ニコンF3とは? わかりやすく解説

ニコンF3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 06:52 UTC 版)

ニコンの銀塩一眼レフカメラ製品一覧」の記事における「ニコンF3」の解説

F一桁として初め電子制御式シャッター絞り優先AE搭載20年長期わたって販売されモデルである。発売当初キャッチコピーは「Super Nikon」。ニコンではニコマートELにおいて初の電子制御式シャッターとしてコパル製の縦走シャッターコパルスクエアSE」を採用したが、ニコンF3では自社設計による横走りシャッター採用している。シャッター幕はチタンで、開口時間クォーツ基準として制御されるが、本機基本動作FRE(金属薄膜抵抗体;巻き戻しクランク部に位置する)などを用いたアナログ電子式である。マニュアル使用可能なシャッター速度は8秒~1/2000秒(中間シャッター速度選択不可)、スピードライトはX(1/80秒)以下のシャッター速度同調するニコンFニコンF2と同様ファインダー交換が可能である。ファインダー測光機構を持つニコンFフォトミック、ニコンF2フォトミックと異なり測光機構ボディ内部にある。メインミラーに穿設された約5万個のピンホール通過し、サブミラーを反射してミラーボックス下部SPDに光を導く方式で、この「ボディ測光」によりニコンF3はすべてのファインダーTTL測光ができる。同一SPDスピードライトTTL調光素子兼ねる。ハーフミラーでなくピンホールミラーなので円偏光フィルターだけではなく通常の(直線)偏光フィルター使用できる測光方式中央部重点測光だが中央重点度が高くスポット測光的に近い。使用電池は、銀電池SR44 ×2、またはアルカリ電池LR44×2もしくはリチウム電池CR-1/3N。 緊急用として約1/60秒とT(タイム)の機械式シャッター用意されており、電池切れても一応は撮影が可能である。 TTL自動調光も本専用スピードライトで可能となったクリップオンスピードライトニコンF2同様に巻戻しクランク直上部に装着する方式。ただしニコンF3独自規格で、ニコンF2使用できたスピードライトや一般のJIS規格クリップオンスピードライトそのままでは使えずガンカプラーが必要である。またスピードライトやガンカプラーは、裏開放機能兼ねフィルム巻き戻しクランク被せる形で装着するので、フィルム交換のたびにスピードライト取り外す必要があった。スピードライト巻き戻しクランクから前方オフセット装着することによりこの問題点解決したガンカプラーAS-7用意されているが、独自規格シューによるスピードライトでないとTTL自動調光対応しない前方オフセット装着することから重心移動する外部測光接写時の微妙な撮影距離の計算修正が必要等の欠点が伴う。報道用のニコンF3Pはペンタプリズム部にホットシュー装備し汎用品スピードライト使用可能となり、フィルム装填時のスピードライト脱着不要としている。ただしこの接点ではTTL自動調光できないデザイナーには自動車デザインなど著名なイタリアジョルジェット・ジウジアーロ起用モータードライブ本体が一体で設計・デザインされた。右手保持する部分盛り上がった手がかりグリップ)を設け、さらに赤いライン入れるなど、従来ニコン一眼レフカメラとは一線を画しモダンな外観となっている。グリップ部の表皮発売当初メルセデス・ベンツステアリング採用されていた柔らかい素材張られていたが、途中からゴム素材変更されている。 ファインダー内部表示は、液晶表示装置(シャッター速度などをデジタル表示)・レンズ絞り環を直読する絞り値表示スピードライトチャージなどを示すレディライト(赤色LED)の3つである。ファインダー取り付け部の赤色ボタン押下すると内蔵されランプ点灯し液晶表示絞り値表示照明するバリエーションモデルとしては下記モデルリリースされている。 ニコンF3(Nikon F3 、1980年昭和55年3月発売) - ベーシックモデルアイレベルファインダーDE-2を搭載している。 ニコンF3ハイアイポイントNikon F3 High-eye Point1982年昭和57年3月発売) - ハイアイポイントファインダーDE-3を搭載したモデル。F3HPと略称されるニコンF3/T(Nikon F3/T 、1982年昭和57年12月発売) - 外装チタンとしたモデル限定モデルだったニコンF2チタン違い通常モデルとして生産された。各部防滴性能強化施されている。ファインダーハイアイポイント仕様チタン外装のDE-4。 ニコンF3AF(Nikon F3AF 、1983年昭和58年4月発売) - ニコン一眼レフカメラ初の市販オートフォーカスモデルでオートフォーカスファインダーDX-1を搭載している。 ニコンF3P(Nikon F3P 、1983年昭和58年報道向けのみ発売) - ニコンF3HPを基本各部仕様特化した報道向けモデルで、ファインダーはハイアイポイントファインダーDE-5。セルフタイマー多重露出レバー省略各部防滴性能強化などがなされるニコンF3/T黒(Nikon F3/T Black1984年昭和59年9月発売) - ニコンF3/Tを黒仕上げとしたモデルで、それ以外内容変更はない。 ニコンF3リミテッドNikon F3 Limited1993年平成5年限定発売) - ニコンF3Pが一般向けに限定販売され、外装に「Limited」の刻印がある以外はニコンF3Pと同一仕様ニコンF3Lと略称される。 以下は限定モデルニコンF3HNikon F3H1996年平成8年発売) - ニコンF3Pをベースクイックリターンミラー廃し固定式ハーフミラー採用専用モータードライブMD-4Hとの併用13コマ/秒の連続撮影可能なハイスピードモータードライブモデルでハイアイポイントファインダーDE-5を搭載している。スポーツ報道などの特殊用途向けとして限定販売販売時価格は48万円生産台数500程度と言われている。 ニコンF3クラシック(Nikon F3 Classic ) - 安藤カメラクラシックが企画した限定モデル100台で発売された。Ai Nikkor 50mm f/1.2Sとセット販売された。レンズ刻印ボディと同じゴールド塗装されている。また、別売りを防ぐため、ボディレンズシリアルナンバーは同じ番号である。 ニコンF3ラピタ2000メモリアルエディション(Nikon F3 LAPITA 2000 MEMORIAL EDITION2000年平成12年発売) - ニコンF3最後限定モデル小学館雑誌ラピタ」が愛読者向けに100限定発売した。「LAPITA 2000/MEMORIAL EDITION」の刻印グリップの赤ラインが緑ラインになっているのが特徴内容はほぼニコンF3ハイアイポイント準じる。 以下は特殊モデルビッグカメラ1980年昭和55年)製作) - アメリカ航空宇宙局からスペースシャトル載せるカメラ発注があり製造された特殊カメラ長尺フィルムバッグを装着しており大型ためこう呼ばれた外装プラスティック部品全て金属置き換えられている。 スモールカメラ(1980年昭和55年)製作) - アメリカ航空宇宙局からスペースシャトル載せるカメラ発注があり製造された特殊カメラ前面ロゴ以外には反射防止用の黒い塗料塗られている。 ウエムラスペシャル(1981年昭和56年)製作) - 南極点単独旅行記録用としてニコンF2引き続き依頼があって作成された。アイレベルファインダー仕様でF3チタン発売先駆けてチタン素材使用されている。チタンカラー。 後継ニコンF4発売されても並行して製造続きニコンF5発売され以降製造され、F一桁シリーズでは最長20年渡って製造された。そのため短期間だがニコンF3・ニコンF4ニコンF5並行して販売されていた時期があり、3機種同時に掲載されカタログ存在する。しかし採用されている電子部品調達困難になったこと、その部品性能試験装置メンテナンスがこれまた部品枯渇により不可能になることなどから2000年平成12年)に製造終了した

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