金剛輪寺明壽院庭園とは? わかりやすく解説

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金剛輪寺明壽院庭園

名称: 金剛輪寺明壽院庭園
ふりがな こんごうりんじみょうじゅいんていえん
種別 名勝
種別2:
都道府県 滋賀県
市区町村 愛知郡愛荘町
管理団体
指定年月日 1990.08.04(平成2.08.04)
指定基準 名1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 金剛輪寺は、彦根市東南方、鈴鹿山脈湖東平野に降る山裾位置する。北の西明寺、南の百済寺と共に湖東三山称され天台宗属す巨刹一つである。
 当時平安時代から鎌倉・室町時代にかけて隆盛極めてきた。天正の頃の織田信長勢による兵火から辛くも免れ、現在に伝えられ国宝本堂重要文化財三重塔二天門本尊である重要文化財木造十一面観音立像始めとする諸仏などの寺宝が、当時の古い歴史をよく物語っている。
 江戸時代入ってからは、彦根藩および天海僧正始めとする天台宗一門庇護を受け寛永期から諸堂宇修理復興続けられた。寛文四年(一六六四山内絵図面によると堂宇本堂含めて七宇、坊は二四となっている。この時期復興主宰したのは、明壽院前身正泉坊である。これら坊の内、現存しているのは、明壽院西光寺常照院のみであるが、山内には調査判明しているだけでも二四の坊跡が認められ盛時の寺容をうかがわせるに十分の景観残している。
 明壽院当寺本坊である。明壽院の名称の初見寛文十三年(一六七三)であり、この頃、正泉坊を継いで本坊になった考えられる当院は、惣門本堂の間で下方三分の一の所に位置する建物としては、庫裡書院護摩堂正徳元年一七一一))、茶室水雲閣(天保十一年(一八四〇))がある。庫裡書院明和三年一七六六)から安永五年(一七七六)にかけて再建され安政五年(一八五八)に改築されたものであったが、昭和五十二年に惜しくも焼失し、翌五十三年再建されたものである
 庭園書院東側面し山裾までの約一五メートルの間を南から北へ約七〇メートルの間屈曲しながら三つの池を流れで結ぶ池庭である。南池は、仏殿書院の南および玄関書院の東から眺められる。池のほぼ中央板石三枚使って巧みにけ、護摩堂寄り斜面三尊石風の石組築き下している。小規模ながら力強い景観呈している。池は細い流れとなって護摩堂の前を通り水雲閣の張り出しの下から東池となる。東池は、仏殿書院の東正面にあたり、本庭園中心である。正面奥に高所に段をもつ滝を設ける。この滝のやや右寄り池中中島配し書院側から二石および一石山裾へ結ぶ。池の南岸からは、水雲閣が高く張り出しており、中島近く池中の石にを置く。また、池の左方には、多くの石を巧妙に組んだ垂直の小高い滝を設ける。池は再び細くなり、書院に迫る山斜面廻り込むようにして、渓谷風の景を呈しながら北の池に入る。この池では、北東部の山深くに滝を設け前面高所板石橋を架ける池中には笹舟様の舟石配する
 庭園植栽については、中島への脇にあるアカメヤナギ古木景趣添えているほか、山の斜面手際よく植え込まれアカマツサツキ群れが美を添えている。なお、高所の滝石組の上部に屹立するアカマツスギヒノキ巨木群は、狭い山容に奥深さ与えていて見事である。
 作庭時期についての直接的な資料はないが、幕末における部分的な作庭記事があること、および元禄期から作庭造詣の深い京都曼殊院属したことなどから類推すれば、江戸時代中期から末期にかけての書院再建改築関連して作庭・改庭が度重ねて行われ、現在に至ったものといえよう。なお、力強い庭景の南池庭や、後世改変困難な高所の滝石組などには、江戸時代中期以前作庭可能性無視できないところもあるが、後の調査・研究待ちたい部分的に修理改築のあとがみられるが、狭長な山裾地形巧みに利用し、石を多用した堅固な石組護岸構造優秀な技法をみることができる。数度作庭内在する複合的な庭園ではあるが、複合しながらも全体として鑑賞上の価値の上優れた庭園であることから、名勝として指定し永く保存図ろうとするものである
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