道州制 道州制の概要

道州制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 20:14 UTC 版)

日本では、現行の都道府県よりも広域な行政区分として「」と「」を新たに設ける構想を指す[注釈 1][注釈 2]。各道州には、現在の都道府県よりも大きな地方自治権を与える[注釈 3]。単に広域自治体の名称と規模を変えるにとどまらず[注釈 4]国家中央政府が持つ権限財源を各地方へ移譲することで、地方分権型の社会を目指す構想である[1]

日本の道州制の構想が、日本における連邦制の実現を目指すレベルなのか、それより低いレベルでの地方分権の改革に留まるのかというのは議論・論者によって異なる。なお、現状で「道」と「州」を共に置く国家はないが、日本での道州制に関する議論において他国の地方自治制度について言及される場合、連邦制の国家を指して「道州制」という表現が用いられることがある(後述)。


  1. ^ ほかに「都」「府」などの名称が提案されることもある。多くの案においては「北海道」はそのまま「道」として存続するため、「州制」ではなく「道州制」と称される。
  2. ^ a b 2006年12月に成立した道州制特区推進法では、北海道沖縄県を除いて「3県以上からなる地方ブロックの全県で構成」という道州の規模基準が、具体的に記載されている。
  3. ^ 各道州の役割や経済規模は、欧州連合の小国程度を目指すとされる。
  4. ^ 俗に『平成の廃藩置県』『廃県置州』と称されることがある。
  5. ^ 歴史的由来による差異が地方自治法施行以前にはあった。詳細は都道府県#歴史を参照
  6. ^ 例えば、2015年(平成27年)国勢調査によると、常住地による就業者・通学者数のうち市外で就業・通学する者の人口、及び従業地・通学地による就業者・通学者数のうち市外から通勤・通学する者の人口についての双方とも、大牟田市については荒尾市が、荒尾市については大牟田市がそれぞれ最も多くなっている。
  7. ^ たとえば京都市は、永きにわたって日本国家の首都の座を保持していた(日本の首都についての議論は「日本の首都#多様な首都の認識」の項を参照)。
  1. ^ 政府の道州制に関する議論はどこまで進んでいるのでしょうか。また、地方分権との関係はどうなっているのでしょうか。(平成21年3月12日)”. 首相官邸. 内閣官房内閣広報室 (2009年3月12日). 2021年10月6日閲覧。
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  34. ^ 「道州制」仙台市民の意識調査”. 東日本リサーチセンター. 2008年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。 ただし、調査対象の75%の市民が道州制に関心を持っておらず、道州制の認知度も「知らなかった」が55.9%で最も多く、「道州制の言葉だけは見聞きしたことがある」が29.9%と、枠組みの良し悪しの判断材料となる情報も浸透していない。
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  36. ^ 北日本新聞社 県政世論調査[リンク切れ]賛成8.0%、どちらかといえば賛成12.9%、どちらかといえば反対23.4、反対18.8%、分からない31.9%、無回答5.0% 2007年8月に1200人を対象に調査
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  47. ^ 読売新聞 2007年1月5日付記事より。
    「関門特別市」を創設する意義について、「道州制の話もあり、新たな枠組みを議論する時期に来ている」と、末吉興一・北九州市長(当時)が発言し、「道州制で両市が分断されることに危機感を持っている」と、江島潔・下関市長も発言している。しかし、「下関が小倉に呑み込まれてしまう」と危惧する声も、とりわけ下関に根強い。これらの詳細は 関門通信 2007年2月28日付記事 も参照すること。
    なお、「熱論・合州国家日本」に掲載されている平松守彦・前大分県知事の「九州府」の区割り案は、関門海峡で線引きされている。
  48. ^ 福岡県庁 (2006年10月24日). “九州地域戦略会議『道州制に関する答申』” (PDF). 2010年4月30日閲覧。
  49. ^ a b 福岡・高島市長「道州制になればいい」 九州での導入に前向き”. 西日本新聞ニュース. 2020年12月28日閲覧。
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  52. ^ 平松守彦; 大前研一、江口克彦『「熱論」合州国家・日本』PHP研究所、1998年。ISBN 4569602339 
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  63. ^ 松本英昭監修、地方自治制度研究会編『道州制ハンドブック』ぎょうせい、2006年、56頁
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  68. ^ 山陰中央新報 2007年9月27日付 「出先機関廃止にゼロ回答 省庁側『国の責任』主張」
  69. ^ 北日本新聞 (2007年1月21日). “財政力格差、拡大の恐れ 道州制導入で県試算”. 2007年9月13日閲覧。






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