フォック空間とは? わかりやすく解説

フォック空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 05:09 UTC 版)

フォック空間 (フォックくうかん、: Fock space, : пространство Фока)とは、くりこまれたパラメータを持つ自由粒子の集まりでできたヒルベルト空間のことである[1]個数演算子の固有ベクトルで張られた空間とも言える。 最初にフォック空間を導入したソビエトの物理学者ウラジミール・フォックにちなんで命名された。

概要

場の量子論は、ヒルベルト空間の次元だけでなく自由度無限大である。よってヒルベルト空間をどのように構成するのかという問題が生じる。そこで一般的に、扱いたい状態を含んで、かつ、物理量が無駄なく既約に表現される空間にを選ぶのが普通だが、その場合によく用いられるのがフォック空間である。いつもフォック空間が適切なヒルベルト空間となる保証は無いのだが、便利なのでよく用いられる[1]

定義

フォック空間は1粒子ヒルベルト空間のテンソル積直和で作られるヒルベルト空間として定義される。

ここで は演算子で、ボゾンならば空間を対称的にし、フェルミオンなら空間を反対称的にする。は1粒子ヒルベルト空間である。

参考文献

  1. ^ a b 清水明『新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―』サイエンス社、2004年。ISBN 4-7819-1062-9 

関連項目


フォック空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 10:15 UTC 版)

多重線型代数」の記事における「フォック空間」の解説

ボゾン場の第二量子化を表すフォック空間として可分ヒルベルト空間対称代数現れ、元のヒルベルト空間ベクトルによる掛け算非有界作用素表している。

※この「フォック空間」の解説は、「多重線型代数」の解説の一部です。
「フォック空間」を含む「多重線型代数」の記事については、「多重線型代数」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フォック空間」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フォック空間」の関連用語

フォック空間のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フォック空間のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフォック空間 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの多重線型代数 (改訂履歴)、フォック状態 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS