二進法 二進法の概要

二進法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 07:37 UTC 版)

記数法

二進法で表された数

を底とする位取り記数法二進記数法または単に二進法と呼ぶ。二進法による数の表示は、一の位を k = 0 とし添字 k で位の位置を表し、位の値を dk ∈ {0, 1} で表せば、以下のように書ける:

これは以下の総和の略記と見なせる:

例えば十進法における 21.25 は二進法において、

と表される(添字の 2 は二進表記であることを示す)。負の数は一般的な記数法と同じく、負号をつけて表す(例:−10101.012)。

十進法など一般の位取り記数法と同様に、二進法においても小数部が有限の長さとなる数は一部の有理数に限られ、また円周率のような無理数を厳密に表すことはできない。二進法の場合、有理数を表す既約分数について、分母が2の冪ならば有限小数として書けるが、そうでないならば有限小数としては書けない。例えば十進法では 1/5 を有限小数 0.2 で表せるが、二進法では循環小数 0.00112 = 0.00110011…2 で表さなければならない。

デジタル機器での使用

電子式コンピュータ電子回路などのデジタル回路(デジタル論理回路)、磁気ディスク等の記憶メディアでは、電圧の高低、磁極の N/S など、物理現象を二状態のみに縮退して扱う(離散化などと言う[注 1])ので、それに、真と偽の2つの値(2値の真理値)のみを使用する二値論理(しばしば、電子的には HL、論理的には TF という記号が使われる)をマッピングする。更にそこで数値を扱うには、それに「01」の二進法をマッピングするのが最適である。

多くの応用で見られるように数が有限の場合は、数学的に言うなら「有理数の部分集合」が表現されているわけであるが、通常は「有限精度の実数」が表現されていると解釈される。このため、コンピュータやデジタル機器は二進数が使用される。

また、八進法十六進法三十二進法は同じく2の冪を底とするためしばしば利用される。

負数の扱い

ビット列によって負の数の値を表すため広く用いられる方法の一つとして、2の補数表現がある。2の補数表現は、n 桁のビット列の最上位ビットの重みを +2n−1 ではなく −2n−1 とするものである。2の補数表現は、そのビットパターンが、加減(及び、乗)の演算において特別な処理が不要なものになる、という特長を持つ。ただし、溢れ(オーバーフロー)の扱いが違ってくる(これは、例えばx86プロセッサにおける、キャリーフラグとオーバフローフラグの違いのことである(ステータスレジスタ#キャリーとオーバーフローを参照))。


注釈

  1. ^ 量子化とも言うが、量子物理におけるいわゆる量子のような意味(重ね合わせ状態など)ではない。

出典

  1. ^ Gordon, Raymond G., Jr., ed. (2005), “Kiwai, Southern”, Ethnologue: Languages of the World (15 ed.), http://www.ethnologue.com/show_language.asp?code=kjd 2008年3月12日閲覧。 
  2. ^ Gordon, Raymond G., Jr., ed. (2005), “Sissano”, Ethnologue: Languages of the World (15 ed.), http://www.ethnologue.com/show_language.asp?code=sso 2008年3月12日閲覧。 
  3. ^ a b Lean, Glendon Angove (1992). “TALLIES AND 2-CYCLE SYSTEMS”. Counting Systems of Papua New Guinea and Oceania. Ph.D. thesis, Papua New Guinea University of Technology. オリジナルの2007年9月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160304132322/http://www.uog.ac.pg/glec/thesis/ch2web/ch2.htm 
  4. ^ Gordon, Raymond G., Jr., ed. (2005), “Melpa”, Ethnologue: Languages of the World (15 ed.), http://www.ethnologue.com/show_language.asp?code=med 2008年3月12日閲覧。 
  5. ^ a b ライプニッツ『ライプニッツ著作集 10 中国学・地質学・普遍学』下村寅太郎ほか 監修、工作舎、1991年、p12。
  6. ^ Sanchez, Julio; Canton, Maria P. (2007), Microcontroller programming : the microchip PIC, Boca Raton, Florida: CRC Press, p. 37, ISBN 0-8493-7189-9 
  7. ^ W. S. Anglin and J. Lambek, The Heritage of Thales, Springer, 1995, ISBN 0-387-94544-X
  8. ^ Bacon, Francis (1605), The Advancement of Learning (英語), vol. 6, London, Chapter 1
  9. ^ Claude E. Shanon (1937), A Symbolic Analysis of Relay and Switching Circuits, Massachusetts Institute of Technology, Dept. of Electrical Engineering, http://hdl.handle.net/1721.1/11173 






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