持株会社 日本における持株会社の規制と解禁

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持株会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 01:44 UTC 版)

日本における持株会社の規制と解禁

日本では持株会社の定義は会社法には無く私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法。以下「独禁法」)にある[1]

独禁法第9条第4項では、「子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の、当該会社の総資産の額に対する割合が百分の五十を超える会社」を持株会社と定義している。

日本では、戦前の財閥本社が純粋持株会社の形態を採っていた。しかし、戦後に制定された過度経済力集中排除法によって財閥解体が行われ、また独禁法により、持株会社たる会社の設立及び既存の会社の持株会社化が禁止された。

1997年の独禁法改正により、日本においても純粋持株会社の設立が解禁された[10]。これは金融ビッグバンの一環として行われたものであった。

また、銀行法は、銀行を傘下におく持株会社(銀行持株会社)についても認可を必要としており、そのため銀行法上の持株会社を「子会社(国内の会社に限る。)の株式等の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の総資産の額(内閣府令で定める方法による資産の合計金額をいう。)から内閣府令で定める資産の額(内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。)を除いた額に対する割合が百分の五十を超える会社をいう。」(第2条第12項)と定義している。

解禁後の設立第1号は、同年に株式会社神戸セントラル開発が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社ダイエーホールディングコーポレーションである(その後、同社はダイエーグループの経営悪化により2001年に解散)。[要出典]

上場企業においては、1999年4月に大和證券株式会社が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社大和証券グループ本社が第1号であり、大和総研はこれを「日本国内初の純粋持株会社化」としている[10]

近年は複数企業の経営統合において、それら複数企業の共同出資により共同持株会社を設立し、両社がその子会社となったのちに、合併などの再編を行う事例が多くなっている[注 3]。また、持株会社と子会社が合併して事業会社とする事例も出ている[注 4]


注釈

  1. ^ 「ホールディング」とは保持、保有を意味する。
  2. ^ JFEホールディングスを"JFE HD"と略す例: [7]
  3. ^ 明治ホールディングスENEOSホールディングスなど。
  4. ^ エディオンKADOKAWAマルハニチロなど。
  5. ^ データ通信事業をエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社(現:NTTデータグループ)、自動車電話・携帯電話・ポケットベル等の事業をエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現:株式会社NTTドコモ)、県内通信事業を完全子会社の東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社、県間通信事業等を完全子会社のエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に、それぞれ譲渡。
  6. ^ ウオッチ事業をセイコーウオッチ株式会社[12]に譲渡。
  7. ^ グループ経営管理事業を除く一切の事業を日本テレビ放送網株式会社に譲渡。
  8. ^ テレビ事業はTBSテレビへ、ラジオ事業はTBSラジオ&コミュニケーションズへ移管。
  9. ^ テレビ放送事業を株式会社フジテレビジョンへ譲渡。
  10. ^ イオンリテール光洋マックスバリュ長野等の地域法人・イオントップバリュなどの専門企業・コックス等の専門店担当会社へ移管。

出典

  1. ^ a b 發知敏雄、大谷隼夫、箱田順哉『持株会社の実務第7版』東洋経済新報社、2015年、2頁。 
  2. ^ 証券用語解説集 持株会社(もちかぶがいしゃ) 野村證券、2022年11月4日閲覧。
  3. ^ 伊藤靖史他『会社法』有斐閣、2009年、368頁
  4. ^ 持株会社化の論点(1) 企業価値評価・算定のプルータス・コンサルティング公式サイト
  5. ^ ホールディングス【holdings】の意味 goo国語辞書、2019年10月1日閲覧。
  6. ^ セブン&アイ・ホールディングスHP左上に「HLDGS」の表記”. セブン&アイ・ホールディングス. 2020年5月31日閲覧。
  7. ^ [JFE HD]システム基盤のセキュリティも高め、技術情報を守る”. 株式会社日経BP. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月29日閲覧。
  8. ^ グループ の意味 goo辞書、2019年10月1日閲覧。
  9. ^ ほん‐しゃ【本社】の意味 goo辞書、2019年9月29日閲覧。
  10. ^ a b 持株会社化 大和総研
  11. ^ a b c d e f 發知敏雄、大谷隼夫、箱田順哉『持株会社の実務第7版』東洋経済新報社、2015年、151-152頁。 
  12. ^ セイコーウオッチ株式会社


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