iPS細胞による臨床研究の実現へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:19 UTC 版)
「高橋政代」の記事における「iPS細胞による臨床研究の実現へ」の解説
2006年には京都大学から理化学研究所発生・再生科学総合研究センター (CDB : Center for Developmental Biology) へ異動する。ES細胞の臨床実験の見通しが立たない頃、山中伸弥がiPS細胞の開発に成功する。iPS細胞により倫理面と適合性の問題が解消し、現実的な臨床実験への見通しが立つ。さらにES細胞やiPS細胞から網膜シートを作り、マウスの眼球に移植、長期間にわたって移植片が機能的に生着し得ることを示唆する成果を出した。 網膜疾患には緑内障、糖尿病による網膜症、網膜色素変性等があるが、高橋は患者の治療経験から加齢黄斑変性に注目。高橋はiPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療の開発を目指し、2013年2月28日に計画書を厚労省に提出。厚労省は3月27日に『ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会』を開催して審査を開始、6月27日には臨床研究の実施を条件付きで了承した。本臨床研究では患者の皮膚からiPS細胞を作り、シート状に培養して網膜に貼り付ける方法をとる。なお、既存の薬物治療などでは効果がない6名の患者が対象となる。7月19日、田村憲久厚生労働大臣は実施計画を正式に承認した。2013年8月1日より加齢黄斑変性の患者の募集を開始した。
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