イベリア半島と北西アフリカとは? わかりやすく解説

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イベリア半島(アンダルス)と北西アフリカ(マグリブ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 09:51 UTC 版)

イスラム美術」の記事における「イベリア半島アンダルス)と北西アフリカマグリブ)」の解説

歴史時代アンダルスのウマイヤ朝タイファ時代ムラービト朝ムワッヒド朝スルターン治世ハフス朝ザイヤーン朝ナスル朝マリーン朝 アンダルス定着した最初イスラーム王朝は、アンダルスのウマイヤ朝後ウマイヤ朝756年-1031年であった。その名の示すように、この王統9世紀アッバース家敗れたシリアウマイヤ家末裔だった。11世紀末には、ベルベル人2つ部族ムラービト朝ムワッヒド朝として相続いてマグリブスペイン支配した両者美術マグリブ影響もたらしたムワッヒド朝後継となったのはフェズ首都とするマリーン朝1196年-1465年)、チュニス中心とするハフス朝1229年-1574年)、そしてナスル朝との密な交易アラゴン連合王国およびマリーン朝とも同盟したザイヤーン朝1236年-1550年であったアンダルスのウマイヤ朝は、イブン=ルシュド思想など西洋世界では知られていなかった哲学科学広がり可能にした数々大学のほか、美術にも富んでいた。建築では首都コルドバのメスキータ(大モスク)をはじめ、トレドのバブ・マルドゥム(フランス語版)や、カリフの都だったメディナ・アサーラザフラー宮殿)なども重要である。この時代傑出した建築として、ナスル朝によるグラナダアルハンブラ宮殿もある。西ゴート族さらにはローマモデルとした半円アーチフォルムスペイン建築の特色示しているが、同様に頻繁に使用される多弁形のアーチイスラーム時代典型的な特徴のようである。ミフラーブ小さな部屋として扱うのもスペイン特徴である。 工芸ではさまざまな技法凝らされた。アンダルスのウマイヤ朝北アフリカ進出にともない象牙入手しやすくなったことから象牙細工発展し精緻な箱や宝石箱カリフ一族など富裕層のために作られた。中でもムギーラの小箱フランス語版)が傑作であり、精緻な浮彫4つの場面が描かれているが、その図像の意味詳らかにはなっていない。 イスラーム世界ではどちらかと言えばであった大きな丸彫りフランス語版彫刻日の目を見た金属製丸彫り水盤噴水吐水口として、石製丸彫り例えアルハンブラ宮殿の「獅子噴水」の支えとして用いられた。 織物、特に絹は大部分輸出された。その多くの例が西洋教会宝物庫で、聖人たちの骸骨を包む布として再発見されている。焼き物では伝統技術駆使され、とりわけラスター彩化粧板や一連の「アルハンブラの壺」に用いられた。マグリブ人の諸王朝による支配受けてからは、彫刻彩色施され木工芸への趣味見られるうになる1137年のものとされるマラケシュクトゥビーヤ・モスクミンバル説教壇)はその最良例の1つである。 北アフリカ建築については、脱植民地化以降研究が行われなかったためあまり知られていないムラービト朝ムワッヒド朝は、装飾のない壁を持つモスクなどから窺い知れるような簡素さ探求特徴となっている。マリーン朝ハフス朝重要だがほとんど知られていない建築様式や、彩色彫刻象嵌施した木工芸生み出した西アフリカ初のイスラーム王朝マリ帝国首都トンブクトゥにジンガリベリ・ モスク英語版)(1327年)が建設された際には、アンダルス出身詩人建築家アブー・イスハーク・サーヒリー携わった日干し煉瓦泥塗という当地伝統的な工法使われている。 キリスト教諸王によるレコンキスタアンダルス徐々に征服され14世紀にはイスラーム王朝グラナダ首都とするナスル朝のみとなり、ナスル朝1492年まで存続した。レコンキスタキリスト教王朝支配下となった地域では、イスラーム教徒は税を払うことによって居住許された。建築ではイスラーム教徒中心にムデハル様式受け継がれ、特に12以降キリスト教徒宮廷聖堂邸宅用いられた。

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