御門之麻具波肥
- 『古事記』に諾冊二尊が美斗能麻具波比(みとのまぐはい)を為し給へりと云ふ事あり。「美斗」は御所(みと)(寝室)にて、「麻」はうまく、「具波比」はくひあひ(交接)の意なりと云ふ。
- 性交の古語。「まぐはひ」の条参照。「古事記」に「みとのまぐはひせんとのりたまひき」とあり。「南留別志」に「みとのまぐはひといふ詞、みとはめをとなり、夫婦といふ事なり、まくはひといふ詞今も田舎にてめぐすといふ也」と出づ。又「万代集」顕季「いかばかりみとのまぐはひ契りありて親のいさめにさはらざるらん」。「清輔集」に「契りおきししぢのはしがき見えねどもみとのまぐはひ月日へにけり」とあり久保盛丸氏「大生殖宗」に「ホトに因て必然起るべき現象はミトノマグハヒなりとす、浅薄野卑なる例の学者共は御殿にてうまく喰ひ合ふとか、ミトは御所にて夫婦の寝る床、マグは媾交即ち婚たり、ハヒは形容詞にて味はひのハヒ即ち寝床にて交接するの義なりと云へり、要するに事実は然らむも吾人に満足と安心と共鳴を与えず、此を希臘語のメタメミグマイ=互に一つとをらむ=即ち結合生殖を意味する平易明瞭の語を借用すれば何の労する所なくして解決すべし」とあり。
- 美斗能麻具波比。まぐはひ(※「まぐわい」)の条を見よ。〔情事語〕
- 「まくはひ」(※「まぐわい」)を見よ。『万代集』顕季「いかばかりみとのまぐはひ契りありて親のいさめにさはらざるらん」とあり、又『清輔集』には「契りおきししちのはしがき見えねともみとのまくはひ月のへにけり」とあり。
- 古語、男女の交接をいう。陰部が真に工合がよいの意。「マグワイ」参照。
分類 情事語
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