序曲とは? わかりやすく解説

じょ‐きょく【序曲】

読み方:じょきょく

㋐オペラ・オラトリオ・バレエ音楽など最初に演奏される器楽曲主要部への導入役割を果たす

19世紀以降、1楽章形式独立した管弦楽曲ブラームスの「大学祝典序曲」など。

物事始まりを示す事柄。「物語の—」

[補説] 書名別項。→序曲


じょきょく【序曲】

読み方:じょきょく

原題The Preludeワーズワースによる自伝的長詩1798年から1799年にかけて最初作品序曲1799」が成立以後加筆修正され、1804年から1805年に「序曲1805」が完成著者没後1850年刊行された。副題は「詩人の心の成長」。


序曲


バッハ:序曲 ト短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:序曲 ト短調Ouverture g-Moll BWV 822出版年1904年  初版出版地/出版社Peters 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 序曲 Overture 3分30秒 No Image
2 アリア Aria3分00 No Image
3 ガヴォットロンドー Gavotte en Rondeau 1分00 No Image
4 ブレー Bourree 1分00 No Image
5 メヌエット I Menuet I0分30秒 No Image
6 メヌエット II Menuet II 1分00 No Image
7 メヌエット III Menuet III 1分00 No Image
8 ジーグ Gigue 1分30秒 No Image

作品解説

2008年4月 執筆者: 朝山 奈津子

 旧バッハ全集には拾遺されず、新全集においても「他者作品編曲」と注釈された作品唯一の資料バッハ存命中の1743年という日付を持つとはいえ筆写不明のものである。が、様式の上からはバッハ初期作品としての特徴をよく備えており、真作である可能性は高い。
 最初楽章フランス式序曲、すなわち緩急緩の3つのセクション分かれている。第1セクション山形動き、すなわち直線的華麗な上行音型と付点による緩やかな下行繰り返される第2セクション逆に谷型の軽快動機いくつも連ねてフーガ主題としている。最後緩徐部分10小節と短いが、第1セクション直線上行の装飾排除して落ち着きのある締めくくりとしている。
 この楽章おもしろさは、調の推移にある。中間のフーガ部分では、g-Mollから始まってB-Dur(第38小節)、F-Dur(第46小節)、d-Moll(第57小節)、Es-Dur(第68小節)を通りここからなんとフラット6つのGes-Dur(第76小節)へ進む。転調勢いはなお収まらず、遂にフラット7つのas-Moll(第84小節)に到達する。ただし、このあたりの調は長く保持されず、まもなくEs-Durへ戻り(第90小節)、やがてg-Moll(第104小節)へと回帰して安定する。これらの転調はV度圏を利用して推移するのであるフーガ部分下行の摸続進行一辺倒動機労作はやや退屈であるが、それだけに一層、こうした調の色合い豊かさ変化楽しめるだろう。
 第2楽章堂々たるアリア装飾音がすべて書き出されている。前半はあくまで穏やかに進むが、反復記号後で急に下属短調c-Mollへ転じるここから主調へ戻る際、第13小節第1拍のフェルマータ付き和音、および第14小節での偽終止は、このアリア表出的な効果をさらに高めている。
 第3楽章は〈ロンドによるガヴォット〉というタイトルを持つ。この曲の中で扱われるのは、第2小節第2拍までの山形舞曲リズムによる動機と、いわゆる溜息動機による順次的な下行、および最初クプレ登場した四分音符八分休符を含む動機である。短く単純な形式ロンドだが、動機転回をよくこなしている。
 続くブレでは、ガヴォットの各動機が再び用いられる溜息動機反復記号以降にようやく現れるが、全体にこの2曲の関連は明確である。
 3つのメヌエットのうち、最初の2曲は転回関係にある。つまり、メヌエットIで右手にあったものがメヌエットII左手に、また左にあったものは右へ移されるメヌエットIII対位法からは自由になるが、関連する動機扱われている。メヌエットIIIIIメヌエットIをダ・カーポするよう指示があり、これを守るとロンドによるメヌエット完成する
 終楽章ジーグで、フーガになっている。ただし主題はわずか半小節の差で模倣されるため、緊密なテクスチュア生まれる。また、付点同音反復組み合わせた8分の6の主題は、鍵盤楽器演奏するとではややしつこい印象与えるが、おそらく落ち着きのあるテンポを選ぶことで解決されるだろう。なお、ジーグ付点リズム用いるのはフランス様式である。


序曲

作者バリー・ユアグロー

収載図書Don't Worry Boys現代アメリカ少年小説集
出版社大和書房
刊行年月1994.9


序曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 22:15 UTC 版)

序曲(じょきょく)は、本来フランス語で開始を意味する ouverture の訳語。オペラ劇付随音楽古典組曲などの最初に演奏される音楽である。オペラや劇付随音楽などの劇音楽の序曲と、組曲などの序曲では多少性格を異にするが、前座の音楽という位置づけではなく、全体の開始にふさわしい規模と内容を持つのが一般的である。


注釈

  1. ^ イタリア語ではフランス語からの外来語としてouvertureをそのまま使うのが一般的である。イタリア語 apertura (アペルトゥーラ、開くこと)と同語源だが apertura が曲名として用いられることはほぼない。overtura はフランス語ouvertureの綴りをイタリア語化したもので稀に用いる。例えばブラームス『悲劇的序曲(独:Tragische Ouvertüre)』をイタリア語で表記する場合 Ouverture tragica とし、Ouvertureはフランス語由来の外来語をそのまま用い、tragicaの部分だけイタリア語化して表記するのが一般的である。

出典

  1. ^ 希望序曲”. issuu.com. issuu.com. 2022年1月15日閲覧。


「序曲」の続きの解説一覧

序曲(シンフォニア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 14:48 UTC 版)

シチリアの晩鐘 (ヴェルディ)」の記事における「序曲(シンフォニア)」の解説

シチリア舞曲風の序奏始まり戦いをあらわす激し第1主題と、穏やかで抒情的な第2主題奏される主部入ったのち、コーダ激情的結ばれる演奏時間は約9分。

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序曲(作品21)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 01:06 UTC 版)

夏の夜の夢 (メンデルスゾーン)」の記事における「序曲(作品21)」の解説

序曲『夏の夜の夢ホ長調 作品21, MWV P 3 は、1826年作曲された。 もとはメンデルスゾーンが姉のファニーと楽しむためのピアノ連弾曲として書いたものであったが、すぐにこれをオーケストラ用に編曲した。この作品完成させた時、メンデルスゾーンはわずか17歳であったが、作品驚異的な完成度豊かな創意誇っている。

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