断熱過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 14:46 UTC 版)
概要
エントロピーは断熱過程における不可逆性を特徴付ける状態量であり、系が断熱的に状態を遷移する前後でのエントロピーの変化は
瞬間的な圧縮では熱が殆ど移動しないため、断熱圧縮で温度が上昇する。この原理を利用した発火装置として圧気発火器がある。この装置は密閉したシリンダにピストンが入った構造をしており、ピストンでシリンダ内の空気を急激に圧縮することで温度が上昇して火口に火をつける。東南アジアなどで用いられていたほか、アクリルやガラスなど透明の筒で内部の発火を確認できる実験観察用の圧気発火器も存在する。ディーゼルエンジンでは燃料の点火に用いている。大気圏(再)突入で宇宙機が加熱されたり隕石などが燃え尽きる現象も周囲の空気の断熱圧縮による温度上昇の影響が大きな割合を占め、しばしば用いられる空気との摩擦のみを温度上昇の原因とする説明は、その割合はゼロではないものの、間違いと言える。
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