ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 05:00 UTC 版)
登場キャラクター
- ゴジラ
- 詳細は「ゴジラ (ミレニアムシリーズ)#機龍二部作」を参照
- モスラ
- 3式機龍
- 前作の3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)が破損したため、右腕に4式対獣掘削装置(スパイラル・クロウ)と胸部に4式3連装ハイパーメーサー砲が新たに装備される。
- 詳細は「3式機龍」を参照
- カメーバ
- 詳細は「カメーバ#『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のカメーバ」を参照
- 小美人(ヒオ・マナ)
- 詳細は「小美人#『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』」を参照
登場人物
中條 義人 ()[28][29]- 本作品の主人公。特生自衛隊(特自)一曹[出典 8]。3式機龍整備班の一員[出典 9]。26歳[出典 10]。中條信一の甥で[32][31]、信一の弟である信二の息子[29]。
- メカに思い入れが強く、人格をメカに見るタイプで[31]、「機械の心が分かり、声を聞くことができる」と豪語するほど機体整備を生き甲斐とする熱血漢。元航空自衛隊の整備士で[30]、空自時代はF-1支援戦闘機を始めとしてF-4やF-15の整備に携わり、取り分け初めて整備をしたF-1には相当な思い入れを持つ。休暇中に出会った小美人が機龍を破棄するように警告した際には機龍を守りたい一心で反対するが、機龍が戦いを望んでいないのかと思い始める[31]。
- 機龍がゴジラとの戦闘中、機駆動系統の故障でコントロールできなくなった際、自ら戦地に赴き修理に当たったり、メンテナンスハッチの故障によって機龍から出られなくなるが、作戦に支障が出てはいけないと嘘の退避報告をするなど自衛隊員としての使命感も強い。
- ゴジラとの決着に至って機龍が戦いを望まず静かに眠りたい本意を知り、機龍から脱出する際「SAYONARA YOSHITO」という別れのメッセージを受け取って機龍との別れを告げる。
- 演じる金子昇は、義人の人物像を内気で繊細、いろいろなことを内に秘めるタイプと評しており、言葉や表情にあまり出さない義人の機龍に対する想いをどのように表現するかが自身の課題であったと述べている[33]。また、モスラに対しては義人として賛否どちらも持ちうるため、無理に感情移入はせず、機龍への想いを主軸とした[34]。
- 脚本の横谷昌宏が書いたプロットでは機龍隊の訓練生である「相馬大介」という名前であった[35][36]。
- 初期案では、義人のミスにより機龍がシステムダウンし修理が長引くという展開が予定されていたが、話がダレるとの判断からカットされた[37]。
- 「SAYONARA YOSHITO」というメッセージは、決定稿のシナリオにはないシーンであった[出典 11]。金子は、義人は分身のように思っていた機龍とともに死にたかったと解釈しており、脱出時の切ない表情は機龍と別れ難い金子自身にとっても素の演技になったという[33][39]。
如月 梓 ()[出典 12]- 特自・機龍隊、しらさぎ2号機のパイロット[出典 13]。階級は三尉[出典 14]。26歳[出典 15]。
- 4年前までは整備士で、航空自衛隊での義人の同僚だった[出典 16]。空を飛びたいという思いから機龍隊に志願し[31]、茜たちの壮行会の日に第1機龍隊の一員に任命される。
- 義人に好意を寄せているらしいが、義人がそれに気付かないほど鈍感なことに少々不満な様子である[32][31]。怪獣にも詳しく、漂着した怪獣の死骸がカメーバだと機龍隊の中で真っ先に認識している。
- ゴジラとの戦いでは、義人の頼みを受けて機龍を操縦する秋葉をサポートし、その後は機龍から出られなくなった義人を救うために奮闘する[42][31]。
秋葉 恭介 ()[28][44]- 特自・機龍隊、機龍正オペレーター[出典 17]。階級は三尉[30][31]。26歳[出典 18]。
- 元空自のトップガン[出典 19]。世界でたった1機しかない機龍を自らの手で動かしたいという思いから第1機龍隊に志願し入隊する[32][44]。
- 機龍の操縦技量は義人も十分と認めているが自信過剰な性格で、自分の操縦するメカには乱暴な扱いをしていることから[31]、義人とは対立が絶えない不仲な関係である[32]。しかし義人が父親の功の気持ちを知ってからは心配されるようになり、義人が機龍から脱出する際は梓と協力して命がけの救出を行う。
富樫 ()[28][46]- 特自二佐[30]。機龍隊隊長[出典 20]。37歳[出典 21]。
- 引き続き機龍の現場指揮を執る[47][46]。
神崎 ()[28][51]- 特自・機龍整備班班長[出典 22]。47歳[出典 23]。
- 土橋が機龍の修復について質問した際に義人の主張を尊重しながら返答する。
- 秋葉ともめたことを不問としたり、信一と瞬の捜索に自身の愛車を貸し与えるなど[31]、義人にとって良き上司である。
一柳 ()[28][52]- 特自幕僚長[47][28]。55歳[47][28]。
- 前作に引き続き3式機龍司令室より直接指示を出す[47]。ゴジラの再上陸が決定した際には、更地となったままの品川特別区で再戦すると強引に決断する[31]。
土橋 ()[28][53]- 防衛庁長官[出典 21]。前作に引き続き五十嵐の下で務める。
- 手塚は、前作ではセリフが少なかったと感じていたことから、本作品ではマスコミ対応の場面を設けるなど出番を増やした[48]。
秋葉 功 ()[28][44]- 防衛庁長官政務官[出典 24]。恭介の父親[出典 25]。
- 息子が機龍のオペレーターであることには内心反対しており、モスラが代わりに戦うことに関心を持ち、義人に休暇中の出来事を尋ねた[47]。しかし結局出動を決定した機龍を見守る。
二階堂 ()[28][54]- 特自・特殊作業班の責任者[出典 26]。42歳[出典 27]。
- 九十九里海岸に漂着したカメーバの死骸の検分と回収作業を担当する[47][31]。カメーバについての知識も持ち、カメーバを知る梓に関心を示す。
- 準備稿では32歳であった[36]。
菅野 吾郎 ()[28][55]- 低温物理学の権威[出典 28]。アブソリュート・ゼロの修復は不可能と断言したが、機龍は動くと信じている。
- 前作で機龍を開発した4人の権威たちの中では唯一前作に引き続いての登場だが、出番はワンシーンのみである。
田所 ()[28][56]- 特自・機龍整備班整備士[出典 29]。27歳[32][28]。
- 義人の友人であり[31]、機龍整備中に呆然としていた義人に気付き理由を尋ねる。
望月 ()[28][57]- 特自・機龍整備班整備士[出典 30]。28歳[32][28]。
- 田所と同様に義人の友人であり[31]、義人が機龍を現地で応急修理した際には、通信を受けながら田所たちと共に全力でサポートする。
中條 瞬 ()[28][58]- 信一の孫[出典 23]で義人の従甥[58][30]の小学生。10歳[出典 23]。
- 義人を「よしおじちゃん」と呼ぶ[32][30]。祖父から43年前の出来事を聞き、ゴジラが現われた際、モスラを呼ぼうと当時と同じモスラの紋章を港区立田町小学校の校庭に多数の机を並べて形作り、モスラを呼び寄せた[32][31]。後に信一と共に避難していた際に、2人でがれきの下敷きとなってしまうが、駆けつけた義人に救われて日比谷公園の指揮所に避難し、機龍の応急修理へ向かう義人を見送る。
関根 健二 ()[28][59]- 特自一尉[47][28]。28歳[47][28]。フルネームは本作品で判明。
- 茜や葉山と同じく研修のため1年間アメリカに派遣される[47][31]。台詞は一言のみ。
葉山 進 ()[28][60]- 特自二尉[47][28]。26歳[47][28]。フルネームは本作品で判明。
- 茜や関根と同じく研修のため1年間アメリカに派遣される[31]。現在は茜とのわだかまりは解消し[47]、壮行会ではビールを勧めるなどさりげない気遣いも見せる[31]。台詞は一言のみ。
家城 茜 ()[28][61]- 前作の主人公。特自二尉[出典 31]。29歳[47][28]。
- 1年前のゴジラとの戦いで機龍に直接乗り込み、引き分けた。研修のため葉山や関根と共に1年間アメリカに派遣される[47][31]。
- 派遣前夜の壮行会後に機龍のドックで義人に会った際、彼と似た部分があると感じると同時に、「機龍を残して日本を離れるのは残念」「機龍はもう戦いたくないのかもしれない」と思いを語り、機龍の後見を託した[47]。
中條 信一 ()[28][58]- 言語学者[出典 32]。義人の伯父[出典 33]であり瞬の祖父。74歳[出典 23]。
- 43年前のインファント島調査で小美人と出会い、悪徳興行師のネルソンによって誘拐され見世物にされてしまった小美人を救った過去がある[31]。その後は、著作の収入により裕福な生活を送っていた[32]。五十嵐とは個人的な友人でもある[32][31]。
- 悩む義人にアドバイスしたり、モスラを呼ぶためにいなくなってしまった瞬を単身で探しに行き、がれきが自分たちに降り注いだ時にも我が身で瞬をかばおうとする、温厚で甥・孫思いな人物である。
- 準備稿では71歳であった[36]。
- 劇中での初登場シーンでは読書中の本で顔が隠れているが、これは『モスラ』作中での「カメラ嫌いで、撮られそうになると本で顔を隠す」という設定のオマージュである[63]。
- 演じる小泉博によれば、手塚は最初から小泉の出演を想定して脚本に取り入れたという[64]。手塚は、中條が本作品と『モスラ』の世界観を繋げる大事な役であり、小泉が出演することで小美人の説明が省けるというメリットがあったと語っている[62][65]。
- 小泉は、五十嵐との関係については大学の先輩後輩でスポーツなどの部活動を共にしていたと解釈している[66]。横谷は、言語学者としてそれなりの地位を築いていれば友人であってもおかしくないであろうという考えであったことを述べている[37]。
- 手塚によれば、信一が瞬を探すシーンで高齢の小泉を走らせることに批判があったが、あくまで演技であると述べている[50][67]。小泉自身も、現場では長老のように労われていたと述懐している[66]。また、瓦礫に埋もれるシーンの撮影でこの程度で良いのか心配であったといい、完成した映像では感じが出ていたので感心したと述べている[68]。
五十嵐 隼人 ()[28][69]- 内閣総理大臣[出典 34]で、機龍プロジェクトの総責任者。58歳[出典 21]。前作からの登場人物で、科学技術庁長官時代から機龍プロジェクト総責任者を務めていた。
- 信一の個人的な友人。信一が伝えた小美人の警告は
真摯 に受け止めながらも、ゴジラに対抗しうる手段が機龍しかない現状と、警告を伝えに来たモスラがかつて東京を破壊した怪獣であったことから放棄には態度を一旦保留する[69][30]が、ゴジラの駆逐後は機龍を即刻破棄するつもりだった。 - 機龍に代わってゴジラと戦うモスラを見て、機龍の最後の出動を決定する[47][31]。ゴジラと機龍が海底深く沈んだ後は「我々は自らの過ちに気付き、その過ちを認める勇気を得た。その勇気こそが勝利だろう」と語る。
- 手塚は、総理大臣とは本来格好いいものだと考えており、総理をしっかり描くことが災厄の大きさを見せることになると述べている[50]。
登場兵器
架空
- 3式機龍
- 詳細は「3式機龍」を参照
- AC-3 しらさぎ
- 詳細は「東宝特撮映画の登場兵器#しらさぎ」を参照
- 90式メーサー殺獣光線車
- 詳細は「メーサー兵器#90式メーサー殺獣光線車」を参照
- 73式小型車
- 詳細は「東宝特撮映画の登場兵器#73式小型車」を参照
- イージス護衛艦「あいづ」[70]
- 艦番号DD-147[71]。太平洋上にて、日本へと向かうゴジラをアスロック砲や換装速射砲などで迎撃する[70]。
- プロップ(撮影用のミニチュア)は『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』に登場した防衛海軍巡洋艦「あいづ」のプロップを改装したものである[出典 35]。プール内には浮かべず、プールの外側からの撮影や合成素材として用いられた[72]。
- コンテ台本では、甲板にメーサー殺獣光線車を乗せてゴジラを砲撃するという描写が存在し[73]、撮影の準備も進んでいたが[74]、カットされた[出典 36]。コンテを担当した西川伸司は、既存の造型物を用いた新しい画作りとして考案したが、実際の画としては構成が難しかったと述べている[75]。また、前半の特撮シーンが増加していたため、カットしなければならないという都合もあった[73][75]。
- 米軍原子力潜水艦[70]
- アメリカ海軍の原子力潜水艦。艦名は不明。グアム島沖でゴジラの襲撃を受けて撃沈される。
- プロップは『ゴジラ』でソ連原潜、『ゴジラvsキングギドラ』で「むさし2号」として使用されたもの[出典 37]。アップ用に1/25スケールの部分ミニチュアも新造された[76]。
- 監視衛星
- 特生自衛隊が運用している光学偵察衛星。番号はE-03。小笠原諸島上空を飛ぶモスラの羽を撮影している。作中には撮影した画像のみが登場した。
実在
- 自衛隊
- 90式戦車[出典 38]
- 96式装輪装甲車[70]
- 89式装甲戦闘車[80][70]
- 87式偵察警戒車[81][70]
- 82式指揮通信車[出典 39]
- 73式大型トラック[70]
- 73式中型トラック[70]
- 73式小型トラック
- 1/4tトラック[70]
- 軽装甲機動車[出典 40]
- 高機動車[70]
- 偵察用オートバイ[70]
- 1 1/2t救急車
- 88式地対艦誘導弾(SSM-1)[出典 41]
- はたかぜ型護衛艦「はたかぜ」[70]
- はつゆき型護衛艦「さわゆき」[70]
- F-15J戦闘機[出典 42]
- F-1支援戦闘機(模型)[83]
- P-3C対潜哨戒機[70]
- AH-1S対戦車ヘリコプター[84][70]
- 89式5.56mm小銃
- 64式7.62mm小銃
- 敷設機雷
- アメリカ軍
注釈
- ^ 資料によっては、「93分」[14]、「94分」[6]と記述している。
- ^ a b 書籍によっては、ワイドショー・コメンテイター[47]、ニュースコメンテーター[2]、ニュース番組コメンテイター[4]と記述している。
- ^ 書籍によっては東京タワーの陸上自衛隊員[2]、自衛隊員(東京タワー)[20]、山口[4]、東京タワー指揮官[31]と記述している。
- ^ 資料によっては、千葉と記述している[出典 56]。
- ^ 『モスラ』の出演シーンの流用[48]。
- ^ 手塚は、初監督作の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(2000年)からモスラを登場させることを要望していた[62]。
- ^ 手塚は、自身が個人的にファンであったとも述べている[86]。
- ^ 昭和特撮作品のロケ地として多用されたことでも知られる東京都水道局の長沢浄水場とは隣接しているが別の施設である[26]。
- ^ 資料によっては「6月10日」から[25]、「6月10日から8月15日」[40]と記述している。
- ^ 前作『×メカゴジラ』ではゴジラの放射熱線によって東京タワーが破壊される予定であったが実現しなかった[65]。
- ^ しかし『メガギラス』よりは多いという[109]。
出典
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