コマフリー軸
【英】:coma-free axis
合わせとは、対物レンズの寄生収差の一つである(軸上)コマ収差が0になる軸に電子線の入射方向を合わせることである。球面収差補正装置が搭載されていない電子顕微鏡では、対物レンズの軸ずれ等に伴う(軸上)コマ収差に対して、試料上方にある偏向系を用い、試料に対する電子線の入射方位を変えて合わせを行うことが一般的である。この場合、は、電圧軸に近い関係にある。一方、球面収差補正装置が搭載された場合では、球面収差補正装置に対する軸すれが原因で発生する軸上コマ収差が補正の対象となり、対物レンズ下方(収差補正装置上方)にある偏向系を用いて(軸上コマ収差係数を零(nmオーダー)にすることにより)合わせを行う。この場合、電圧軸合わせとは独立に合わせを行うことができる。軸上コマ収差は、レンズそのものの性質に起因するザイデルの5収差の一つである(軸外)コマ収差とは別物である。実際にはアモルファスカーボンやアモルファスGe薄膜を用いて入射ビームを数10mrad以上傾けアジムス方向0°〜360°の間で、4〜16枚程度の写真を撮りディフラクトグラムタブローを作り、それらの図形がタブローの中心(傾斜0の位置)に対して中心対称になるように対物レンズ後方の収差補正装置に対する電子線の傾きを調整する。合わせは高分解能像を撮るときに重要である。
合わせとは、対物レンズの寄生収差の一つである(軸上)コマ収差が0になる軸に電子線の入射方向を合わせることである。球面収差補正装置が搭載されていない電子顕微鏡では、対物レンズの軸ずれ等に伴う(軸上)コマ収差に対して、試料上方にある偏向系を用い、試料に対する電子線の入射方位を変えて合わせを行うことが一般的である。この場合、は、電圧軸に近い関係にある。一方、球面収差補正装置が搭載された場合では、球面収差補正装置に対する軸すれが原因で発生する軸上コマ収差が補正の対象となり、対物レンズ下方(収差補正装置上方)にある偏向系を用いて(軸上コマ収差係数を零(nmオーダー)にすることにより)合わせを行う。この場合、電圧軸合わせとは独立に合わせを行うことができる。軸上コマ収差は、レンズそのものの性質に起因するザイデルの5収差の一つである(軸外)コマ収差とは別物である。実際にはアモルファスカーボンやアモルファスGe薄膜を用いて入射ビームを数10mrad以上傾けアジムス方向0°〜360°の間で、4〜16枚程度の写真を撮りディフラクトグラムタブローを作り、それらの図形がタブローの中心(傾斜0の位置)に対して中心対称になるように対物レンズ後方の収差補正装置に対する電子線の傾きを調整する。合わせは高分解能像を撮るときに重要である。
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