ノート型
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「PC-9801シリーズ」の記事における「ノート型」の解説
ラップトップ型パソコンは持ち歩いて使うには重さや電源の観点からまだ現実的ではなく、高価でもあったため、主に企業で省スペース型デスクトップの延長として導入された。1989年6月に東芝が発表したJ-3100SS DynaBookは、「ブックコンピュータ」という新しいコンセプトを低価格と同時にアピールする戦略で市場に衝撃を与えた。NECも前々から同等のコンセプトを持ったパソコンを開発していたが、これを受けて開発期間を約3か月短縮して発売にこぎ着けた。J-3100が「ダイナブック」という愛称で発売されたのに対して、NECは薄さや軽さを強調する「ノート」という言葉を使った98NOTEを発売した。この名称はセイコーエプソンがDynaBookと同じ月に発表したPC-286NOTE executiveに追従した形となった。 以後ノートパソコンという言葉/ジャンルが確立され、ビジネスユースなどのパーソナルコンピュータの利用範囲を広げる一端を担った[要出典]。 なお、下記の動作時間はFDDモデル、FDD10%仕様の公称値(カタログスペック)である。 PC-9801N 1989年11月 初代98NOTE。CPUはV30-10MHz。3.5インチFDDを1基搭載。標準バッテリーパックとは別に内部にニカド電池を搭載することで、バッテリーバックアップされたメインメモリの一部をITF (Initial Test Firmware) /BIOSレベルの機能として提供されるRAMドライブに割り当て、ブート直後の時点でRAMドライブが利用可能となっている。これにより、プロテクトがないディスクをRAMドライブへコピーすることで、マシンに2台のFDDが搭載されていることを必須条件とするアプリケーションを1ドライブで利用可能とした。チップセットはラップトップ機やデスクトップ機と共通のVLSIチップセットをキーボード直下に詰め込むようにして実装している。バッテリーで1.5時間動作。 PC-9801NS 1990年6月 386SX-12MHz搭載の98NOTE。20MB HDD搭載モデルも登場した。 PC-9801NV 1990年11月 初代98NOTEの後継機。V30HL-16MHzを搭載して高速化が図られた。レジューム機能搭載。セカンドバッテリー(専用内蔵モデムと排他)を搭載し、動作時間が増加。 PC-9801NS/E 1991年7月 NSをベースに386SX-16MHzに高速化、別売のCRTパック(バッテリパックと排他)で外部ディスプレイ出力に対応し、HDDも内蔵可能になった。 PC-9801NC 1991年10月 TFTカラーLCDを搭載した世界初のノートPC製品、386SX-20MHzに高速化された他はNS/Eに準じる。しかし当時のカラー液晶はまだまだ高く、価格は598,000円と高価だった。 PC-9801NL 1992年1月 V30HL-16MHz登載(8MHz駆動可)。初代98NOTE LIGHT。ジャストA4サイズ、FDDを外付けにして本体を1.3kgに軽量化。JEIDA Ver4.0準拠メモリカードスロット、MS-DOS 3.3D相当をROMで内蔵。オプションでアルカリ乾電池バッテリーケースがある。 PC-9801NS/T 1992年1月 インテルとNECが共同開発した386SL(98)-20MHzを搭載、動作時間3.8時間(標準+セカンドバッテリー)。機種別の専用内部増設メモリに対応したほか、数値演算 (FPU) コプロセッサとして、387SX/387SLの増設に対応した。 PC-9801NS/L 1992年7月 i386SX-20MHz搭載、本体サイズをジャストA4サイズに重量を従来の2.9kgから1.9kgへ小型軽量化したモデル。形状の変更によりバッテリーパックとHDDパックは変更小型化されている。動作時間は2.0時間(標準モード時)。 PC-9801NA,NA/C 1992年10月 i486SX-20MHz搭載。NAはモノクロLCD、NA/CはTFTカラーLCD。専用の数値演算コプロセッサ(487SX)搭載ボードが用意され、サードパーティからもこのスロットを流用したCPUアクセラレータが供給された。 PC-9801NS/R 1993年1月 インテル日本法人が開発した486SX(J)-16MHzを搭載。このCPUは486SX相当の機能と省電力モードを備えている一方、外部バス幅は16ビットに削減されている。動作時間5.4時間(標準+セカンドバッテリー)。3モード(640KB/1.25MB/1.44MB)FDD搭載。 PC-9801NX/C 1993年7月 TFTカラーLCD、486SX(J)-20MHz PCカードスロット(PCMCIA2.0/JEIDA Ver4.1)を搭載し、従来のRAMカードスロットが廃止された。 PC-9801NS/A 1994年1月 i486SX-33MHz搭載。CPUアップグレードボードにより、i486DX2 50MHzへアップグレード可能。外部モニター端子標準搭載(従来のCRTパックは取付不可)、PCカードスロット(PCMCIA2.0/JEIDA Ver4.1)搭載。マウスポート・プリンタポート形状がBX2以降の新型に変更され、専用内蔵モデムスロットが廃止された。 PC-9801NL/R120A 1994年1月 486SX(J)-16MHzを搭載。FDDを外付けにしたB5ファイルサイズの小型軽量機。PCカードスロット(PCMCIA2.0/JEIDA Ver4.1)搭載。コプロセッサ用ソケット、キーボード端子、外部ディスプレイ、内蔵のバッテリ充電機能が省略されている。オプションで専用のサムマウス(トラックボール)と一体化することができる。 PC-9801NL/A 1994年10月 i486SX-33MHz搭載。FDDを外付けにしたB5ファイルサイズの小型軽量機。同時期のPC-9821Ldと同じ筐体形状で、トラックボールが標準搭載になった反面、NL/Rよりは若干大きくなった。LCD以外はLd/Ltと共通点が多く、PCカードスロットはPCMCIA2.1/JEIDA Ver4.2×2基に対応した。
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「PC-9821シリーズ」の記事における「ノート型」の解説
A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。中期以降の多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。液晶ディスプレイについては廉価版はデュアルスキャンSTN、それ以外はTFTを採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルでサポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。
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