ベン・ハー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 06:22 UTC 版)
出版物
- 原書初版: Ben Hur: A Tale of the Christ (New York: Harper & Brothers)、1880年
- 省略版 : The definitive modern abridgment.(New York: Bantam Books)、1956年
- 日本語訳:
- 『星をめあてに』、松本赴訳、警醒社書店、1916年、全746頁[16]。
- 『ベン・ハー : 圧制・闘争・栄光』松本恵子訳、英宝社、1951年、全294頁[17]。
- 『ベン・ハー』白石佑光訳、新潮社〈新潮文庫〉、1960年、全328頁[20]。「バンタム版の省略本を底本にした自由訳」[5]。
- 『ベン・ハー』飯島淳秀訳、角川書店〈角川文庫〉、1960年、全280頁[21][22]。
- 『ベン・ハー : キリストの物語』、辻本庸子、武田貴子訳、松柏社〈アメリカ古典大衆小説コレクション 1〉、2003年、全593頁、ISBN 477540024X[23][24]。
漫画
藤子不二雄の2度の漫画化構想
藤子不二雄は1951年12月に高校3年でプロデビューしたが(新聞連載『天使の玉ちゃん』)、藤子不二雄の1人・藤本弘は、それよりも前から『ベン・ハー』の漫画化を構想していた。緻密なキャラクター設定を含む構想ノートが70枚以上残されている[26]。
1952年の高校卒業時の春に宝塚市の手塚治虫邸を訪問し手塚と初対面した際に、藤子は『ベン・ハー』の漫画原稿を数枚持参している。手塚はNHKの『藤子不二雄ショー』にゲスト出演した際に「そのときは『上手だ』とほめたけれども、彼らが帰ったあと、その日は(驚嘆のあまり落ち着いて)描けやしませんよ。『すごい新人が現われたなあ』と驚きました」と述懐している[27]。
藤子は手塚の紹介で出版社から単行本を依頼され、富山で長編漫画を執筆し、1953年7月に『UTOPIA 最後の世界大戦』を上梓して単行本デビューを果たす。すぐに同じ出版社から次作の単行本描き下ろしを依頼され、その候補となったのが『ベン・ハー』だった。その際に藤子は『ベン・ハー』の漫画原稿を5、6枚だけ執筆したが、結局単行本の発売は実現しなかった[27]。地方での漫画執筆に限界を感じた藤本は、新聞社勤務と漫画家を兼業していた安孫子素雄を誘って、翌1954年に上京することになる。
『ベン・ハー』の原稿(1枚と数コマだけ現存)や構想ノートは、藤子・F・不二雄ミュージアムの展示や、関連書籍にて閲覧することができる。ちなみに藤子が漫画化を試みたのは1959年の映画が制作される前の話である。藤子不二雄の作品における本作の位置づけは藤子不二雄のベン・ハーを参照。
詰将棋
- 詰将棋作家としても著名な内藤國雄九段は、プロ入り直後に見た1959年版の映画に着想を得て構想を重ね、40余年後の2001年に「ベン・ハー」と題する詰将棋を完成し発表した[28]。「盤上、玉が斜めに動くのがゴルゴダの丘に向かうキリスト、槍(香)を斜めに打って、竜で追いかけるというのが戦車競争」[29]との思いを込めた111手詰みの長編の中に数々の趣向が織り込まれていて[28]、映画の世界観を表現するという詰将棋の新たな地平を切り拓いた名作と評価される[要出典]。
- ^ a b c d 齊藤忠利「ベン・ハー」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、コトバンク。2020年7月31日閲覧。
- ^ 副題は日本語で『キリストの物語』とも訳される(「ベン・ハー/キリストの物語〈アメリカ古典大衆小説コレクション1〉」松柏社。2020年8月1日閲覧)。
- ^ 齊藤忠利「ウォーレス」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、コトバンク。2020年8月1日閲覧。
- ^ 『ベン・ハー』のこの発行部数記録が破られることになるのは『聖書』を除けば1936年の『風と共に去りぬ』を待たねばならない(Amy Lifson, "Ben-Hur: The Book that Shook the World", HUMANITIES, November/December 2009, Volume 30, Number 6, The National Endowment for the Humanities. 2020年8月3日閲覧)。
- ^ a b 白石佑光「あとがき」『ベン・ハー』〈新潮文庫〉、1960年、328頁。
- ^ Ben-Hur, Book 5 Chapter XIV, EBook of Ben-Hur. 2020年8月5日閲覧。
- ^ ソポクレス『エレクトラ』第680行 -、ウィキソース。2020年8月5日閲覧。
- ^ Ben-Hur, Book Second, Chapter VI, EBook of Ben-Hur. 2020年7月31日閲覧。
- ^ a b c d Ben-Hur, Book Second, Chapter VII, EBook of Ben-Hur. 2020年7月31日閲覧。
- ^ 作品が出版された1880年時点でも効果的な治療法がなかったが、1943年に既知の化合物いわゆるプロミンがハンセン病治療に有効と分かり、服薬で治癒する病気になった(「ハンセン病を学びたい方へ」「2 ハンセン病は治癒する病気です」国立感染症研究所、2012年1月31日。2020年8月1日閲覧)。
- ^ 「東方三博士の礼拝」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』コトバンク。2020年8月1日閲覧。
- ^ 「バルタザル」(【三博士の参拝】より)『世界大百科事典』平凡社、コトバンク。2020年8月2日閲覧。
- ^ "Characters List", Lew Wallace, Ben-Hur Illustrated (English Edition) Kindle版(無料サンプル), Amazon Services International, Inc.
- ^ apprentice.
- ^ “『ベン・ハー』2017年日本公開 予告編公開”. ORICON STYLE. (2016年5月19日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ 星をめあてに、松本赴訳、警醒社書店、1916年国立国会図書館デジタルコレクション。2021年4月4日閲覧
- ^ 『ベン・ハー : 圧制・闘争・栄光』国立国会図書館サーチ。2020年8月1日閲覧。
- ^ 『全訳ベン・ハー』国立国会図書館サーチ。2020年8月1日閲覧。
- ^ 「全訳」の翻訳底本は不明。
- ^ 『ベン・ハー』国立国会図書館サーチ。2020年8月1日閲覧。
- ^ 『ベン・ハー』国立国会図書館サーチ。2020年8月1日閲覧。
- ^ 映画公開に合わせた省略版からの自由訳[要出典]。
- ^ 『ベン・ハー : キリストの物語』国立国会図書館サーチ。2020年8月1日閲覧。
- ^ 「目次」他『ベン・ハー/キリストの物語〈アメリカ古典大衆小説コレクション1〉』松柏社。2020年8月1日閲覧。
- ^ 『ベン・ハー 1』『ベン・ハー 2』国立国会図書館サーチ。2020年8月2日閲覧。
- ^ 『Fujiko F Fujio World』(「藤子・F・不二雄展」図録。1998年1刷)p31
- ^ a b 『Fノート』(小学館)p60
- ^ a b 「将棋九段 内藤國雄さん 40年来の夢実現」『神戸新聞』2005/08/01。(アーカイブ)
- ^ 米長邦雄、内藤國雄『勝負師』朝日選書、朝日新聞社、2004年、30頁。
ベンハー
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