図書館 図書館資料

図書館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 19:46 UTC 版)

図書館資料

図書館資料(library material)とは、図書館が収集対象とする全ての資料のこと[19]

書籍雑誌新聞などの逐次刊行物が中心である。大学図書館などの専門性の高い図書館では、歴史的な文献などをマイクロフィルムに記録し保存している。

20世紀後半からは、ビデオテープやDVDCDなどの電子媒体によって提供される視聴覚資料や縮刷版も提供されるようになった。漫画も許容されるようになった。

図書館資料は時代とともに拡大されているが、図書館の自由と公共の福祉との折り合いが難しい事例も発生している。

日本の図書館に関する法律や規則

図書館法第2条では、「「図書館」とは、図書、記録、その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するとこを目的とする施設」[20]であると定義されている。

設置

図書館は種類によって、設置の根拠となる法律が異なる。

公立図書館、民法上の公益法人または日本赤十字社が設置する私立図書館は、図書館法により規定されている[21]。図書館法は、公共図書館における専門的職員の資格として司書、司書補を規定している[22]

大学図書館は文部科学省令である大学設置基準・短期大学設置基準に規定されており、設置が義務づけられている[23]。「必要な専門的職員その他の専任職員」を置くことが規定されている[23]

都道府県教育委員会または市町村教育委員会もしくは学校法人が設置する学校に設置される学校図書館は学校図書館法により規定されており、設置の義務がある[23]。図書館ではあるが、著作権法31条の適用外であるため、資料の複写は許されていない。認定こども園を含む幼稚園の図書室幼稚園設置基準により規定されており、努力規定である。また単なる図書室であって図書館ではない。

国立国会図書館東京本館、国立国会図書館関西館および国立国会図書館国際子ども図書館ならびに国立国会図書館が司法、行政各部に設置する支部図書館は、国立国会図書館法に規定されている。

このほかに特定の職種を対象とした図書館にも根拠法がある。たとえば船員図書館港湾法に基づく福利厚生のための図書館である。

図書館をめぐる法の歴史

近代の日本における図書館関連の旧法令としては図書館令公立図書館職員令改正図書館令が挙げられる。

1933年(昭和8年)に公布された改正図書館令第10条では「地方長官ハ管内ニ於ケル図書館ヲ指導シ其ノ聯絡統一ヲ図リ之ガ機能ヲ全カラシムル為文部大臣ノ認可ヲ受ケ公立図書館中ノ一館ヲ中央図書館ニ指定スベシ」と規定され、帝国図書館の指導監督の下に各府県に1つの中央図書館が指定された。中央図書館の役割は、貸出文庫の設置、図書館調査・指導、目録の編集・配布、機関誌の発行、物品の共同購入の斡旋、郷土資料の収集などであった[24]1948年には国立国会図書館法が、1950年昭和25年)図書館法が成立した[21]。図書館法の成立により制度としての中央図書館は廃止された。1953年には学校図書館法が定められた[21]

その他

  • 日本の図書館は厚生労働省によって特定建築物に指定されており、図書館施設の環境衛生などに関する義務規定がある。また公益法人である日本図書館協会図書館員の倫理綱領などを定めている。
  • 建築基準法による用途規制により、図書館は12種の用途地域のうち工業専用地域には建設できない。その他の11種の用途地域には建設できる。
  • 図書館を建築する目的で行う開発行為(主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更)は、通常開発行為に必要とされる都道府県知事の許可を得ずに行うことができる。

図書館の設備

図書館には、開架式図書館閉架式図書館がある。

一般的な開架式図書館の場合、室内に書架が並んでいる。書架には書籍などがブックエンドで仕切られて収納されており、利用者は自由に手にとり閲覧することができる。書架に並べきれない書籍や貴重な資料は書庫に収納されている。書架の近くにはレファレンスルームが設けられている場合もある。高い位置にある図書を手にとるために、脚立やキックステップなどの踏み台が設置されていることもある。出入り口付近のカウンターには司書などの図書館員が常駐し、貸出やレファレンス対応のサービスを行っている。建物の外には、開館時間外の図書館資料返却に対応するためにブックポストが用意されている。

蔵書の検索やインターネット上のWebページなどの閲覧ができる端末を備える図書館、館内資料の自動貸し出しシステムや消毒装置を持つ図書館もある。また、貸出処理をしていない資料の持ち出し防止のために、図書館の出入り口にはブックディテクションシステムが設置されていることが多い。


  1. ^ 清水 2014.
  2. ^ メノカル 2005, pp. 30–32.
  3. ^ a b c 石川徹也,根本彰,吉見俊哉 編 2011, p. 5.
  4. ^ a b History of Library Developments in China”. IFLA. IFLA. 2021年3月5日閲覧。 p3-4
  5. ^ International dictionary of library histories, 169ページ
  6. ^ 第16回MULU定例茶話会「宮城の図書館のルーツを学ぶ:青柳文庫ビブリヲバトル」参加記
  7. ^ 佐々木隆木下直之鈴木淳宮地正人 『ビジュアル・ワイド明治時代館』小学館、2005年12月、264頁。 
  8. ^ 柴田和夫 『「北の丸」第2号の「国立公文書館所蔵明治初期建白書について」』国立公文書館、1976年、3-21頁。 
  9. ^ 佐々木 亨、亀井 修、竹内 有理 『新訂 博物館経営・情報論』放送大学教育振興会、2009年、195頁。ISBN 978-4-595-30826-0 
  10. ^ 宮部頼子 編 2012, p. 13.
  11. ^ 宮部頼子 編 2012, p. 13-14.
  12. ^ a b 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会 編 『図書館情報学会用語辞典』(第3版)丸善、2007年、17頁。 
  13. ^ a b 小黒浩司 編著 2018, p. 2.
  14. ^ a b 小黒浩司 編著 2018, p. 2-4.
  15. ^ 小黒浩司 編著 2018, p. 4.
  16. ^ 小黒浩司 編著 2018, p. 4-5.
  17. ^ a b c 小黒浩司 編著 2018, p. 6.
  18. ^ 障害者サービスについて 京都市図書館
  19. ^ 宮部頼子 編 2012, p. 10.
  20. ^ 図書館法第2条
  21. ^ a b c 石川徹也,根本彰,吉見俊哉 編 2011, p. 6.
  22. ^ 石川徹也,根本彰,吉見俊哉 編 2011, p. 6-8.
  23. ^ a b c 石川徹也,根本彰,吉見俊哉 編 2011, p. 8.
  24. ^ 三重県総合教育センター 編 編 『三重県教育史 第二巻』三重学校生活協同組合、1981年3月30日、1019頁。 全国書誌番号:82025909
  25. ^ 日本図書館協会. “日本の図書館統計 公共図書館集計(2014年) (PDF)”. 2015年8月29日閲覧。
  26. ^ 日本図書館協会. “日本の図書館統計 大学図書館集計I(2014) (PDF)”. 2015年8月29日閲覧。
  27. ^ なぜ、山梨県は「長寿」なのか?AIの分析でわかった衝撃の理由





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