ロシア・アヴァンギャルド ロシア・アヴァンギャルドの概要

ロシア・アヴァンギャルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/02 08:22 UTC 版)

マレーヴィチの作品『冬』(1909年
ナタリア・ゴンチャロワの作品『Велосипедист(Cyclist)』(1913年
ポポーワの作品『ピアニスト』(1914年)
マレーヴィチの作品『シュプレマティスム』、1916年-1917年作(Krasnodar Museum of Art、クラスノダール
タトリン第三インターナショナル記念塔ロシア語版英語版1919年
マヤコフスキーの手がけたポスター
「寒いのは嫌だろう。飢えたくもないだろう。食ってみたいだろう。一杯飲りたいだろう。──だから直ぐにでも突撃作業班(ウダルニク)に加われ」というコピーがマヤコフスキーの作
リシツキーの作品『プロウン(Proun)』(1922年作成、MOMA
シューホフの設計したモスクワのラジオ塔(1922年)
エイゼンシュテインの映画『戦艦ポチョムキン』の虐殺シーン(1925年

歴史

第一次世界大戦前の初期においてはキュビスム1907年)、未来派1909年)、ネオ・プリミティヴィスム英語版1913年)など、同時代のモダニズム運動との共通性が顕著であった。1909年ミハイル・ラリオーノフダイヤのジャック1909年 - 1911年)、1912年ロバの尻尾1912年 - 1913年)を結成。1913年の展覧会「標的展」における立体未来主義まではロシア・アヴァンギャルド以前に分類する考え方もある。ロシア・アバンギャルドには「構成主義」「ロシア未来主義」「キューボ・フューチャリズム」「ネオ・プリミティズム」なども含まれる[1][2][3][4]

立体未来主義ザーウミと呼ばれる詩人が個人的に創作した言語によって詩などを創作した。ヴェリミール・フレーブニコフアレクセイ・クルチョーヌイフカジミール・マレーヴィチ[5]などがいる。第一次世界大戦中に、次第にカジミール・マレーヴィチに代表されるシュプレマティスム1915年)が台頭、ロシア特有の芸術運動となる。

1917年ロシア革命後は表現上の革新と政治革命が相互作用。干渉戦争戦時共産主義期間には純粋芸術においてのみならず、プロパガンダ・アートの分野(ビラ、ポスター、宣伝列車等)で利用された。1918年にはスヴォマス英語版Свомас)が設立される。ウラジーミル・タトリン等に代表されるロシア構成主義1919年)が台頭。

1920年代にはレーニンが主張していたネップ(一部市場経済化容認)期においては芸術と生活そして社会主義的な産業化のトリアーデの一致をめざす様々な分野(建築、プロダクトデザイン、写真、映画等)で、その可能性を開花させた。受容の側面に関して言えば、都市労働者を支持基盤とする当時のロシア共産党の実情ならびにネップ政策との関連で、モダニズムから派生したアヴァンギャルド芸術は当局からも支持された。1920年には、スヴォマスが改組され、ソ連の高等芸術学校ヴフテマスが設立される。1923年ウラジーミル・マヤコフスキーレフ (ロシア・アヴァンギャルド)を結成。

1929年の農業集団化にはじまる一連の上からの革命を契機とした、ヨシフ・スターリンの「文化革命」による政治的な抑圧(「フォルマリズム批判」)、難解さに起因する農民を中心とする一般大衆の社会的な支持の欠如、芸術運動そのものの内在的いきづまり等の諸要因の複合により、1930年代に終息した。

詩・文学


  1. ^ Hatherley, Owen (2011年11月4日). “The constructivists and the Russian revolution in art and achitecture” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/artanddesign/2011/nov/04/russian-avant-garde-constructivists 
  2. ^ Cubo-Futurism art movement Retrieved 2 May 2023
  3. ^ Douglas, Charlotte. “The New Russian Art and Italian Futurism”. Art Journal 34 (3): 229–239. doi:10.2307/775994. ISSN 0004-3249. JSTOR 775994. 
  4. ^ A Revolutionary Impulse: The Rise of the Russian Avant-Garde The Museum of Modern Art Retrieved 2 May 2023
  5. ^ http://www.theartstory.org/artist-malevich-kasimir.htm
  6. ^ 例として交響曲第2番が挙げられる
  7. ^ ロシアの演劇ー起源、歴史、ソ連崩壊後の展開、21世紀の新しい演劇の探求. 生活ジャーナル. (2013) 
  8. ^ ヌクス美術館・イゴール・サヴィツキー・コレクションヌクス美術館ヌクス カラカルパクスタン共和国 ウズベキスタン
  9. ^ ロシア・アバンギャルド建築 2 May 2023閲覧


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