iPS細胞のソースとしてのミューズ細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 05:34 UTC 版)
「ミューズ細胞」の記事における「iPS細胞のソースとしてのミューズ細胞」の解説
ヒト線維芽細胞中に存在するSSEA-3陽性細胞から効率的にiPS細胞が誘導されるとの報告が2009年にされている。さらに2011年にはヒト線維芽細胞の中の数パーセントを構成するミューズ細胞からのみiPS細胞が樹立され、一方ミューズ細胞を除いた線維芽細胞からは山中4因子を導入してもNanogやSox2などの多能性因子の発現が見られずiPS細胞も誘導されないことが報告された。これらの結果はiPS細胞の樹立は確率論的に誘導されるというstochastic modelではなく、特定の細胞集団から誘導されるというelite modelに従っていることを示唆している。ミューズ細胞はもともと多能性幹細胞であるため、iPS細胞との大きな違いは腫瘍形成能の有無である。つまりもともと細胞集団内に存在していた、多能性ではあるが腫瘍形成能のない幹細胞に対して山中因子が腫瘍形成能を与える事でiPS細胞ができるという可能性が示唆されている。
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