クナイペルール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/22 09:27 UTC 版)
目次
ラムシュ (Ramsch)
ビッドで3人のプレイヤーが全員パスをしたときラムシュが始まる。ラムシュでは3人のプレイヤーが単独で勝負をし、獲得カードポイントはできる限り少なくなるようにする。グランと同じく切札は4枚のブーベのみで、カードは強い方からA,10,K,D,9,8,7の順番。最後のトリックを取ったプレイヤーがスカートのポイントを獲得ポイントに加え、最も多くポイントを取ったプレイヤーが20失点となる。その他、スカートのポイントは最も多くのポイントを取ったプレイヤーに加算されるルール、どのプレイヤーにも加算されないというルールもある。また、最も多くのカードポイントを取ったプレイヤーが20失点ではなくそのカードポイントをそのまま失点とするルールや、プレイヤー3人ともが獲得したカードポイントをそのまま失点とするルールもある。なお3人が40ポイントずつ取った場合は3人とも40失点となる。
ユングフラウ (Jungfrau)
ラムシュで1トリックも取らなかったプレイヤーのこと。ユングフラウ以外のプレイヤーはそれぞれが2倍の失点、つまり40失点となる。また、トリックを取っていてもカードポイントを取っていなければユングフラウとするルールもある。
グランドスラム (Durchmarsch)
ラムシュですべてのトリックを取ること。グランドスラムを達成したプレイヤーは120得点となる。その他のプレイヤーに得失点は付かない。また、すべてのトリックを取っていなくてもすべてのカードポイントを取っていればグランドスラムとなるルールもある。
コントラとレ (Kontra, Re)
単独プレイヤーが勝負の宣言をおこなった後、対抗プレイヤーが勝負に勝てると思ったときコントラを宣言する。さらにコントラの後、単独プレイヤーがそれでも勝負に勝てると思った場合はレを宣言する。コントラ、レともそれぞれの宣言によりゲーム点は2倍になる。つまりコントラとレが両方宣言されれば、得点はゲーム点の4倍、失点はその2倍の8倍になる。コントラを宣言をするプレイヤーは1枚目のカードを出す前までに宣言することができ、レはコントラの直後に宣言できる。その他、コントラは1トリック目のリードが出される前まであるいは直後まで、2トリック目のリードが出される前までに宣言できるとするルールもあり、レはコントラを宣言したプレイヤーが2枚目のカードを出す前まで宣言できる、あるいはレをおこなわないとするルールもある。コントラは18以上のビッドをしていなければ宣言できない。これは強い手札を持っているにもかかわらずビッドせず対抗プレイヤーになり単独プレイヤーを負かそうとする勝負を防ぐためである。なおヌルのときコントラは宣言できるが、レはできない。その理由は、ヌル・ウヴェアでも負けない手札のときゲーム点46にせず通常のヌルで勝負し、コントラとレによってそれを上回る23×2×2=92点の得点とならないようにするためである。コントラがトーナメントで認められない理由は、宣言により手札の強いプレイヤーを知らせてしまうことになるからで、トーナメントルールではこれを純然たる勝負に不都合なものとしている。
クナイペルールの得点表
略式得点表またはビアラクスという失点のみを記録する得点表が使われる。
略式得点表
3人でおこなうときは3勝負ごとに線で区切り、プレイヤー全員に平等になるよう3の倍数でゲームを終了するように、あらかじめ何回戦のゲームにするか決めておく。
ゲーム終了後に他のプレイヤーとの得点差を計算する。これはスカートが賭け事として使われた名残で、全員の和がゼロになる得点差は金額の精算に使われる。プレイヤーA,B,C,Dそれぞれの合計得点を a,b,c,dとしたとき、次のように計算される。
- プレイヤーAの得点差 = (a - b) + (a - c) + (a - d)
さらに、これらの数字を得るための簡単な計算方法として次の方法がある。
- 得点差 = (最終得点) × (ゲームの参加人数) - (全員の最終得点の合計)
ビアラクス (Bierlachs)
つねに失点のみが記録される得点表で、クナイペ(居酒屋)で勝負して負けたプレイヤーはビールをおごらなければならないことからこの名前が付けられている。単独プレイヤーが勝ったときは、2人の対抗プレイヤーがゲーム点を失点とする。ただし4人でゲームをしている場合はディーラーの失点にはならない。単独プレイヤーが負けたときは、ゲーム点の2倍が単独プレイヤーの失点となる。プレイヤーはそれぞれはじめに501点を持っていて、はじめにその得点を全部失ったプレイヤーが負けとなりゲームは終了する。同時に2人以上のプレイヤーの持ち点がなくなったときは、合計でより多くの失点をしているプレイヤーの負けとなる。合計失点が同じときは、それぞれが1回ずつフォアハンドになり追加の勝負をおこなう。グランド・スラムが達成されたときは2人の対戦プレイヤーが120失点となる。ラムシュのときは最も多くのポイントを取ったプレイヤー1人の失点となるが、2人のプレイヤーが60ポイントずつ取ったときはユングフラウを数えることになり、それぞれが2倍の120失点となる。
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- 1 クナイペルールとは
- 2 クナイペルールの概要
- 3 特殊ルール
- 4 関連項目
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