断熱過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 14:46 UTC 版)
断熱火炎温度
アセチレンの燃焼
- C2H2 + (5/2) O2 → 2 CO2 + H2O
を考える。アセチレン1 molに対し、二酸化炭素2 mol、水1 molが生成する。燃焼前のガスの温度をT0 = 25 °C = 298.15 Kとすると、標準燃焼熱は ΔcH (T0) = -1256.8 kJ/molである。
定圧熱容量CP は温度に対し線型に変化し、CP = a + b T と表せると仮定する。さらに系外に熱は出ていかないとみなすと、
となるから、
を得る。したがって、係数a , b が分かれば炎の温度T が計算できる。
ここで係数は下記の表から、CP = 2CP(CO2(g)) + CP(H2O(g)) の関係を用いて求める。実際に計算すると、
- a = 2×a(CO2(g)) + a(H2O(g)) = 82.36 JK-1mol-1
- b = 2×b(CO2(g)) + b(H2O(g)) = 0.09661 JK-2mol-1
- c = ΔcH(T0) - (b/2)T02 - aT0 = -1285691 Jmol-1
- √D = 505.18 JK-1mol-1
より、
- T = 4377 K ≒ 4100℃
つまりアセチレンの炎は約4100 °Cであると分かる。
気体の熱容量の温度依存性
CP = a + b T の場合
物質 | a/JK-1mol-1 | b/10-3JK-2mol-1 |
---|---|---|
O2(g) | 25.72 | 12.98 |
H2O(g) | 30.36 | 9.61 |
CO2(g) | 26.00 | 43.5 |
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