準静的断熱過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 01:36 UTC 版)
準静的過程では系が常に平衡にあるとみなされるため、系の変化の無限小の極限をとることができて状態量の微分を考えることができる。特にエントロピーの微分 dS は無限小の過程で系に流入する無限小の熱 d'Q と d ′ Q = T d S {\displaystyle d'Q=T\,dS} で関係付けられる。準静的な断熱過程では d S = d ′ Q T = 0 {\displaystyle dS={\frac {d'Q}{T}}=0} であり、積分によりエントロピーの変化もない。したがって準静的断熱過程は可逆である。このため等エントロピー過程と呼ばれることもある。 準静的断熱過程と準静的等温過程からなる熱力学サイクルであるカルノーサイクルは、熱機関の熱効率の理論的な上限を与え、熱力学の理論構成によっては熱力学温度やエントロピーの定義とも密接に関わる重要な役割を果たす。
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