湿球温度 断熱的湿球温度

湿球温度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 04:25 UTC 版)

断熱的湿球温度

断熱的湿球温度 (adiabatic wet-bulb temperature) とは空気塊の気圧を下げることによって飽和になるまで断熱的に冷却し、その後、湿潤断熱過程で元の気圧まで圧縮したときの空気塊の温度である。このような冷却は空気塊の高度が上昇するにつれて気圧が下がる過程で起こり得る。偽湿球温度 (pseudo wet-bulb temperature) と呼ばれることもある。

上述の「熱力学的湿球温度」も断熱過程の中で達せられる値であるため、これを「断熱的湿球温度」と混同する向きもあるが、この記事で述べているとおり定義が異なる。

「定圧的な湿球温位と断熱的な湿球温位の関係はとても理解しづらい。しかしながら、両者を比較すると稀に十分の数℃異なることがあり、未飽和の空気の場合、断熱的湿球温度の方が常に小さい。このことは実際上は無視されることが多い。」[3]

生存の限界の暑さ

人類にとっての生存の限界の暑さは湿球温度35°Cとされ、それ以上の環境では健康な若者でも6時間ほどいると死に至るといわれる。2020年現在では湿球温度35°Cに到達した地域は極めて少ないが、ペルシャ湾岸では2015年頃以降、短時間ながらもこれに到達する事態が既にしばしば発生している。地球温暖化の影響により、世界的に夏の暑さが厳しくなる傾向にあり、21世紀中に夏の暑さがこれに到達する地域が急増すると予測され、南アジアや中東、中国の華北の辺りなどもこれに到達する日が本格的に出現するのが比較的早いと予測されている。

脚注

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関連項目

外部リンク




  1. ^ AMS glossary
  2. ^ VanWylen, Gordon J; Richard E. Sonntag (1973). Fundamentals of Classical Thermodynamics. John Wiley and Sons. p. 448 
  3. ^ NWSTC Remote Training Module; SKEW T LOG P DIAGRAM AND SOUNDING ANALYSIS; RTM - 230; National Weather Service Training Center; Kansas City, MO 64153; July 31, 2000


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