米原駅 - 京都駅間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:57 UTC 版)
米原駅の在来線側はJR西日本が管轄するJR東海との境界駅で、東海道新幹線・北陸本線および近江鉄道本線と接続する。米原駅からは琵琶湖の東岸を経由して京都駅を目指し、この区間は民営化以降「琵琶湖線」の愛称で案内されている。そのうち彦根駅から野洲駅までの区間は朝鮮人街道とともに湖東平野を南西に進む。平坦地を通る曲線の少ない区間で沿線は田園地帯が多い。また米原駅 - 膳所駅間は丹那トンネル区間を除く新橋駅 - 神戸駅間で最後の開通区間である。米原駅を出ると貨物列車用発着線が広がり、左側には操車場跡地に建設され、JR各社の新幹線試験車両が静態保存されている鉄道総合技術研究所(JR総研)の風洞施設がある。やがて東海道新幹線や近江鉄道本線と分かれて琵琶湖寄りを進む。米原駅 - 彦根駅間はかつて湖岸(松原内湖)を通っていたが現在、内湖は埋め立てられている。近江鉄道本線に再び近づくと彦根駅で、同駅西側には彦根城がある。 彦根駅を出ると近江鉄道本線が同線彦根口駅付近まで左隣に並行。南彦根駅を出て、犬上川を渡って河瀬駅・稲枝駅を過ぎ、さらに愛知川を渡ると東近江市の能登川駅。能登川駅から安土方面へ進むと、かつては内湖(小中之湖)が迫り、内湖に突き出た安土山(安土城址)の風景を見ることができたが、戦中に埋められ干拓されている。腰越山トンネルをくぐって安土山南東側を通ると安土駅、そして近江商人の街並みや水郷への最寄り駅である近江八幡駅へ。同駅からは近江鉄道八日市線が接続する。篠原駅を出ると上下線の間に車両基地を挟み、野洲駅へ。このあたりから京都・大阪方面などへの通勤圏となり住宅が増えてくる。野洲川を渡ると守山駅、続いて栗東駅へ。それぞれの駅前にはマンション群がある。そして草津線が合流し草津駅に至る。 草津駅からは方向別複々線区間となり、そのうち京都駅までは1970年(昭和45年)に複々線化された区間。また名古屋市内で分かれていた国道1号(東海道)と再び並行する形となり、大津駅までは琵琶湖の南端を迂回する形で西へ進む。草津駅を出るとすぐに草津川トンネルをくぐり、次は南草津駅で、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの最寄り駅でもある。瀬田駅から滋賀県の県庁所在地である大津市に入り、琵琶湖の南端から流れ出す瀬田川を渡る。石山寺や東レの本社工場の最寄り駅である石山駅と次の膳所駅では京阪石山坂本線が接続しており、両駅間で同線は東海道本線より琵琶湖寄りを通っている。膳所駅はかつて機関区も置かれていたことがあり、付近の線路は山越えに備えて高い位置に敷かれている。現在、ここからは1921年(大正10年)に完成した新逢坂山トンネル・東山トンネルを抜けて京都駅までほぼ直進するルートであるが、開業当初はここから逢坂山の山塊を避けて南側へ迂回し、現在の奈良線稲荷駅を経由して京都駅へ向かっていた。その途中には日本初の山岳トンネルであった逢坂山隧道があり、現在は京都大学地震予知研究センターがトンネル跡地を使用している。また、旧線跡の一部は後に名神高速道路の建設用地に転用された。 現ルートは膳所駅を出ると、左側に国道1号が並行。次の大津駅は過去に2度移転しており、前述の新逢坂山トンネル完成後に現在の場所となった。大津駅を出るとすぐに国道161号と京阪京津線をくぐり、新逢坂山トンネルを抜け、京都府京都市に入る。湖西線と合流し、京阪京津線・京都市営地下鉄東西線も接続する山科駅からは大きな築堤を進んで京津線を跨ぎ、東山トンネルを抜けて京都盆地に出ると東海道新幹線と並行し、京阪本線を跨ぐ。鴨川を渡ると南側から奈良線が近づき、国道24号を跨いで京都駅に至る。同駅は京都観光の玄関口であるとともに、JR在来線各線や東海道新幹線・近鉄京都線・京都市営地下鉄烏丸線が発着するターミナル駅。1997年(平成9年)に総ガラス張りの駅ビルが完成し、駅西側にはJR京都駅NKビルも開業している。
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