AirMac ベースステーション

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AirMac

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 13:46 UTC 版)

ベースステーション

初代 (グラファイト) AirMac Base Station

ベースステーションとは、AirMacを利用可能なコンピュータをインターネット、あるいは他のAirMac利用可能なコンピュータ、あるいは有線LAN、あるいはその他の装置へ接続するために使われる、いわゆるアクセスポイントの、AirMac シリーズ製品における通称である。2018年4月27日、全製品の在庫限りでの販売終了が発表された[5][6]

AirMac

グラファイトとして知られる初代AirMacベースステーションは、モデムポートおよびイーサネットポートを1つ備えている。これはルーセント製WaveLan PC Cardをベースにしており、組み込み型486プロセッサが使われていた。1999年7月21日に発売された。

デュアル・イーサネットまたはスノーとして知られる第二世代モデルは2001年11月13日に発表された。これは2つ目のイーサネットポートが追加され、有線および無線クライアントの両方と有線ネットワーク接続を共有することを可能にした。このモデルはモトローラPowerPC860プロセッサが組み込まれていた。

AirMac Extreme

AirMac Extreme

AirMacベースステーションは、2003年1月8日の、AirMac Extremeベースステーションの発表[7]後に生産が中止された。最高54Mbps にスピードアップされたワイヤレス接続の提供に加え、外部アンテナ・ポートおよびプリンター共有用のUSBポートが追加された。

アンテナポートは信号ブーストアンテナの追加を可能にし、USBポートはUSBプリンターの共有を可能にした。接続されたプリンターはBonjourの"Zero configuration"技術とIPPを通じ、ネットワーク上のすべての有線あるいは無線クライアントが利用できるようにされる。モデムおよび外部アンテナポートのない第2モデルが短期間提供されていたが、これは後述するAirMac Expressの登場後、生産中止された。

2004年4月19日、第3モデルが公開された。これはPower over Ethernet (PoE) をサポートし、つり天井の上のエリアのようなエア・ハンドリング・スペースでの安全な利用のための規格 UL2043(プレナム定格)に従っている。3つのモデルすべてが、Wireless Distribution System (WDS) 標準規格に対応する。

2007年1月9日、AirMac Extreme 802.11n (第 1 世代)[8] MA073J/Aが発表された[9]。筐体デザインが一新され、Mac miniと類似した形状の薄く四角いデザインとなり、LAN内向け有線LANポートが3ポート化された。ワイヤレス接続に関してはIEEE802.11n規格ドラフトに対応したことにより最大270Mbpsのデータ転送が可能となった(但し、2007年当初は国内法規により帯域幅は仕様上可能な上限の半分に制限されていた)。また、従来の AirMac製品との相互接続も可能である。その他、市販のUSB接続のハードディスクの共有機能も新たに取り入れられた。

なおMacのうち、IEEE 802.11n規格に対応するのはCPUIntel Core 2 Duoプロセッサを採用する製品(iMacの最下位モデルを除く)とAirMac ExtremeカードのあるMac Proに限られる。また、初期の製品については別途802.11n Enablerが必要となる。802.11n Enablerはベースステーションに同梱されるほか、Appleから1.99ドル(日本では250円)で提供される。

2007年8月7日、AirMac Extreme 802.11n (第 2 世代) MB053J/Aが発表された。有線LANポートがギガビット・イーサネット化された。

2008年3月20日、Firmware 7.3.1[10]とTime Machine Update[11]により、IEEE 802.11n対応機種が一見Time Machineへ対応したかに見えるが、実際には問題があり、サポート外の利用となる[12]。これまで同様に公式には対応していない[13]

2009年3月3日リリースのAirMac Extreme 802.11n (第 3 世代)[14] MB763J/Aでは、無線通信は2.4GHz帯と5GHz帯の双方の同時稼働が可能となった。

2009年10月20日リリースのAirMac Extreme 802.11n (第 4 世代) MC340J/Aでは、アンテナデザインの改良によりデータ転送速度が上がり通信範囲が広がった。

2011年6月21日、AirMac Extreme 802.11n (第 5 世代) MD031J/Aがリリースされた。チャンネルボンディングとMIMOの双方を利用することで最大450Mbpsのデータ転送が可能となった。2023年7月現在、Firmware 7.8.1(2019年6月20日リリース)が最終となっている[15]

2013年6月11日、筐体を縦型に刷新したAirMac Extreme 802.11ac ME918J/Aがリリースされた[16]IEEE 802.11acに対応し、チャンネルボンディングと3x3 MIMO、ビームフォーミングアンテナを利用することで最大1.3Gbpsのデータ転送が可能となった[17]SoCには、ARM Cortex 9を採用したブロードコムのBCM53019が利用されている[18]。2021年6月現在、Firmware 7.9.1(2019年5月30日リリース)が最終となっている[19]

AirMac Express

AirMac Express ベースステーション

AirMac Expressは2004年6月7日にAppleより発表された。AirMac Extremeをシンプルかつコンパクトにしたベースステーションであるが、AirMac Extremeベースステーションに取って代わるものではない。

AirMac ExpressはWDSブリッジングの利用によって既存のAirMac Extremeネットワークの範囲を拡張するためにしばしば用いられる ([3])。

AirMac Expressの主要なプロセッサはBroadcom社製BCM4712KFBワイヤレス・ネットワーキング・チップセットである。これは200MHz MIPS プロセッサが組み込まれている。オーディオはテキサス・インスツルメンツ社製PCM2705 デジタル/アナログ・コンバータによって処理されている。

最大の特徴として、AirTunes(後のAirPlay ストリーミング)と呼ばれる新機能を持ち、アナログ/光オーディオ・ミニジャック出力、プリンター共有用のUSBポート、1個のイーサネットポートを内蔵する。

AirTunesは、iTunesに登録された音楽データの再生時に、AirMac Expressに接続されたスピーカーへ音楽を無線にてストリーミングで配信する。また、iPhoneiPadiPod touchのAirPlayストリーミングにも対応しており、AirMac Expressと同じネットワーク内であれば、端末から音声を再生することも可能。

さらに、Macの機器セットによる有線LAN接続でのストリーミング配信やMacとの同時再生も可能であり、この同時再生機能と有線LAN接続を逆手に取ることで、iTunesをインストールしたMacまたはPCから音声出力した際に音質が向上する触媒作用の機能を持つ。

USBポートは主にプリンターとの接続であるが、他の使い方はKeyspan製USB接続型赤外線リモコンを使用してAirTunesを制御する事である。外付けHDDとの接続には対応していない

イーサネットポートはルーターとの接続で、無線LANの親機にも子機にもすることが出来る。100BASE-T規格で、いわゆるギガビット・イーサネットには対応していない

2008年3月17日、IEEE 802.11nドラフト2.0に対応したAirMac Expressが発表された[20]

2012年6月12日、IEEE 802.11nデュアルバンドに同時に対応するAirMac Express 802.11n (第 2 世代) [21]が発表された[22]。デザインがApple TVとほぼ同じ形となり、電源は付属するメガネ型ケーブルを使う。また、イーサネットポートは新たにWANポートとLANポートの2個に増えたが、ギガビット・イーサネットには非対応である。AirMac Expressには"ワイヤレスネットワークを拡張"または"ワイヤレスネットワークに接続"の接続方法が選択できるが、後者の方はAirPlayやプリンターの共有は利用できるものの、無線LANの拡張や背面のLANポートは利用できない。AirMacシリーズの中で唯一AirPlay 2に対応しており、1台の再生端末から複数のAirPlay 2端末で音楽をストリーミング再生をすることが可能である[23]。2023年7月現在、Firmware 7.8.1(2019年6月20日リリース)が最終となっている[15]

AirMac Time Capsule


  1. ^ a b アップル、AirMac製品の製造終了。ハードとソフトのサポートは今後も継続”. Engadget 日本版 (2018年4月28日). 2018年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月15日閲覧。
  2. ^ [1]
  3. ^ http://www.apple.com/jp/airmac-extreme/specs/ 2014年4月29日閲覧
  4. ^ Apple Abandons Development of Wireless Routers
  5. ^ AirMac Extreme”. Apple(日本). 2018年4月27日閲覧。
  6. ^ AirMac Express”. Apple(日本). 2018年4月27日閲覧。
  7. ^ [2]
  8. ^ AirMac Extreme 802.11n (第 1 世代) - 技術仕様
  9. ^ アップル、802.11n対応の新しいAirMac Extremeを発表
  10. ^ Time Capsule and AirPort Base Station (802.11n) Firmware 7.3.1
  11. ^ Time Machine and AirPort Updates v1.0
  12. ^ Time Machine via AirPort Disk Is Unsupported, Apple Says
  13. ^ Mac OS X 10.5: Time Machine を使って AirMac ディスクにバックアップできない
  14. ^ AirMac Extreme 802.11n (第 3 世代) - 技術仕様
  15. ^ a b AirMac ベースステーション ファームウェア・アップデート 7.8.1 について (日本)”. support.apple.com. 2023年7月15日閲覧。
  16. ^ Appleが次期OSのOS X MavericksとiOS 7を公開
  17. ^ AirMac Extreme 802.11ac - 技術仕様
  18. ^ AirPort Extreme A1521 Teardown” (英語). iFixit (2013年6月12日). 2021年6月24日閲覧。
  19. ^ AirMac ベースステーション ファームウェア・アップデート 7.9.1 のセキュリティコンテンツについて”. Apple Support. 2021年6月24日閲覧。
  20. ^ アップル、802.11n対応の新しいAirMac Expressを発表
  21. ^ AirMac Express 802.11n (第 2 世代) - 技術仕様 - Apple サポート
  22. ^ アップル、Ivy Bridge搭載になった「MacBook Air/Pro」 - PC Watch
  23. ^ AirPlay のシステム条件 - Apple サポート


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