山名氏城跡とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 山名氏城跡の意味・解説 

山名氏城跡
此隅山城跡
有子山城跡

名称: 山名氏城跡
 此隅山城跡
 有子山城跡
ふりがな やまなししろあと
 このすみやまじょうあと
 ありこやまじょうあと
種別 史跡
種別2:
都道府県 兵庫県
市区町村 豊岡市
管理団体
指定年月日 1996.11.13(平成8.11.13)
指定基準 史2
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: H4-12-06有子城跡.txt: 山名氏は、室町幕府において四職家1つであり、最大級大名であった一族但馬因幡丹波美作など11国の守護職を兼帯して、「六分一殿」といわれたことが名高い明徳の乱では一族争ったため衰亡したが、嘉吉の乱勢力回復し応仁の乱では、宗全(持豊)が西軍総帥となった
 但馬は、南北朝初期以来山名氏根拠地であり、南北朝期後半以降戦国期まで一貫して山名氏守護地位にあった。この山名氏本国但馬における居城此隅山城であり、永禄頃まで使われた。またその後天正期に山名氏築いて移った城が有子城である。
 此隅山城は、山名氏本城であり、文中年間(1372-74)、山名師義築城したという。標高140メートルの此隅山頂中心に四方にのびる尾根上に削平による平坦地(くるわ)を多数設けている。南西にのびる尾根上のくるわには千畳敷呼称がある。
 山麓には、[[宗鏡寺]すきょうじ]、願成寺という地名があるが、かつてその名の寺院があったことを示している。ただし寺そのものはなく有子山麓出石)に現存している。此隅城下にあった町が有子山麓移転するにつれ、寺も移ったことを示すものである。此隅山の南方には[[天日槍]あめのひぼこ]を祭神とする但馬一宮出石神社があるが、永享8年(1436)山名持豊納めた自筆願文(神床家文書)が残っているように山名氏尊崇厚かった神社である。
 文明15年14838月山名政豊は、赤松氏攻撃のため播磨出陣するが、その出陣翌日出石神社鳥居横木落ちたことが「実隆公記」にみえている。この予兆のように赤松攻は失敗終わっている。また、永正元年(1504)には山名致豊家臣垣屋続成対立があり、此隅山城垣屋氏攻撃を受け、出石神社灰燼に帰したという(神床家文書)。永禄12年(1569)8月木下秀吉坂井政尚らの織田軍が但馬進攻すると、生野銀山、子盗(此隅)など18か所が落去落城)したという(益田家什書)。この時山名祐豊但馬出奔して、堺の商人頼ったが、織田信長近かった豪商今井宗久斡旋但馬への帰国許された。
 こののち山名祐豊築いた城が有子城で天正2年(1574)頃のことという。その名は「子盗」(此隅)の名を嫌って有子」と命名されものという。
 有子城跡は此隅山の南2・5キロメートル現在の出石中心市街の南方標高321メートル有子山にある。山頂主郭とその西方に6段のくるわが階段状に続き、また主郭東南千畳敷呼ばれるくるわがある。また山腹にはたてぼり遺構も残る。
 天正8年(1580)、木下秀長但馬侵入によって有子城主山名氏政(祐豊子)は因幡出奔したこのあとは秀長が入城し、のち天正13年(1585)前野長康5万石で入城するが、文禄4年(1595)豊臣秀次事件連坐して改易され、その後小出吉政が6万石入城し、やがて吉政による近世出石城築城によって廃城となった有子山頂にはみごとな石垣残存しているが、織豊期いずれか大名によって築かれたものであろう有子城は中世城郭近世城郭移行するまでの過渡期形態をよく示すものである
 このように山名氏室町幕府中心的な存在であって、その動向室町時代政治体制に常に大きな影響与えつづけた山名氏はその性格上、在京することが多かったとはいえ、此隅山は本国但馬における守護所として重要な役割をはたしてきた。また有子城はその山名氏盛衰を示す遺跡あり、か織豊期における城の形態をも良好に示している。
 すなわち両城跡はわが国中世政治史城郭あり方を示す遺跡として貴重であり、史跡指定してその保存を図るものである
史跡名勝記念物のほかの用語一覧
史跡:  山代二子塚  山代方墳  山前遺跡  山名氏城跡  山寺  山崎貝塚  山形城跡



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「山名氏城跡」の関連用語

山名氏城跡のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



山名氏城跡のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS