ぶんか‐ぜんのうせい〔ブンクワ‐〕【分化全能性】
全能性
全能性
植物では比較的全能性が高く、分化してしまった細胞から完全な個体を再分化することが可能である。
ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)は、高い増殖能とさまざまな細胞へと分化できる多能性を持つことから、再生医学の分野では大きな期待を集めている。しかし、ES細胞はヒトの受精卵から作製するために慎重な運用が求められ、また、患者へ移植すると拒絶反応が起ってしまうなどの問題もある。
なお、ヒトでは2007年11月、京都大学の山中伸弥教授らの研究チームは、ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞(ES細胞)と遜色のない能力を持った人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に成功したと発表した。
全能性
(totipotency から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 09:26 UTC 版)
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全能性(ぜんのうせい、Totipotency)は、細胞があらゆる細胞に分化することができる、つまり完全な一個体を形成できる能力をいう。
植物細胞の全能性
植物細胞(部位は問わない)を栄養成分と特定の植物ホルモンを付加して培養することによって脱分化させると、カルスという未分化の細胞群が得られる。このカルスは不定芽や不定根といった器官を経由することによって完全な一個体を形成することができる。このため植物細胞は全能性を容易に発揮する。
動物細胞の全能性
皮膚の細胞のような通常の動物細胞は培養しても個体を形成せず、植物細胞と異なり全能性は発揮されない。ただし、アフリカツメガエルの小腸上皮細胞の核を、核を除去した未受精卵に移植すると完全な一個体が形成されたことから、動物細胞の核には全能性があることが確認されている。また、胚盤胞の内部細胞塊は全能性を持つことが分かり、胚性幹細胞(ES細胞)に利用されている。
関連項目
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