human shieldとは? わかりやすく解説

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人間の盾

読み方:にんげんのたて
別名:ヒューマンシールド
英語:Human Shield

軍事戦略上、自軍の盾として人間配置し銃弾などから身を守る盾として利用すること。特に、民間人自軍周囲配置し敵軍攻撃してきた場合には民間人否応なく巻き込まれるように仕組みそのような状況であることを敵軍アピールすること。

にんげん‐の‐たて【人間の盾】

読み方:にんげんのたて

《Human Shield の訳語戦争紛争において、敵が攻撃目標とする施設の内部周囲民間人配置するなどして、攻撃牽制すること。ジュネーブ条約では戦争犯罪みなされる


【人間の盾】(にんげんのたて)

Human Shield.
交戦中、軍事目標内部または周囲民間人主として女性乳幼児病人高齢者などの非戦闘員)がいることを相手側に知らせ以って攻撃思いとどまらせようとすること。
また、軍隊作戦行動人海戦術取ろうとする場合において、非戦闘員意図的に兵士前に置いて強制的に前進させ、兵士損失防ごうとすることもこれに当てはまる。

それにもかかわらず相手攻撃強行し非戦闘員死傷者出た場合攻撃受けた側はこれを「相手陣営による虐殺行為」としてプロパガンダ材料利用でき、以って自陣営の士気高揚相手陣営への厭戦機運醸成という効果生むことも可能となる。

戦時国際法のひとつであるジュネーブ条約では、「非人道的」として禁じられている戦術であるが、近年では反戦運動一環として運動家やその思想・活動共鳴した一般市民ボランティアによって行われることもある。
彼らはこれにより「軍隊による攻撃巻き添え犠牲となった市民」の写真映像世界中メディア配信させ、以って交戦当事国への厭戦機運醸成」「戦闘行為抑止」などといった目的達成しようとするが、実際には、アメリカ軍のように精密攻撃ができる技量装備を持つ軍隊相手となった場合ではほとんど無意味となる。
そうした軍隊は、攻撃する日時・場所事前に相手側に通告してからその通り目標攻撃することができるので、「事前通告があったにもかかわらず市民退去しなかったのは自己責任」という理屈になる)

2003年イラク戦争においてイラク政府上記のことから、人間の盾となることを志願して入国しようとした外国人スパイとして取り扱うことを通告
このためイラク領内そうした活動をしようとした者のほとんどが何もできないまま帰国する羽目になった


人間の盾

(human shield から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 22:47 UTC 版)

人間の盾(にんげんのたて、Human shield)とは、軍事および政治用語である。

概要

敵に、目標物の内部あるいは周囲に民間人がいることを敵に知らせることにより攻撃を思いとどまらせることをいう。また人海戦術による軍事作戦において民間人に兵士の前を進むことを強制し兵士の安全を図ることもこれにあてはまる。傷病者の状態改善に関する第4回赤十字条約(ジュネーヴ条約)の締結国において禁止されている。

国際法では、人間の盾を使って軍事目標を守ることは戦争犯罪であるとみなされている。また、交戦規定においては(それを定める国の方針にもよるのだが)民間人を無暗に殺傷することを禁止しているため、人間の盾となっている「非武装の民間人」に発砲した正規軍の将兵は軍法会議において裁かれて禁固刑や軍からの追放に処せられることもあり得る。

しかし最近では一般市民や標的にされる市民を守るための反戦戦略として一般市民の志願者(ボランティア)が人間の盾を利用するということが増えている[1]

実施例

問題点

パレスチナ自治区では、NGOの国際連帯運動 (International Solidarity Movement, ISM) のメンバーが「人間の盾」として様々な活動に従事している。ISMは、パレスチナ人の家々がイスラエルのブルドーザーで破壊されるのを身体を張って阻止し、またパレスチナ人の子供たちの通学へ同行したりしている、と主張している。しかし、ISMのメンバーの中には、志願して盾となり一般市民を守ることと、イスラエル国防軍 (IDF) が、自らの軍事標的を守るために、捕らえられたパレスチナ人を盾として使用することを、両方とも人間の盾という言葉を使って表現することは不適切であると主張している者もいる。

盾が個人ではなく全住民である場合、集団的な「人間の盾」として非合法の武装集団が利用する。武装集団は基地を非戦闘員の居住区におくことで敵からの攻撃を防ぐのである。また、敵からの攻撃で非戦闘員が巻き添えを食って死傷した場合、これを宣伝プロパガンダ)に利用する。

人間の盾を破ることは、ヒューミントによって人質たる民間人の位置を特定すると同時に、テロ組織のみを殺傷する精密爆撃をもってすれば不可能ではなくなった(十分なヒューミントが実施できなければコラテラル・ダメージを被ることとなる)。

また、事前に目標を攻撃する日時を相手側に予告し、その予告通りに攻撃をすることで「事前に日時を知らせて攻撃しているのだから、その攻撃目標に民間人がいて犠牲になるのはそちらの責任だ」と主張できるため、現在では人間の盾は意味がない。このためイラク戦争にてイラクは、人間の盾になるため入国した人間をスパイと見なした(人間の盾にはなれないと知りつつ、「イラク戦争を間近で見たいという」という欲求のために人間の盾に志願して入国する者もいた)。

関連項目

脚注

  1. ^ 人間の鎖」、「座り込み」内の「政府に対するものなど政治的な抗議」も参照。またはcategory内の「抗議行動の戦術」も参照。
  2. ^ http://www.sekai-kikoh.net/?p=3637
  3. ^ https://www.sankei.com/article/20140614-FJZLXDHVAVP7JFWJC4F27EL25A/
  4. ^ Bill Van Esveld (August 17, 2009). Rockets from Gaza: Harm to Civilians from Palestinian Armed Groups' Rocket Attacks. Human Rights Watch. p. 26. ISBN 1-56432-523-7 
  5. ^ Library of Congress (October 2, 2007). The Library of Congress World War II Companion. Simon & Schuster. p. 335. ISBN 0-7432-5219-5 
  6. ^ History of World War II: Victory and Aftermath. Marshall Cavendish Corporation. (2005). p. 817. ISBN 0-7614-7482-X 
  7. ^ The Law of Air Warfare - Contemporary Issues. Eleven International Publishing. (2006). p. 72. ISBN 90-77596-14-3 
  8. ^ Israel and the Occupied Territories Shielded from scrutiny: IDF violations in Jenin and Nablus”. Amnesty International (2002年11月4日). 2007年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月26日閲覧。
  9. ^ Human Rights Watch, Jenin: IDF Military Operations, VII. Human Shielding and the Use of Civilians for Military Purposes, May 2002.
  10. ^ 「人間の盾」志葉 玲の報告
  11. ^ 廃墟と化したISIS「首都」、ドローンが捉えた最前線 CNN(2017年8月30日)2017年9月10日閲覧
  12. ^ TED ALJIBE (2013年9月12日). “フィリピン商業都市の占拠続く、イスラム武装集団と軍が激戦”. AFPBB News. https://www.afpbb.com/articles/-/2967882?pid=11331578 2013年9月14日閲覧。 
  13. ^ フィリピン南部で市街戦、比海兵隊員13人死亡 米特殊部隊が支援 AFP(2017年6月11日)2017年6月15日閲覧
  14. ^ 津田知子 (2021年5月17日). “拘束住民を「人間の盾」に…手段選ばぬミャンマー国軍”. 読売新聞オンライン (バンコク: 株式会社読売新聞東京本社). https://www.yomiuri.co.jp/world/20210517-OYT1T50016/ 2021年5月19日閲覧。 
  15. ^ 福山亜希 (2021年5月18日). “ミャンマー軍、住民を「人間の盾」に 市民側反撃できず”. 朝日新聞デジタル (バンコク: 株式会社朝日新聞社). https://www.asahi.com/articles/ASP5L45HLP5KUHBI008.html 2021年5月19日閲覧。 
  16. ^ 松本舞「猫と文学: その壱(ヨーロッパ篇)」『表現技術研究』第13号、広島大学表現技術プロジェクト研究センター、2018年3月31日、1-21頁、doi:10.15027/45398 


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