スタジオアルタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 14:24 UTC 版)
概要
名称の由来は「オルタナティブ(ALTernAtive)」[3]。「スタジオ・オルタ」と「スタジオ55」の2案を元に、フジテレビ社員の嶋田親一による打開案「スタジオアルタ」に決まった[4]。
ビル名の英字ロゴは三越宣伝広告部の市川貞夫によるものでカーニングをタイトに効かせており、ロゴカラーはフジテレビ舞台美術プロデューサーの松下朗によるもので光と色の三原色を軸に選定したという(黄色の補色となるようマゼンタの代わりに紫を採用)[3]。
スタジオは面積243.5m2(約74坪)でコマーシャル、テレビ番組制作、映画の収録・撮影などが行われてきた。
外観は、1990年代以降から大きな変化を見せている。完成当初、建物上部から頭頂部には大きなアナログ時計が設置されており、国鉄(現JR)線路側からアルタを見ると、そのアナログ時計のメーカーの服部セイコーの看板が設置されていた。また、新宿通りの伊勢丹側から見ると、側面にはフジテレビのロゴが小さく配置されていた。開業当初は青地に白字で「8マーク」と旧社名ロゴ、1986年4月の「目玉マーク」への変更以降は白地にオレンジの目玉マークと現社名ロゴというデザインで長年にわたり掲出されていたが、2010年2月末をもって撤去された。
1995年の外壁改装時に頭頂部のアナログ時計とJR線路側に設置されていた服部セイコーの看板はどちらも撤去され、ビル名のロゴより上部をすべて広告スペースとした。これは、新宿東口のランドマークとして、その高い存在感をビル自体の収入源として活用する目的からと言われている。初代スポンサーは電機メーカーのパナソニック(旧:松下電器)で、夜間は15分ごとにネオンサイン全体を使って時刻がデジタル表示された。その後、クレジットカード会社のJCB、住宅会社のタマホームを経て、2023年10月現在は4代目として辛子明太子会社のかねふくの広告が掲出されている。
広告やイベントに扱うスペースとしてはこの広告スペースと後述するアルタビジョン、7階のスタジオの他に開業当初は「デートプラザ」と呼ばれた街頭イベントが行うことができる構造の1階の新宿駅側の正面入口、その上にあるアルタビジョンと連動可能な2階の「バルコニーステージ」がある。開業当初はこれらに加えて正面入口の壁面に33台のテレビからなるマルチ画面があったが、現在は撤去されて普通の壁面となっている。正面入口の前は開業当初、日本一高い地価だった時期もあったが地価日本一は銀座に譲られている。
この土地にスタジオアルタが立地する以前は、食品デパートの二幸が、さらにその前は三越の分店が立地していた。なお、アルタの建物の北側部分は1960年に増築された二幸の建物をそのまま利用したものである。
スタジオの終焉、劇場へ
2016年3月31日をもって、約36年間にわたるスタジオとしての使用を終了した。当スタジオで放送された最後の生放送はTOKYO MXの『出張!5時に夢中!in新宿スタジオアルタFinal~内藤聡子卒業SP~』であった[5][6][7]。
2016年11月3日、アルタ運営会社である三越伊勢丹プロパティ・デザインにより、首都圏初となるU字型の体感型3D上映システムや充実したステージ機能(音響、プロジェクションマッピングなど)を完備した劇場「アルタシアター(ALTA THEATER)」としてリニューアルオープン。日中は3Dシアター、夜はミュージックカフェ&バーとしての運営を基本とする[8][9]。11月1日にはオープン前の内覧会が開かれた[10]。創業地であるアルタシアターは三越伊勢丹プロパティ・デザインに譲渡されており、スタジオアルタは運営に関わっていない。2018年には三越伊勢丹から、Jトラスト傘下のKeyHolderに譲渡され、同6月にイベントライブスタジオ「KeyStudio」としてリニューアルオープン。「スタジオ」の名称は復活したが、三越グループから離れることとなった。
2017年2月28日、有楽町センタービル新館7階の2014年に閉館した映画館「丸の内ルーブル」跡地に「オルタナティブシアター(ALTERNATIVE THEATER)」を同年7月7日にオープンさせることを発表し、初めて演劇専門の劇場運営に乗り出したが[11]、2022年5月31日をもって運営事業を終了している[12]。
注釈
出典
- ^ a b c 『事務所移転のお知らせ』(プレスリリース)スタジオアルタ、2020年6月29日 。2020年7月1日閲覧。
- ^ a b 『事務所移転のお知らせ』(プレスリリース)スタジオアルタ、2016年10月24日 。2017年6月25日閲覧。
- ^ a b c d e 沿革|スタジオアルタ
- ^ p.90 オーラルヒストリー 演劇、ラジオ、テレビ、映画にまたがっての華麗なる裏方人生 嶋田親一さん 平成22年度 日本脚本アーカイブズ調査・研究報告書[Ⅵ]日本脚本アーカイブズ特別委員会(Googleキャッシュ)
- ^ 『〜「5時に夢中!」関連情報〜バラエティの聖地から最後の生放送!!出張!5時に夢中!in新宿スタジオアルタFinal〜内藤聡子卒業SP〜』(PDF)(プレスリリース)東京メトロポリタンテレビジョン株式会社、2016年3月3日 。2016年3月4日閲覧。
- ^ “いいとも“聖地”スタジオアルタ、3月いっぱいで休止 新宿アルタは継続”. スポーツ報知 (株式会社報知新聞社). (2016年3月3日) 2016年3月4日閲覧。
- ^ ““バラエティーの聖地”スタジオアルタ、36年の歴史に幕”. オリコン. (2016年3月31日)
- ^ ““新宿アルタ/スタジオアルタ跡地に「アルタシアター」をオープン”. 流通ニュース. (2016年8月26日)
- ^ “スタジオアルタが「3Dシアター」に変身 11・3オープン”. ORICON STYLE. (2016年11月1日) 2016年11月2日閲覧。
- ^ “新宿アルタが「アルタシアター」として復活! ムービー上映のほかライブなども実施”. RO69 (ロッキング・オン). (2016年11月2日) 2016年11月2日閲覧。
- ^ 『2017年7月、有楽町に劇場「オルタナティブシアター」をオープンします!』(プレスリリース)スタジオアルタ、2017年2月28日 。2017年6月25日閲覧。
- ^ 『オルタナティブシアター運営事業終了のお知らせ』(プレスリリース)スタジオアルタ、2022年6月1日 。2022年11月17日閲覧。
- ^ a b “【動画】『いいとも!』32年の歴史に幕 最後は「あした、また観てくれるかな?」でお別れ”. オリコン. (2014年3月31日) 2016年8月8日閲覧。
- ^ “アルタビジョンリニューアル”. 2014年4月2日閲覧。
- ^ “新宿に巨大猫ニャーロ、クロス新宿ビジョンからアルタビジョンに飛び移る”. インプレス AV Watch. (2021年12月10日) 2021年12月23日閲覧。
- ^ 2014年6月30日の東京新聞より。
- ^ a b “テーマは“性的なPUFFY” 番組発の楽曲がデビュー20周年記念アルバムに収録!”. とれたてフジテレビ (フジテレビ). (2016年3月16日)
- ^ ““いいとも不況”を気に掛ける新宿アルタ周辺 - 週刊実話”. 週刊実話ウェブ (2013年12月8日). 2014年4月9日閲覧。
- ^ 『公開生放送バラエティの聖地 新宿アルタへ進出! 2番組同日公開生放送スペシャル@新宿スタジオアルタ 9月23日(火・祝)』(PDF)(プレスリリース)東京メトロポリタンテレビジョン、2014年9月2日 。2018年12月23日閲覧。
- ^ ““スタジオアルタ、『いいとも』最終回以来半年ぶり生放送 MX『5時に夢中!』”. ORICON STYLE (2014年9月23日). 2014年9月24日閲覧。
- ^ vision-tokei[リンク切れ]
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