江戸時代の書籍とは? わかりやすく解説

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江戸時代の書籍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:55 UTC 版)

棋書 (将棋)」の記事における「江戸時代の書籍」の解説

本項では、江戸時代1603年 - 1867年)に刊行され将棋についての書籍、あるいは同時代筆写された写本をあつかう。内容は、将棋の定跡について述べたもの、対局棋譜集めたもの、詰将棋集などを含む。将棋の他には、中将棋・大将棋などの将棋類についての記述含まれているものもある。主に幕府将棋所関係者執筆したものを中心としている。 特に著名なのは、伊藤宗看伊藤看寿兄弟の『将棋図巧』『将棋無双』の2つ詰将棋である。合わせて詰むや詰まざるや百番」とも言われ、宗看が当時将棋盤並べて詰むや?詰まざるや?」(さあ、詰むでしょうか、詰まないでしょうか?)と弟子知友に解かせた所ほとんど解けなかった為、江戸で評判になったという。当時将棋名人江戸幕府の禄を食んでいたために「献上図式といって百番詰将棋献上していたが、既に「煙詰」などの長手数かつ趣向凝らした詰将棋完成させており、「献上図式」の中でも屈指の内容と言われる昭和成ってからも米長邦雄は『将棋図巧』『将棋無双』の重要性力説し、「プロ四段になるためには必ず全問正解することが必要」(要約)と主張し実際に羽生善治6、7かかって解き「あれをすべて自力解ければ、理論身につくこともあるが、それより難解な詰将棋200題を何年もかけて解く情熱とか熱意プロになる原動力になる。自分毎日毎日考えつづけて途中でもう嫌だ思って止めてしまい、全問正解まで6、7年もかかった米長の言うプロ四段になるため全問正解が必要というのはそういうことだろう」(要約)と述べた藤井聡太小学生の頃から読んでいるという。 また定跡書としては大橋宗英将棋歩式、福島順喜の将棋絹篩天野宗歩将棋精選を特に三大定跡書といい、「精選定跡」の一部現在のプロ棋戦でも指されている手順である(相掛かり横歩取りこの頃既に細かい手順研究され横歩取り後手2三歩戦法飛車捨てて先手優勢になる有名な手順は既に載っている。また鳥刺し香落ち下手定跡として掲載されている)。ここには挙げないが、阪田流向かい飛車穴熊などの定跡考えていた人が民間にすでに存在していたことも分かっている。 書籍刊行著者編者内容和暦西暦象戯造物 慶長7 1602 大橋宗桂 (初代) 初代宗桂詰将棋50現存する最古詰将棋集 象戯馬法作物 元和2 1616 大橋宗桂 (初代) 『象戯造物』の増補再刊詰将棋80番 象戯図式(将棋智実) 寛永13 1636 大橋宗古 宗古の詰将棋100番 象戯作物(将棋衆妙) 正保3 1646 大橋宗桂 (3代) 3代宗桂詰将棋100番献上図式として準備した果たせ象戯図式(将棋駒競) 慶安2 1649 伊藤宗看 (初代) 初代宗看の詰将棋100番古将棋承応2 1653 加藤盤齋 最古実戦集 象戯鏡 寛文3 1663 加藤盤齋 実戦集、現存する最古の棋譜収録象戯圖式 寛文3 1663 伊藤宗看 (初代) 中将棋詰め物象戯図式(将棋手鑑) 寛文9 1669 大橋宗桂 (5代) 5代宗桂詰将棋100番 諸象戯図式 元禄7 1694 西沢貞陳 全4巻1巻各種将棋類解説2巻以降詰将棋集(中将棋も含む) 近来象戯記大全 元禄8 1695 青木善兵衛 上中3巻『象戯鏡』に漏れた手合い集、詰将棋10番 作物象戯大矢数 元禄10 1697 无住僊良 詰将棋集 中象戯初心元禄10 1697 中将棋指し方詰め物 将棋指大成 元禄11 1698 西沢貞陳 象戯図式(将棋勇略) 元禄13 1700 伊藤宗印 (2代) 2代宗印の詰将棋100番 術知象戯カ宗桂指南元禄16 1703 大橋宗桂 (初代)西沢貞陳 『象戯造物』の増補再刊詰将棋100番 古今戯評判 元16 1703 『象戯鏡』に評をつけたもの 中将指南元禄16 1703 中将棋指し方詰め物 象戯洗濯作物宝永3 1706 洗濯周詠 詰将棋集 象戯綱目 宝永4 1707 赤懸敦庵 全5巻定跡1巻実戦2巻詰将棋2巻 象戯亀鑑 正徳3 1713 山崎勾当 実戦象戯作物(将棋養真図式) 享保元 1716 大橋宗与 (3代) 3代宗与の詰将棋100番 象戯図彙考鑑 享保2 1717 原喜右衛門6巻序盤駒組み解説および実戦集 象戯勇士享保14 1729 宥鏡 詰将棋象戯作物(将棋無双) 享保19 1734 伊藤宗看 (3代) 3代宗看の詰将棋100番将棋図巧』と並び詰将棋集の最高峰 観手象戯経 寛保3 1743 鈴木玄中将作物 延享3 1746 伊藤宗看 (3代) 中将棋詰め物将棋妙案 宝暦年間 久留島喜内 詰将棋100番 橘仙貼璧 宝暦年間 久留島喜内 詰将棋集 象戯秘曲宝暦2 1752 添田宗太詰将棋101象戯図式(将棋図巧) 宝暦5 1755 伊藤看寿 看寿の詰将棋100番将棋無双』と並び詰将棋集の最高峰 将棋稽古 宝暦8 1758 福島順喜 定跡象戯図式(将棋大綱) 明和2 1765 大橋宗桂 (8代) 8代宗桂詰将棋100番 広象棋明和7 1770 荻生徂徠 中象戯補録集 安永7 1778 山形屋八郎右衛門 史上唯一の中将棋実戦集 象棊攻格 天明5 1785 徳川家治 将軍家治の詰将棋100番 象戯図式(将棋舞玉) 天明6 1786 大橋宗桂 (9代) 9代宗詰将棋100番最後献上図式 将棋玉手箱 寛政2 1790 岡文器 定跡、および民間棋士実戦集 象戯指南車 寛政3 1791 永楽屋定跡書 象戯奇正図(将棋玉図) 寛政4 1792 桑原君仲 詰将棋100番 唐山象棋寛政8 1796 草加定環 将棋絹篩 文化元 1804 福島順喜 江戸三大定跡書の一つ 将棋式 文化7 1810 大橋宗英 江戸三大定跡書の一つ 将棋奇戦 文化8 1811 大橋宗英 実戦将棋金 文化9 1812華道実戦将棋明玉 文化11 1814 大橋宗桂 (10代) 実戦平手相懸定跡文化13 1816 大橋宗英 相掛かり定跡書 中将棊絹篩 文政1818 鶴峰戊申 中将棋指し方詰め物 温故知新棊録 文政2 1819 服部因徹 将棋絶妙 文政6 1823 伊藤宗看 (6代) 実戦集 象戯童翫集 文政11 1828 和中詰将棋将棋精妙 天保3 1832 生島造田中幸次郎 実戦将棋指南 天保10 1839 大橋宗英 大橋柳雪 大橋宗珉 宗英の遺稿弟子がまとめた定跡将棋極妙 嘉永2 1849 桑原君仲 詰将棋将棋輝光 嘉永2 1849 大橋宗与 (7代) 実戦将棋精選 嘉永6 1853 天野宗歩 江戸三大定跡書の一つ 将棋精妙(不成百番) 安政5 1858 伊藤宗印 (2代) 2代宗印の詰将棋100番8代宗印による出版 将棋手鑑 明治10 1877 伊藤宗印 (8代) 天野宗歩実戦象棋六種之図式 不明 不明 各種将棋類解説 象戯図式 不明 不明 筆写本各種将棋類解説 大橋家家元秘傳大橋家秘伝定跡大正期大橋家断絶により公開 伊藤家将棋印可厳秘伊藤家秘伝定跡大正期伊藤家断絶により公開 平手相懸奥義 大橋柳雪 大橋家秘伝相掛かり定跡

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