1]。仮説はその正否を実験的に検証しうるような、具体的に明確な内容を持つものであり、その仮説に反するような新しい実験事実が出てきても、その仮説を工夫してのらりくらりと変えて、いつまでたっても誤りを認めないような説は仮説ではなくドグマである[2][注 2]。天動説から地動説、創造説から進化論などの科学上の認識を大きく変えた理論は、いずれも大胆な仮説を立てることから始まっている[4]。
- ^ 『岩波 哲学・思想事典』p.239 「それ自体の真偽は確かめられていないが、色々な現象を説明したり、法則を導き出したりするために役立つものとして、仮に推論の前提に置かれる命題。」
- ^ たとえばデカルトの渦動説やプリーストリーの熱素説などがそのようなドグマと言える[3]。
- ^ たとえばプリーストリーの熱素説(フロギストン説)では、当初、フロギストンは物質であるから重さがなければならないとされたが、燃焼の際、質量減少が起こることが発見されると、マイナスの重さを持つものと変更された。それはもはや以前に考えられていたフロギストンではないから、本来は仮説を新しく出し直さなければならない[6]。
- ^ これに対する反論として、板倉聖宣はニュートンの万有引力は「大胆な仮説」であり、すべての科学的認識は仮説演繹ではなく仮説実験的に成立するとしている[11]。
- ^ ニュートンは、デカルトの「渦動説」のような宇宙に満ちた微粒子の運動を仮定して天体運動を説明しようとするような試みがすべてうまくいっていないのを見て、私はそのような仮説(ドグマ)は作らないと言ったのであって、ニュートン自身は『光学』で「光の粒子説」を仮説として提出している。これは原理的に実験で検証可能なものであるから仮説である。後世の科学史家は「ニュートンが仮説を否定した」と誤解している[11]。
- ^ 時枝誠記は「言語過程観」と呼んでいた。
- ^ ヴィルヘルム・オストヴァルトやエルンスト・マッハなどが支持。マッハ主義とか経験主義と呼ばれ20世紀初頭に特に欧州大陸で勢力があった。マッハらは感覚で認識できないものを考えるのは非科学的だとして、ボルツマンやマクスウェルの熱現象を分子運動論で考える原子論に反対した。
- ^ 「Descent with modification」(『種の起源』)
- ^ 板倉聖宣 1966a, p. 264.
- ^ 板倉聖宣 1966a, p. 269.
- ^ 板倉聖宣 1966a, pp. 268–269.
- ^ 井藤伸比古 2021.
- ^ a b c 板倉聖宣 1966a, p. 271.
- ^ 板倉聖宣 1966a, p. 270.
- ^ 板倉聖宣 1966a, p. 272.
- ^ 板倉聖宣 1966a, p. 273.
- ^ a b 板倉聖宣 1966b, p. 208.
- ^ 『岩波 哲学・思想事典』p.239
- ^ a b 板倉聖宣 1966b.
- ^ PC Watch 2016.
- ^ WIRED 2009.
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